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フリードリヒ大王、生誕300年 [音楽]

有楽町付近の雪道天気予報は大あたりで、昨日の午後から激しい雨となり、21時過ぎには激しい雪に変わりました。
雪は深夜までも深々と降り続け、自宅付近は俄かに銀世界と化したところです。

雪は夜のうちに止んでしまい、早朝から久しぶりの青空が広がりました。
しかし、今朝の最低気温は零度近くで、この冷え込みのため、路面は凍りついてテカテカになっています。
私はもともと極寒の地方で育ちましたし、冬山などにも好んで出かけていたので、特にどうということもありませんが、凍結した坂道を歩くのに慣れていない人たちは、皆、恐る恐る足を進めていました。
エッジを使って横向きにステップを刻んで昇り降りするスキーの登降みたいな歩き方をしている人もいますが、普通の靴でそれをやるのはかなり危険です。
傾斜がきついところは、谷側の足を進行方向に向け山側の足を横にして、靴底全体のフリクションを効かせて降りると安定します。
傾斜がそれほどでもなければ、歩幅を小さくしてまっすぐに足のあげおろしをし、同じく靴底全体のフリクションを効かせます。

舗装道路は、水はけのことを考えてのことでしょうが、真中を高めにして、端の方に下り傾斜をつけていることが多く、こうした道路がアイスバーンになっているときは気をつけるに越したことはないでしょう。
不用意な足運びは、即転倒につながりますから。

通勤電車の中から眺める丹沢や奥多摩・秩父の山々が美しく雪化粧を施しています。
その中でもひときわ目を引くのはやはり富士山。
それから、今日は珍しく白峰三山まで見えました。

職場のある有楽町付近もご覧の通りのあり様で、車や歩行者はおっかなびっくり移動しています。
事故を起こさないようにくれぐれも気をつけたいものですね。

ところで今日は、第三代のプロイセン王であったフリードリヒ大王(フリードリヒII世)の生誕300年の日に当たります。
フルートを演奏するフリードリヒ2世
ヴォルテールの哲学的思想に共感して、文通などを通じて親密に交際し、「君主こそ道徳においても国民の模範たるべし」と主張、そのことから啓蒙君主としても有名ですね。
著書である「反マキャベリ論」などに顕著です。
また、寒冷地でも良く育つジャガイモ(馬鈴薯)の栽培を奨励し、自らも積極的に食してプロイセンの食糧事情の改善に努めたことでも知られていますね。

しかし、私はフリードリヒ大王というと、やはり真っ先にJ.S.バッハの「音楽の捧げもの」を思い出してしまいます。
フルートの名手で、フルートソナタやフルート協奏曲の作曲まで手掛けた(フルートソナタだけでも121曲の作品が残されているそうです)大王が、お抱えのチェンバロ奏者C・P・E・バッハ(J.S.バッハの次男)から、父であるJ.S.バッハを紹介され、その折に王から与えられた次の主題を元に即興演奏が行われたものです。

音楽の捧げもの主題

この即興演奏は後に大規模に編成し直され、三声と六声のフーガ(「リチェルカーレ」とされています)や10曲の謎カノンで構成された難曲となりました。
壮大で華麗な六声のリチェルカーレや深みをたたえた美しいトリオ・ソナタはもちろん、何と言っても謎カノンの謎が非常に興味深く、演奏者は大変だったことだろうなと、いつも聴きながら思ってしまいます。
楽譜を読むと、ト音記号やヘ音記号が逆さまになっていたり、とか(^_^;
謎の記号を解読しながら演奏しなければならないので、楽譜を読みながら聴くと、その面白さは倍増!というところですね。
例えばこんな感じです。
canon.jpg

この曲は、やはり演奏者の表現意欲を刺激し士気を大いに鼓舞するものである所以か、CDもたくさん出ており、どれも大変興味深く素晴らしいものだと思います。
私としては、どうも偏愛気味ではありますが、カール・リヒター指揮ミュンヘン・バッハとオーレル・ニコレ(フルート)の演奏が忘れられません。

あの突き詰めたようなリヒターのチェンバロ演奏に胸を貫かれてしまうのです。

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コメント 15

マチャ

フルート演奏の絵は、世界史の教科書で
目にしました。学問、文化、芸術などに秀でた、
まさに大王ですね。
by マチャ (2012-01-24 13:38) 

Cecilia

フリードリヒ大王、生誕300年ですか!
「音楽の捧げ物」は何度か聴いているのですが覚えるほど聴いていません。
またC.P.E.Bachと言えば「チェンバロとフォルテピアノの二重協奏曲 Wq 47 \ H 479」ばかり聴いています。他の作品も面白いと思うのですがついついこればかり聴いてしまいます。

by Cecilia (2012-01-24 17:43) 

