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明けましておめでとうございます [山登り]

暖かな2016年の年明けとなりました。
旧年中はたくさんのご愛顧を頂き、心より感謝申し上げます。
何卒本年も相変わらずのご愛顧のほど、お願い致します。

年末年始は八ヶ岳山麓の実家に帰省しておりましたが、あちらでもやはり暖冬で、入笠山方面などはほとんど雪の姿を見ませんでしたし、八ヶ岳でも、赤岳・権現岳・阿弥陀岳・横岳・硫黄岳や北八ヶ岳に冠雪はあるものの、編笠岳や西岳などに雪の姿は認められませんでした。
尤も、これらの山々は標高が低いので、余程の積雪がないと山麓から雪の姿は拝めないのですが。
それでも大晦日から元旦にかけて降雪があり、初日の出は雪景色の中でした。
2016hatuhi-1.jpg
この写真は、実家の二階からの眺めです。
この時期は富士山の左方面からの日の出となりました。

さて、前回のブログ記事で取り上げましたお気に入りの十個。
山のことを考えてみました。
これは正直に言って音楽の時よりも難題です。
山というからには、やはり頂とすべきなのでしょうが、私個人としては、その登る過程にこそ意味があるのであって、「好みの山」というくくりで山の名前を挙げるのはなかなかに厳しい。
それでもうんうんと考えながら、やはり今、刹那的に頭に浮かんだ山を無理矢理上げてみたいと思います。
  • 永田岳(屋久島)
  • 三ノ沢岳
  • 毛勝山
  • 阿蘇山
  • 不動岳
  • 和名倉山
  • 丸山岳
  • 北岳
  • 鋸岳
  • 剣岳

キーボードを叩きながら、ほかの山の名前がどんどん出てきて収拾がつかなくなったので、敢えてそれによる名前の入れ替えはしません。切りがないからです。

頭に浮かんできた山のほとんどは、有り体に言えばあまり人の来ないところです(例外がありますので後述)。
永田岳や三ノ沢岳は、決して登るのに困難な山ではありませんが、主稜線から外れていて、かつ、すぐ近くに例の「百名山」があるため不遇をかこっている存在です。
しかしそれ故に、実に静かで清潔で美しい山頂が保たれています(いました)。

阿蘇山については注釈がいります。
想定しているのは、高岳の鷲ヶ峰、根子岳の天狗峰や西峰、烏帽子岳から御竈門山などの、いわゆるバリエーションルートです。
鷲ヶ峰や天狗峰・西峰などは、ルートのピッチグレードはせいぜい4級程度ですが、支点はもろく不安定で滑落は絶対に許されません。その上、空中懸垂も必要となります。
しかし、実に充実感に溢れた登攀が出来、それゆえに到達した頂の感動も大きなものでした。

毛勝山や不動岳や和名倉山や丸山岳は、その頂に達するまでの過程ももちろん重要ですが、その苦労のし甲斐のある山頂が待っていました。
鋸岳も同じような理由から挙げています。

北岳と剣岳は、告白しますと、いずれも敗退の記憶が強烈に残っているからです。
北岳バットレスを、下部フランケから中央稜を登攀した折、これはワンデイでやろうと目論みました。
夜中に広河原まで車で入り、4時前に出発。大樺沢二俣に荷物をデポして登攀開始。順調に登っていきましたが、中央稜の1ピッチをリードしていて突然、右手がうまく動かなくなり、中途で敗退。
実は、その二週間ほど前に、別の岩場で小滑落をし、右の肋骨を打撲していたのでした。恐らくそれが原因と思われますが、実に無念で、パートナーに対する申し訳なさに涙がこぼれたものです。
剣岳の方は、36年前、社会人山岳会に所属していた頃、正月山行で早月尾根から山頂を目指したのですが、天候悪化のため、平蔵小屋(当時)付近で待機。結局四日間粘った挙げ句の敗退となりました。
冬の剣岳の難しさを骨身に沁みて経験したのですが、まだ22〜3歳の駆け出しの若造には荷の重い経験だったのかもしれません。
北岳や剣岳は、百名山の中でも大人気の山ですから、私の主義としては挙げたくない気持も強かったのですが、やはり敗退の記憶をぬぐい去ることは出来ないようです。

