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八ヶ岳・西岳登山 [山登り]

暑い日が続きます。
今日の都心は34度まで気温が上がり、外に出るとさすがに暑さでくらくらします。

さて、昨日と一昨日、以前の職場で知り合った仕事関係の友人の皆さん(4名)を、私の地元である八ヶ岳の西岳と、南アルプス前衛の入笠山にご案内しました。

梅雨のさなかではありますが、日程を調整するとここしかない、ということもあり、どうやら雨が降っても小雨か夕立の模様でしたから、決行。

2日の土曜日、1000円乗り放題や無料化実験が終了したこともあり、早朝でも中央道に渋滞はなく、快適に走って、10時前には西岳登山口のある富士見高原GCの駐車場に到着。身支度を整えて登り始めます。
空には重い雲が垂れこめていますが、雲の切れ間からはところどころ青空も覗き、大きな天候の崩れはなさそうです。

久しぶりにこの登山道をたどると、なんと携帯電話の基地局が建っていました。
そこまでの道は登山道とは言えないくらいの道幅に整備・拡張されています。

また、各地点に「ユリの里ハイキングコース」の道標が設置されていました。

しかし、暫く行くと昔通りの道となり、ちょっとした沢を渡る丸木橋が「老朽化のため通行禁止」となっていて沢に下りて迂回するようになっている程度の変化がみられるのみでした。

不動清水に到着し、ここで水を補給。
この水は、別名「長命水」とも呼ばれ、飲むと長生きをすると信じられています。
長生きをするかどうかまでは保証の限りではありませんが、大変美味しい水であることには間違いありません。
tyomeisui0702.jpg

西岳へはここからが本格的な登りとなります。登山口との標高差はおよそ1100m強。
私が意識するタイムは、標高差500mを概ね1時間以内、というところですから、西岳山頂まではだいたい2時間強みておけば済むのですが、本日はほとんど山登りをしないメンバーばかりですから、ペースを落とし、3時間くらいで山頂を目指そうと考えていました。

霧が去来する中、あまり気温も高くなかったので快調に登り始めましたが、裾野の広い八ヶ岳の延々と続く登りに、やはり予想通り皆さんのペースは上がりません。
サルオガセがベールのように木々にまとわりつく、苔むした山道を歩いて行くと、ギンリュウソウが見つかり、これにはちょっと感動。
ginryuso0702.jpg

ツガザクラも盛りです。
tugazakura0702.jpg

シロバナノヘビイチゴの花やヒトリシズカの花もあったのですが、薄暗い中だったので、どうしてもぶれてしまってうまく撮れませんでした。残念!

2200mを超えたあたりで森林限界となり、右手に大きく編笠岳の望まれるようになると、急速に天気は回復してきて、富士見の街が眼下に広がります。
nisidake0702-02.jpg

かなりお疲れモードの友人たちも、この景色に感動!
そこからもう一息で、2398mの西岳山頂です。
nisidake0702.jpg

西岳の山頂からは、編笠岳がさらに大きく眼前に迫ります。
amigasa0702.jpg

鞍部にある青年小屋を隔てて、権現岳のギボシやノロシバが望まれました。
gongen0702.jpg

往復登山ですから、あまり迷う心配はないのですが、登りづくめの山道は、今度は下り一辺倒。
山歩きに慣れていない人はむしろ下りの方が大変なことが多く、今回もやはり相当厳しい印象となったようです。
しかも、晴れて気温が上がるとともに、この地域に生息するアブが大量にまとわりつき、こいつに噛まれたりして、かなり難儀なことになります。
私自身はもう慣れっこになっているので、首や腕などにたかって噛みつくやつを叩き潰したり捻り潰したりして降りてきましたが、初体験の皆さんは大なり小なりパニックに陥ったようです。

そんなわけで、駐車場に下りついた時には16時になってしまい。結局、正味6時間の行程となりました。登りに3時間半、下りに2時間強、山頂での休憩が30分という感じですね。
簡単な地図とガイドを作って配布した折には、「まあ、往復で4時間というところでしょう」などと高を括った発言をしていたので、さすがに少し顰蹙を買ってしまいました。

もうひとつ、この時期にこの山にご案内しようと思った理由は、上部にあるシャクナゲの花を見せてあげたいというもので、白い可憐な花が咲き乱れる風景はそれはそれはすばらしいの一言なのです。
それがなんということでしょうか。今年はどうやら裏年に当たるらしく、シャクナゲは花を付けていませんでした。いつもの年ならこんなふうに咲いているのですが。
syakunage.jpg
これはさすがにショックが大きかった(ToT)

