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開脚に潜むケガのリスク [山登り]

寒暖の差が激しくなってきています。
街路の銀杏はすっかり黄色くなり、歩道は落ち葉で敷き詰められ、なんともいえない冬の前触れを感じさせますね。
冷え込みがきつくなると、年のせいもあってか関節の動きが悪くなり痛みと軋みに悩まされます。
柔軟体操やストレッチが必要なゆえんですね。

ところで、ちょっと意外な記事がありましたのでご紹介します。

ブームに警鐘! 開脚に潜むケガのリスクに専門家は「不要」


「開脚」は、私などは「股割り」の方がしっくりくるのですが、要するにこんな感じで両足を180度開き、そのまま地面に胸や腹をつける柔軟運動の一つです。
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記事にもありますように、体操・バレエ・格闘技などのエキスパートはこれを苦も無くこなし、また、それによって怪我の発生を予防したりできるというのが、私などの認識ですが、ブームになっているとは寡聞にして知りませんでした。

しかし、正に過ぎたるは猶及ばざるが如し。
 実は股関節の可動域については、日本整形外科学会と日本リハビリテーション医学会が、診察や治療後の評価などで用いる股関節の可動域の参考範囲を、“外転(外側に開く)角度は片側45度、左右計90度程度”としている。
 
「これは自分の力で無理せず開いた場合の可動域で、体重をかけたり、誰かに引っ張ったりしてもらえば、120~140度ぐらいまではいきます。ですが、バレエなどのダンスや新体操、フィギュアスケートなど、芸術性が重視される競技を行う選手でもない一般の人が、180度も足を開く必要性はありません」(坂詰さん)  
 開脚は単に不要なだけでなく、やり方によってはケガのリスクを伴うという。冒頭のヒロミさんが痛めたのは腰だったが、トラブルが目立つのは股関節のほう。多いのは、短時間で無理に関節を伸ばそうとするケースだ。関節を安定させている靱帯や、周囲にある関節包が伸びてしまい、股関節が不安定になってしまうことがあるというのだ。
 
 時間をかけて柔軟性を高める場合でも、同時に筋トレなどで筋力を付け、関節を支える必要がある。坂詰さんによると、体を動かすには“安定性(スタビリティ)”と“可動性(モビリティ)”のバランスが大切だという。可動性だけを高めれば、安定性が保ちにくくなり、ケガにつながりかねない。それを防ぐには、筋肉を付けること。柔軟と筋トレはセットで考えなければならないのだ。

怪我を予防するために柔軟性を持たせるつもりが怪我につながったのでは本末転倒です。
この記事を読んで、改めて無理は禁物だと自戒しました。

というのも、クライミングをやる人たちはある程度身に染みていると思うのですが、かぶり気味の壁に正対で登るとき、腰やお腹を壁につけるようにするとハンドホールドに必要となる腕力がかなり減殺されるのです。
スタンスも、できれば片足は自分の体の中心線に置いて、その体制で腰を壁に密着させることで体重を真下の足に逃がすわけです。
このため、股関節はなるべく柔軟にし、できれば股割りが可能なくらい開くと腕力に余裕が生まれるのですね。

しかし私はこれが全く苦手で、頑張ってもこのくらいです。
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従って、厳しいルートではなるべく正対を避け、カウンターを使うことになります。

もう一つ、クライミングをスムーズにするための股関節の柔軟性はこんな形でも示されます。
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座った状態で両足の裏を股間で合わせてくっつけ、両膝を床につけるのです。
これができると、先に書いた壁に腰やお腹をくっつける体制が取りやすくなります。

しかし、これについても私はこんな程度。
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恥ずかしい限りです。
私のクライミング能力は、インドアで5.11aが最高(現在では5.9も怪しいかも)。
それ以上は全然歯が立たないのですが、さすがに5.12以上を登っているクライマーは、楽々と開脚が可能であり、彼らが柔軟運動をしているさまを見て「すごいな」と嘆息したものでした。

そんなこともあって、及ばずながらも風呂上がりのストレッチなどで股関節の可動域を広げる悪あがきもしてまいりましたが、この記事にもありますように、これからはむしろ大腿部や臀部のストレッチを中心にするように方向転換を試みようと思います。

長きにわたって山歩きやスポーツを楽しむためにも、無理なく体をケアしていくことがますます必要になるのかもしれませんね。

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