白内障の手術を受けました。 [日記]
台風二号の接近や前線の活動などで、ぐずついたお天気が続きます。
白内障の手術を受けました。
5月23日に左眼を、5月31日に右眼を手術。
一昨年くらいから目のかすみが気になっていたのですが、眼科を受診するのが億劫で放置してきました。
昨年の秋ごろには細かな字が見えづらくなり、太陽の光がまぶしく感じられるようになって、さすがにまずいと重い腰を上げることにしたのが今年の三月です。
というのも、30年位前に網膜色素変性症という診断を受けており、その折には「徐々に視野が狭くなっていって70歳までには失明する」と宣告され、しかも「有効な治療はなく進行を抑えることも基本的にできない」と医師に告げられため、そんな状況で眼科にかかっても意味がないと感じたことが大きかったのです。
その後、再就職にあたって健康診断を受けることとなり、その際に、目の状況を調べるようにと再就職先の人事担当から要請され、正に「嫌々ながら」眼科にかかったのですが、当初の診断を受けた時から20年近くたっているのに、網膜色素変性症による視野狭窄はあまり進んでいないのではないかと言われました(その時には白内障の兆候もありませんでした)。
そこでまたしても「放置」という態度に出てしまったわけです。
しかし、前述したような深刻な状況となり、車の運転も躊躇せざるを得ず、何よりも仕事に多大な影響が出始めましたので、意を決して、知人が紹介してくれた眼科にかかった次第です。
医療技術の進展はどの分野でも目覚ましいものがありますが、眼科においてももちろん例外ではなく、以前に私が受けていた診察からは想像ができないほど格段に進化していました。
診察の結果、やはり白内障が進行しており、網膜色素変性症の影響もあって前眼房などの組織が弱く、放置しておくと緑内障を起こす確率が高いとのこと。
白内障の手術によって網膜色素変性症の病変が進む可能性があるのではないか、との質問に対しては、その可能性は否定できないが、緑内障を発症すれば失明のリスクが高まるので、それの防止のためにも白内障の手術をお勧めする、との診断。
私が引っかかっている網膜色素変性症については、どうも進行の速度がかなり遅い珍しいタイプらしく、それによるいきなりの失明という事態にはなりにくいのではないかとのことでした。
喫緊の課題は緑内障発症による失明を防ぐこと、という説明を受け、白内障の手術を決意しました。
さて、手術を受けることを決意したのはいいのですが、設備の整った総合病院や大学病院では予約がいっぱいで半年くらい待たねばならないと聞き、愕然。
診察を受けた眼科医の推薦を受けて、個人病院で受けることになりました。
大きな病院ですと入院が可能ですから、両目を短期間で施術することができます。
しかし、推薦していただいた個人病院には入院施設はないため、片目ずつ日帰りでの手術となります。従って、手術にあたっては付添人がどうしても必要とのこと。片目に眼帯をしたまま一人で帰宅するのはあまりに危険であるとの判断からです。
こうなると、独り身にはハードルが高くなりますが、やむを得ず、八ヶ岳の実家の近くに住んでいる妹を頼ることにしました。快諾してくれたので本当に安心しました。
白内障の手術、様々な情報を見てみると、成功率も高く時間も15分程度で済む、比較的楽な部類の治療法のように記されてあります。
私の体験を申し述べれば、痛みを感ずることもなく術前術後の制約もあまり厳しくない手術であったように思われました。
それでも、手術中は得体のしれない焦燥感に襲われ、力を抜かなければと思いつつも肩や腕に力が入ってしまいました。
手術をする方の目にも不透明な膜のようなものをかけられ、水を常時流している状況なので、眼にメスなどが迫っているところは全く認識できませんでした。強い光を当てられていて、そこに視線を合わせるように言われます。光源は三つあって、強い光の中でその三つの光源を見つめている間に水晶体を抜かれるようです。
抜かれると眼前は真っ白になり、直後にいったん光を消されてそのあとに人工のレンズを挿入されます。
しばらくすると先ほどの三つの光源がより強く感ぜられるようになり、どうやらレンズが装着された様子。やがて大きな眼帯で目を覆われ、手術終了を告げられます。
当日の入浴は厳禁。翌日から風呂は許されますが、一週間にわたり洗髪はもちろん顔を洗うことさえ許されず、三種類の消毒液を朝・昼・晩点眼することになります。
もちろん、眼をこすったり触ったりすることも厳禁。
これが結構負担に感ぜられました。
左眼の手術が終わった後、洗髪と洗顔ができたのは一週間後の右眼の手術の前日。この時の爽快感は忘れられません。実にうれしいものでした。
現在はまたもや洗髪洗顔を禁止されている状況ですので、来週の月曜日が楽しみでもあります。
今はまだ右眼の手術が済んだばかりですので途中経過なのではありますが、とりあえずこの段階でご報告してみたいと思いました。
白内障の手術をお考えの方に、何らかのご参考になれば幸いです。
なお、手術後の見え方ですが、かなり驚愕すべきものでした。一番象徴的なのは白色の見え方です。
左眼の手術の後一週間近く、かすんでいた右眼との比較を余儀なくされましたが、右眼のほうで見ている白色は灰色もしくは薄い黄土色という感じで、左眼の輝くばかりの白色の鮮やかさを痛感しました。あまりに鮮やかで怖いくらいの色でした。