伊閣蝶

マチャさん、こんばんは。
この絵は大変有名ですから、早速使ったところです。
この人は、確かに真に真たる統治者だったのだなと思います。

by 伊閣蝶 (2012-01-24 20:09) 

伊閣蝶

Cecilaさん、こんばんは。
C.P.E.Bachの「チェンバロとフォルテピアノの二重協奏曲」、私も大好きです。
確かに他の曲を聴く機会がなくて、困りますね。
でも、彼は非常に慎み深く素晴らしい人間性を備えていたそうですから、バッハにとっても一番頼りになる息子だったのだろうと思います。
by 伊閣蝶 (2012-01-24 20:13) 

hirochiki

道路にはかなり雪が積もっているように見えます。
道路を歩かれる時には雪があって大変だったと思いますが
電車から素敵な雪景色をご覧になれたようで良かったですね。

ところで、フリードリヒ大王のことは大変勉強になりました。
彼の音楽好きなところは、お母様の影響が大きいようですね。
その面白い楽譜は、一度見てみたいような気がします(笑)

明日は一段と寒くなるようですので、通勤時にはくれぐれもお気をつけ下さい。
by hirochiki (2012-01-24 20:36) 

のら人

夜降った雪が、夜半から寒気が入り氷になり、今日の早朝は危なかったです。 ^^;  北海道への転勤中では、当たり前のスパイク付きの革靴(ブーツ)でしたが、流石に東京では履く機会がないですね。
by のら人 (2012-01-24 21:33) 

tochimochi

こちらは幸いほとんど降りませんでしたが、東京周辺はすごかったようですね。
凍った坂道を歩くのは普通の靴では怖いものがあります。
今ニュースでやっていましたが、収納型スパイク付きの靴があるのですね。
これをはいてたのら人さんもさすがです。

by tochimochi (2012-01-24 22:26) 

伊閣蝶

hirochikiさん、こんにちは。
今日になって、道路の雪はあらかた消えましたが、昨日の朝はかなり大変でした。
通勤電車の車窓から白峰三山が見えるのは、年に何回もないのでこれは嬉しいサプライズでしたね。
フリードリヒ大王、父親からはかなり迫害されたようですが、お母さんは素敵な方であったようです。
ちゃんとバランスがとれていたのだな、などと思ってしまいました。
音楽の捧げものの楽譜、これは面白いと思いますよ。
wikiからリンクを辿ると、PDFで入手できますので、ご興味があればご覧ください。
by 伊閣蝶 (2012-01-25 12:33) 

伊閣蝶

のら人さん、こんにちは。
北海道でのご勤務がおありでしたか!
それでは、スパイク付きのブーツは必需品ですね。
私も郷里が極寒地域でしたので、これは所持していました。
ただ、これを履いて飛行機に乗ろうとすると、搭乗手続きの時に引っかかってしまうので、最初は面食らいましたが。
by 伊閣蝶 (2012-01-25 12:36) 

伊閣蝶

tochimochiさん、こんにちは。
御地ではそれほどの積雪にはならなかったとのこと。
なによりでした。
雪道を歩いた経験のない方は、皮底の靴を履いて歩くことがあるようですが、大変危険です。
本当は長靴が一番いいのですが、仕事場に履いていくと、履き替えのための靴が必要になるのが難点ですね。
その意味では収納型スパイク付きの靴は重宝です。

by 伊閣蝶 (2012-01-25 12:40) 

kawasemi

nice&コメントありがとうございました。
今年の冬は寒そうです。
積雪もすごいことになりそうですね。
興味深く読みました。
普段の生活の中では会えないジャンルの話でしたから。
by kawasemi (2012-01-25 16:52) 

夏炉冬扇

今日は。
畑にも雪が少しありました。冷たいこと。
有楽町近辺にお勤めですか。便利ですね。
愚息の1人は品川あたりに努めてます。
by 夏炉冬扇 (2012-01-25 18:25) 

伊閣蝶

kawasemiさん、こんばんは。
こちらこそ、nice!とコメント、ありがとうございます。
今年の冬の寒さは一段と厳しいものになりそうです。
拙い記事ですが、ご興味を御持ち頂き、大変嬉しく存じます。
これからもよろしくお願い致します。
by 伊閣蝶 (2012-01-26 00:33) 

伊閣蝶

夏炉冬扇さん、こんばんは。
御地の冷え込みも相当厳しそうですね。
職場は、電車通勤の便利な場所にありますので助かっています。
ご子息は品川でお勤めとのこと。
ご近所ですね。
by 伊閣蝶 (2012-01-26 00:35) 

kawasemi

nice&コメントありがとうございました。

by kawasemi (2012-01-26 12:47) 

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