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活を入れる [山登り]

今年の年末年始のお休みは、一般的には12月29日から1月3日までの6日間と短いものでした。
私の場合、新しい職場において土曜日の出勤などが恒常的にあったことなどもあり、年始の6日までお休みをいただくことができました。
12月30日から1月2日までは帰省をしておりましたので、この、一般的な職場よりも三日長い休みはありがたく、掃除・洗濯などの家事も余裕を以てできたところです。

そんな中の一日である5日の日に、だらけきった体に活を入れるため、久しぶりに丹沢の三ノ塔に登ってきました。
昨年、二回も起こした肉離れの後遺症のほか、大腸憩室炎で入院するなどの椿事が重なり、昨年はほとんど山に登ることもできませんでしたので、自分の体の状況を知るためにも足慣らしを兼ねて登っておきたいと思ったのです。

朝ご飯の支度のついでに昼の弁当をこしらえ、既に仕事の始まっている連れ合いを送り出してから家を出ました。
ちょうど出勤時間にぶつかる時間帯であったことから、さすがに駅は混雑しておりますが、都心から離れる電車はさすがに空いています。
本来なら、あの都心に向かう満員電車に乗って仏頂面をしているはずなのに、と思うと、その空いた電車に乗れるということだけで自然に笑みがこぼれてきます。

渋沢から大倉に向かうバスもガラガラでしたが、やはり山に登る人はそこそこ乗っていました。

大倉から三ノ塔尾根を登ります。
風邪の吊り橋から、目指す三ノ塔を望みます。
santou01.jpg

雪はなさそうですが、標高が高くなれば霜柱などがあってぬかるんでいたり凍っていたりする可能性もありますから、本日はゴム長靴で登ります。

陽射しのあるところは暖かですが、さすがに風は冷たいので、牛首まではゆっくりペースをつかみながら登りました。
牛首で、地元に住んでいるという年配の男性に声をかけられ(ここまで林道を車で来たようです)、三ノ塔までどのくらいかかるかと尋ねられました。
前にも書いたことがありますが、こういう質問が一番困ります。質問をなさる方の山の経験などが全く分からない中で答えるすべがないからです。
仕方がないので、「ゆっくり歩いて1時間30分くらいでしょう」と答えると、そんなに歩くのかと驚き、少し登ったあたりで眺めのいいところはないか、と聞きます。
三ノ塔尾根は樹林帯の中を黙々と登るので、眺望が目的であれば山頂までいかないと広がらないと答え、それでも、この時期ですから道々樹林帯の切れ目から表尾根や秦野市街方面が望めますよと答えました。
結局この御仁、5~6分程度私の後をついて登ってこられましたが、これ以上は無理とつぶやいて降りていきました。
地元にいながら三ノ塔には登ったことがない、とのことでしたから、どなたかに教えられちょっと様子見に来た、というところなのでしょう。

さて、一人に戻って、黙々と登っていきます。
三ノ塔尾根を登るのは5年ぶりくらいですが、林道工事がだいぶ進んできているようです。静かなこの尾根も、そのうちに喧騒に巻き込まれるようになるのかもしれないと思うと、なんだか暗澹たる思いにさせられました。

ふと気づくと、登山道の傍らにこんな標識がありました。
santou02.jpg
これまでに見かけた記憶がないので、最近の設置なのでしょうか。
特に危険地帯もない三ノ塔尾根のようなルートでも、こんな標識が要るようになったのかと、ちょっと複雑な想いです。つまり、それだけこの尾根を訪れる人が増えているということなのでしょう。

頂上直下の右側に葛葉川の源頭部分が広がります。
santou03.jpg
上部のガレ場はさらに拡大している様子です。

そこからしばらくで三ノ塔の頂上に到着。
平日なのにもかかわらず結構な人が登っていました。
三ノ塔尾根ですれ違った登山者は二人でしたので、さすがに表尾根との違いを感じたところです。
山頂から塔ノ岳を望みます。
santou04.jpg
丹沢の山々の降雪が増すのは、西高東低の気圧配置が崩れて関東地方の太平洋側にも雪が降る一月の下旬あたりからですが、それでもこの時期に全く積雪を見ないのは珍しいことです。
以前、主稜縦走をした折には、竜が馬場で結構厳しいラッセルを経験しましたから、これは意外でした。
しかし、予想通り日陰には霜柱があり、それに陽が当たって道筋はかなりぬかるんでいます。
長靴を履いてきて正解でした。