目のかすみは一掃され、PCやスマホや本などの文字もしっかりと見えるようになります。
人工レンズは単焦点でありますから、すべての距離を網羅することはできませんが、ハズキルーペを使わなければPCの文字を読むことすら厳しかった状況は完ぺきに改善されました。
右眼の手術が終わった後は、さらによく見えるようになり、いまさらながらに手術を決断して良かったと感じております。
以前、かなり気になっていた、眼の中に見えるゴミや筋や虫や濁りのような変なものは一掃され、視界はくっきりします。
ただし、老眼や乱視は残るようで、これまで使っていた眼鏡をかけたほうが楽ですね。
いずれきちんと検査をして、今の目に合う眼鏡を買う必要が出てくるのかもしれません。
来週の月曜日に予定されている診察を受けるまで予断は許されませんが、今のところ手術は成功している模様です。
安定するまでにはやはりひと月程度はかかるようですが、その後は少しアクティブに動けるようになるかなと、今から楽しみに思っているところです。
白内障の手術を受けました。
5月23日に左眼を、5月31日に右眼を手術。
一昨年くらいから目のかすみが気になっていたのですが、眼科を受診するのが億劫で放置してきました。
昨年の秋ごろには細かな字が見えづらくなり、太陽の光がまぶしく感じられるようになって、さすがにまずいと重い腰を上げることにしたのが今年の三月です。
というのも、30年位前に網膜色素変性症という診断を受けており、その折には「徐々に視野が狭くなっていって70歳までには失明する」と宣告され、しかも「有効な治療はなく進行を抑えることも基本的にできない」と医師に告げられため、そんな状況で眼科にかかっても意味がないと感じたことが大きかったのです。
その後、再就職にあたって健康診断を受けることとなり、その際に、目の状況を調べるようにと再就職先の人事担当から要請され、正に「嫌々ながら」眼科にかかったのですが、当初の診断を受けた時から20年近くたっているのに、網膜色素変性症による視野狭窄はあまり進んでいないのではないかと言われました(その時には白内障の兆候もありませんでした)。
そこでまたしても「放置」という態度に出てしまったわけです。
しかし、前述したような深刻な状況となり、車の運転も躊躇せざるを得ず、何よりも仕事に多大な影響が出始めましたので、意を決して、知人が紹介してくれた眼科にかかった次第です。
医療技術の進展はどの分野でも目覚ましいものがありますが、眼科においてももちろん例外ではなく、以前に私が受けていた診察からは想像ができないほど格段に進化していました。
診察の結果、やはり白内障が進行しており、網膜色素変性症の影響もあって前眼房などの組織が弱く、放置しておくと緑内障を起こす確率が高いとのこと。
白内障の手術によって網膜色素変性症の病変が進む可能性があるのではないか、との質問に対しては、その可能性は否定できないが、緑内障を発症すれば失明のリスクが高まるので、それの防止のためにも白内障の手術をお勧めする、との診断。
私が引っかかっている網膜色素変性症については、どうも進行の速度がかなり遅い珍しいタイプらしく、それによるいきなりの失明という事態にはなりにくいのではないかとのことでした。
喫緊の課題は緑内障発症による失明を防ぐこと、という説明を受け、白内障の手術を決意しました。
さて、手術を受けることを決意したのはいいのですが、設備の整った総合病院や大学病院では予約がいっぱいで半年くらい待たねばならないと聞き、愕然。
診察を受けた眼科医の推薦を受けて、個人病院で受けることになりました。
大きな病院ですと入院が可能ですから、両目を短期間で施術することができます。
しかし、推薦していただいた個人病院には入院施設はないため、片目ずつ日帰りでの手術となります。従って、手術にあたっては付添人がどうしても必要とのこと。片目に眼帯をしたまま一人で帰宅するのはあまりに危険であるとの判断からです。
こうなると、独り身にはハードルが高くなりますが、やむを得ず、八ヶ岳の実家の近くに住んでいる妹を頼ることにしました。快諾してくれたので本当に安心しました。
白内障の手術、様々な情報を見てみると、成功率も高く時間も15分程度で済む、比較的楽な部類の治療法のように記されてあります。
私の体験を申し述べれば、痛みを感ずることもなく術前術後の制約もあまり厳しくない手術であったように思われました。
それでも、手術中は得体のしれない焦燥感に襲われ、力を抜かなければと思いつつも肩や腕に力が入ってしまいました。
手術をする方の目にも不透明な膜のようなものをかけられ、水を常時流している状況なので、眼にメスなどが迫っているところは全く認識できませんでした。強い光を当てられていて、そこに視線を合わせるように言われます。光源は三つあって、強い光の中でその三つの光源を見つめている間に水晶体を抜かれるようです。
抜かれると眼前は真っ白になり、直後にいったん光を消されてそのあとに人工のレンズを挿入されます。
しばらくすると先ほどの三つの光源がより強く感ぜられるようになり、どうやらレンズが装着された様子。やがて大きな眼帯で目を覆われ、手術終了を告げられます。