ということで、今回のお題もやはりかなり中途半端なものになってしまいました。

私の試みは、斯様に面白みに欠けるものとなってしまいましたが、うんうんと唸りながら十個を選定するという作業自体は大変面白いのではないかと思います。
皆様も機会がございましたらお試しになっては如何でしょうか。
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のら人

あけましておめでとうございます。
楽しみにしていました「山」編ですね。^^
剣は先程の年末年始は絶好調で天候も良く多くのパーティーが特に事故も無く登られていたようですね。上半分(北側)の北アルプスは天候次第で猛烈に難しくなりますから仕方が無いと思います。^^;北岳はやはりバットレスでしたか。和名倉や毛勝も素晴らしかった思い出があります。次は「沢」編を是非!お願致します。(笑)
by のら人 (2016-01-04 07:40) 

夏炉冬扇

日の出とともに、新しい年。
佳き年でありますように。
by 夏炉冬扇 (2016-01-04 08:28) 

tochimochi

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
それぞれの山にいろんな想いがおありでしょうから、10選ぶのにも苦労されたことは想像できます ^^
やはり登攀の記憶が鮮烈に残っているようですね。
伊閣蝶さんのかつての活躍が窺えました。

by tochimochi (2016-01-04 22:17) 

yam

後れ馳せながら、新年明けましておめでとうございますm(__)m

今年も引き続き宜しくお願いします。
by yam (2016-01-05 18:42) 

ぼんぼちぼちぼち

あけましておめでとうございやす。
東京に暮らして永いので、やはり高尾山がまっ先に浮かびやす(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2016-01-05 20:00) 

伊閣蝶

のら人さん、あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、「山」篇ですが、ご覧の通りご期待にはとても沿いかねる面白みに欠けたものと成り下がりました(^^;
北岳と剣岳を選んだいきさつははなはだ恥ずかしく忸怩たるものがありますが、これがなけれれば選ぶことはなかったかもしれません。もちろん、ほかのルートから登った記憶も忘れがたいものがありますが。
「沢」篇はさらに困難なものとなりそうです。
これは恐らく「登攀ルート」を選ぶのと同じような性格のものになりそうですから。
少し考えを温めて取り組んでみましょう。
by 伊閣蝶 (2016-01-06 07:57) 

伊閣蝶

夏炉冬扇さん、あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
佳き年となりますようお祈り致します。
by 伊閣蝶 (2016-01-06 07:57) 

伊閣蝶

tochimochiさん、あけましておめでとうございます。
本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
仰る通り、10個を選ぶ作業は(予想はしておりましたが)実につらいものでした。
今でも差し替えたい衝動に駆られます。
by 伊閣蝶 (2016-01-06 07:59) 

伊閣蝶

yamさん、あけましておめでとうございます。
いつも素晴らしい記事を拝読し感動しております。
本年もよろしくお願い申し上げます。

by 伊閣蝶 (2016-01-06 08:01) 

伊閣蝶

ぼんぼちぼちぼちさん、あけましておめでとうございます。
いつも深い感動的な記事を拝読し、目を開かせていただいております。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
高尾山は、あの周辺の山々を含め、標高の割に大変深い山域だと思います。
私も折々足を運んでいます。
by 伊閣蝶 (2016-01-06 08:04) 

いっぷく

あけましておめでとうございます。
今年も、山や音楽の記事楽しみにしています。
by いっぷく (2016-01-06 23:42) 

伊閣蝶

いっぷくさん、明けましておめでとうございます。
いつも含蓄に溢れた記事を拝読し唸らされております。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
by 伊閣蝶 (2016-01-07 23:20) 

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