風の冷たい山頂でも、ライトダウンを着込めば寒さも感じません。
ゆっくり昼食をとり、ヤビツ峠に向かいます。

二ノ塔から望む三ノ塔です。
santou05.jpg

お正月明けの平日なのにもかかわらず、さすがに表尾根だけのことはあります。それなりの登山者が歩いていて驚かされました。

県道70号線に降り立つと、陽がほとんど射さなくなり路面には霰が降っていて、まるで冷蔵庫の中にいるような寒さになりました。

ヤビツ峠でも、駐車場はほぼ埋まっているような状況です。
正月明けだからもしかするとヤビツ峠からでも空いているかな、などとちょっと考えたのですが、三ノ塔尾根にしてよかったと改めて思いました。

ヤビツ峠から蓑毛への下山路は、これまでと打って変わって陽射しもあり快適です。
途中でトレイルランの方が抜いていきましたが、その他の登山者には会うこともなく、蓑毛のバス停に着くとちょうど秦野行のバスの出発時刻でした。
長靴を履き替える間もなく、そのまま乗り込み、秦野からの帰りの電車も、相模大野行きの急行にちょうど間に合ったため、結局帰り道は家に着くまで長靴のままと相成った次第です。

さて、記事の題名にも致しました通り、今回の山行は、なまってしまった体にちょっと活を入れることと、現在の自分の体力がどの程度のものかを計ろうとする意図もありました。
大倉と三ノ塔との間の標高差は概ね1000mです。
これを二時間程度で登れれば、現状としては上出来の部類かなと思っており、何とかそれはクリアできました。
今回歩いた行程は概ね13kmくらいで、休憩時間(昼食時)を含めて4時間余りですから、まあまあというところでしょうか。
ただし、下りに関して云えば、ペースがかなり落ちてしまっています。
下りに必要な筋肉は普段あまり使わないことが多いので、この点は大きな反省点といえそうです。
下りを意識した日常のトレーニングもちょっと考えてみる必要があるのかもしれません。
なお、翌日になって足の筋肉などに痛みや疲労が残るかなと案じておりましたが、この点は大丈夫でした。

私は今年、恥ずかしながら還暦を迎えます。
余り焦らず、少しずつでも体を慣らしながら山登りに復帰したいと改めて思った次第です。
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コメント 6

夏炉冬扇

登山にご精進ですね。
長い趣味お持ちで素晴らしいです。
by 夏炉冬扇 (2016-01-07 18:42) 

tochimochi

大腸憩室炎、聞きなれない病名ですが内視鏡検査はされたのでしょうか。
私も一度だけありますが、大量の水を飲んでの検査にはこりごりでした。
それにしても1000mの標高差、さらに13kを4時間余りとはいまだかなりの健脚ですね。
私はいつもその半分ぐらいです ^^;


by tochimochi (2016-01-07 20:37) 

伊閣蝶

夏炉冬扇さん、こんばんは。
山と音楽は、私のような飽きっぽい人間にもかかわらず本当に長く続いている趣味です。
大切にしたいなと思います。
by 伊閣蝶 (2016-01-07 23:22) 

伊閣蝶

tochimochiさん、こんばんは。
大腸の内視鏡検査、昨年の秋に受けました。
その前にも受けたことがありましたが、今回はさすがに緊張しました。
幸い何事もなくホッとしたところです。
それにしても、あの大量のムーベン液にはうんざりですね。そのかわり宿便も一掃されますが。
tochimochiさんもご経験されたとのこと。本当にできれば避けたい検査の一つですね。

by 伊閣蝶 (2016-01-07 23:25) 

のら人

好天の中、快適な登山をされたご様子。
羨ましい限りです。^^
更には混雑も無い登山道も大変有り難いですね。
by のら人 (2016-01-08 08:49) 

伊閣蝶

のら人さん、こんばんは。
仰る通り、穏やかなお天気の中、しかも空いていて快適な登山ができました。
こういう山登りはなかなかできないので、貴重な時間でした。
by 伊閣蝶 (2016-01-08 21:52) 

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