当日の入浴は厳禁。翌日から風呂は許されますが、一週間にわたり洗髪はもちろん顔を洗うことさえ許されず、三種類の消毒液を朝・昼・晩点眼することになります。
もちろん、眼をこすったり触ったりすることも厳禁。
これが結構負担に感ぜられました。
左眼の手術が終わった後、洗髪と洗顔ができたのは一週間後の右眼の手術の前日。この時の爽快感は忘れられません。実にうれしいものでした。
現在はまたもや洗髪洗顔を禁止されている状況ですので、来週の月曜日が楽しみでもあります。
今はまだ右眼の手術が済んだばかりですので途中経過なのではありますが、とりあえずこの段階でご報告してみたいと思いました。
白内障の手術をお考えの方に、何らかのご参考になれば幸いです。
なお、手術後の見え方ですが、かなり驚愕すべきものでした。一番象徴的なのは白色の見え方です。
左眼の手術の後一週間近く、かすんでいた右眼との比較を余儀なくされましたが、右眼のほうで見ている白色は灰色もしくは薄い黄土色という感じで、左眼の輝くばかりの白色の鮮やかさを痛感しました。あまりに鮮やかで怖いくらいの色でした。
目のかすみは一掃され、PCやスマホや本などの文字もしっかりと見えるようになります。
人工レンズは単焦点でありますから、すべての距離を網羅することはできませんが、ハズキルーペを使わなければPCの文字を読むことすら厳しかった状況は完ぺきに改善されました。
右眼の手術が終わった後は、さらによく見えるようになり、いまさらながらに手術を決断して良かったと感じております。
以前、かなり気になっていた、眼の中に見えるゴミや筋や虫や濁りのような変なものは一掃され、視界はくっきりします。
ただし、老眼や乱視は残るようで、これまで使っていた眼鏡をかけたほうが楽ですね。
いずれきちんと検査をして、今の目に合う眼鏡を買う必要が出てくるのかもしれません。
来週の月曜日に予定されている診察を受けるまで予断は許されませんが、今のところ手術は成功している模様です。
安定するまでにはやはりひと月程度はかかるようですが、その後は少しアクティブに動けるようになるかなと、今から楽しみに思っているところです。
白内障の手術。いい結果になりますように。
私の場合は老眼が不要になって、よかったです。
by 夏炉冬扇 (2023-06-01 06:33)
夏炉冬扇さん、こんにちは。
ありがとうございます。順調に回復しているように思います。
夏炉冬扇さんは老眼鏡が不要になったとのこと。私も使わずに済みそうな感じにまで見えるようになりました。
by 伊閣蝶 (2023-06-01 09:46)
手術を受けるまでには色々なことが有ったのですね。
結果は良好ということで何よりです。
私の周りにも白内障の手術を受けた方がいますが、今一つ手術内容が分かっていませんでした。
この記事のおかげでかなり理解することができました。
いずれ私もお世話になることと思っていますので、安心感も出てきました。
ありがとうございました。
by tochimochi (2023-06-01 21:21)
目の手術が無事に成功された様で、なによりです。
お疲れ様でした。
自分には兆候はありませんが、とても身近な病気ですので参考になります。目が不自由ですと晴耕雨読さえ出来ませんから大事な事ですね。
by のら人 (2023-06-02 11:33)
tochimochiさん、こんにちは。
ご参考になったのであればうれしい限りです。
私も、手術を受けるまではかなり逡巡しましたが、緑内障に罹患する恐れありというところが決断の決め手でした。
手術自体はそれほど大変なことではなく、費用も保険適用で10万円弱で済みます。成功率も高いようです。
目のかすみなどの兆候がございましたら、診察されることをお勧めします。
by 伊閣蝶 (2023-06-02 12:31)
のら人さん、こんにちは。
白内障は誰でも罹患する可能性がありますが、それだけに術式もこなれてきて危険性も相当低くなっているようです。
おっしゃる通り、眼が不自由になると屋外での活動はもちろん本さえも読めなくなってしまいます。
躊躇してはいけないということを今回身に染みて実感しました。
by 伊閣蝶 (2023-06-02 12:35)
日常生活やお仕事に影響があるほどでは手術された方が良かったでしょう。賢明なる判断と察します。無事手術も終えられ、以前とはくっきりと別世界でしょうね。
私も白と緑の病を抱えています、大変参考になりました。
まだそれほど支障がないので、薬での治療でとどまっているようです。眼科での定期的な検査も必要ですね。先日も視野検査を受けました。
by Jetstream (2023-06-05 21:07)
Jetstreamさん、こんにちは。
生活や仕事への影響は甚大でした。それがすっきりと晴れたような気がしています。
明日からは職場に復帰予定です。
白内障のことは実生活で深刻な影響がありましたが、記事でもかいておりますようにむしろ失明のリスクのある緑内障の方が、手術決断の決め手となりました。
いずれにしても、重い腰を上げて眼科にかかったことが良かったとしみじみ感じております。
by 伊閣蝶 (2023-06-06 13:21)