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LPレコードの処分 [音楽]

酷暑続きだったこの夏も、このところようやくその暑さも落ち着いてきた感があります。
異常なまでに早かった梅雨明け後、雨模様の日が続き、それが治まってからは猛暑がやってくる。
なんとも厳しく高齢者には辛い気候でした。

私事になりますが、7月から新たな職場で働くことになりました。
契約終了のため3月末で退職して無職となり、その後ハロワなどで職探しに勤しみましたが、さすがに65歳を超えると難しいものがあります。
そんな中、以前の職務経験をそれなりに生かせる仕事を見つけることができ、一息ついたところです。
収入確保も重要な要件の一つですが、無職の単身世帯では当の本人に何か事故が出来した場合のリスクが極端に高くなってしまうため、それを回避する意図もありました。
考えたくはないのですが、自宅で体調不良となり、結果として落命した場合に、その事故が明らかになるのに相当な時間を要してしまいます。
その間は放置されるわけで、周りの知るところとなった時の惨状を想像するだけでも背筋が寒くなりますね。
就職して新たな職場に通うことになれば、仮にそのような事態となっても登録した緊急連絡先(私の場合は郷里に住んでいる妹)を通じてタイムリーな対処が可能となることでしょう。
ほっと一息、とは正にそんな想いからです。

さて、八ヶ岳山麓にある私の実家で一人暮らしをしている母が、今年で90歳となりました。
足腰が極端に弱くなり、手もかなり不自由になってきたことから、調理器具をガスからIHに変えたりディサービスを利用したりと、様々な対処をしてきましたが、その一環でバリアフリーを中心とした実家のリホームに着手したところです。
ほぼ全面改築といってもいいほどなので、様々な家具や荷物を整理しなければならず、母も積極的に絡みながら、妹家族の強力な手助けもあって半年近く片付けに邁進しました。
私の荷物もかなりの量に上っており、大量の書籍のほか、オーディオ関連の機材も数多く残っています。
以前もこのブログに書きましたスピーカーやアンプなどもあり、作ったまま未調整で放置しているアンプも倉庫から引き釣りだし、一部は横浜の自宅に持ち帰ることにしました。

そんな中、大量のLPレコードの処分がかなりのネックになりました。
初めて自分の小遣いでレコードを買ったのは中学一年生の時で、購入の中心がCDに移行したのは30歳のころでしたので、20年近く買いあさったわけです。
これを廃棄するとなると、ジャケットからレコードを取り出して分別ごみとして処分しなければなりません。
しかし、それなりに思い入れも強くあり、そうした即物的な廃棄はやはり無念。

そんな中、このところCDなどを購入する際に利用していたHMVがLPレコードの買取も行っていることを思い出し、申し込みました。
本人確認に現住所との突合が必要なため、対象のLPレコードを自宅に車で持ち帰り選別。
これはどうしても捨てられない!、というものをそれでも5~60枚くらい残しましたが、200枚を出すことにしました。
record202208.jpg
結構な量です。
若いころはワグナーを夢中になって聴いていたこともあり、フルトヴェングラー指揮やカルロス・クライバー指揮の「トリスタンとイゾルデ」とかショルティ指揮の「さまよえるオランダ人」、クナッパーツブッシュ指揮の「パルジファル」なども、今回処分の対象としています。
「ニーベルンゲンの指輪」も、ベーム指揮とショルティ指揮のものをそれぞれ所持していますが、こちらはさすがに残しました。それぞれ18枚組と15枚組なので、果たしてこれからレコードで聴く気になるのか定かではないのですが。

ほかにも、ヴァルヒャ演奏のJ.S.BACHオルガン曲全集(7枚組)などもあり、搬送用の箱に詰めながら、やはり胸に迫るものがありました。
買取価格がどの程度になるのか見当もつきませんが、値段はともかく、もしかすればどこかでまた再生される可能性があると考えるだけで、少し気持ちが落ち着きます。
廃棄物として捨ててしまえば、これらの名演奏レコードが顧みられる可能性は全くなくなってしまいますから。

実家のリホームについては、先日、内部の取り壊しが始まりました。
私は仕事の関係で立ち会えませんでしたが、LINEで写真が送られてきて、ある程度現状を把握することができます。
便利な世の中になりました。

因みに、私がこの年で再就職を考えたのも、このリホームが一つの要因です。
かなりまとまった資金が必要となりますから、これからのことも考えると年金収入だけに頼るわけにはいきません。
これは大きなモチベーションでした。
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