それでも、山頂の眺めは皆さん相当印象深かったようで、「あの山頂にはまたいつか登ってみたいものですね」とのこと。
尤も、「こういう経験は、いいところばかりが残って、途中の辛かった思い出は忘れてしまうから、もう一度来た時には、同じように辛い辛い、といいながら登るかも」との発言も付け加わりましたが。

この日、宿泊したペンション「ガーデンインWish」には、もう6年近くお世話になっているのですが、西岳を往復してきたと告げると、「この時間に下りてこられたのですか、健脚ですね」との温かいお言葉。
苦労して登ったメンバーが、その一言で相好を崩したのはいうまでもありません。

最後に、概略の地図を添付します。
nisidake-tizu.JPG
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節約王

伊閣蝶様
こんばんは。毎回楽しく拝見しています。八ヶ岳・西岳登山登山お疲れ様でした。高原の植物のお写真拝見しました。平地の植物と違った美しさと個性がありますね。色はホワイト系が多いんでしょうか?。途中アブに刺されたのですか?。文章を拝見するとかなり慣れていらっしゃるご様子ですが大丈夫でしたか?。私だったら即パニックに陥ります。2398mとはすごいですね。私なら軽い高山病になってしまいます。やはり山頂は涼しそうですね。
by 節約王 (2011-07-04 20:55) 

伊閣蝶

節約王さん、こんばんは。
早速のコメント、ありがとうございました。
あまり気にしてはいませんでしたが、確かにこの時期の八ヶ岳は白っぽい花が多いようですね。
もう少し経つと、色とりどりの花も出てきますが。
八ヶ岳ではアブにやられ、翌日の入笠山では蜂に刺されてしまいました。
まあ、山に虫はつきものですから、仕方がないことですが、今日はあちらこちらがかゆくてたまりませんでしたね。
山頂の魅力は、やっぱり登った人それぞれの達成感にあるのかもしれません。
それを感ずると、病み付きになってしまう人が多いようですね。
by 伊閣蝶 (2011-07-04 21:12) 

きんた

ご訪問、コメントありがとうございます。
メタボの私には登山の敷居が高いのですが、楽しく拝見させていただいたおります。今後ともよろしくお願いいたします。
by きんた (2011-07-05 05:28) 

hirochiki

八ヶ岳・西岳登山お疲れ様でした。
登山の途中でいただく「長命水」は、どんなに美味しいことでしょう。
それから、山歩きに慣れていない人は上りよりも下りの方が大変というのはちょっと意外でした。
今年、筍に表年と裏年があることを初めて知りましたが、シャクナゲにも同様のことがあるのだなあと思いました。
今回ご案内された方の「あの山頂にはまたいつか登ってみたいものですね」という言葉は、とても嬉しいですよね(*^_^*)

by hirochiki (2011-07-05 05:46) 

Cecilia

お疲れ様でした!
2004年夏に木曽駒ケ岳に行った時(けして登山とは言えませんね。)千畳敷から実家に携帯で電話することができ驚きました。
シャクナゲですが福島県の県花で例の県歌にも登場しますね。裏年もあるのですか。県内のお菓子屋さんの商品や包装紙によくデザインされている花です。
by Cecilia (2011-07-05 09:19) 

伊閣蝶

きんたさん、こんにちは。
早速のコメントを頂戴し、ありがとうございます。これからもよろしくお願い申し上げます。
私も2年ほど前までは完璧なメタボで、体重も90kg近くまであり、体脂肪率も25%を超えていました。
岩登りなどを含めて精力的に山に登っていた10年くらい前までの状態に何とか戻すべく、2年間でダイエットに励み、現在は体重71kg、体脂肪率15%のレベルまで落ちてきています。もうひと頑張りと思っている次第です。

by 伊閣蝶 (2011-07-05 12:07) 

伊閣蝶

hirochikiさん、こんにちは。
山の水場の水はやはり壮大な浄化装置をくぐって流れてきますので、美味しさもひとしおです。今回も家まで持ち帰って、その水でお茶を入れて飲みました。
下りに使う筋肉は、実生活では意外に使わないもののようで、私などはポンポンと走って降りてしまう斜面を、なかなか足が出なくて躊躇してしまう人は結構おられます。
曰く、「転びそうな気がする」とのこと。つまり、どの部分に足を置けば安定するのかがわからないということもありそうです。
これはやはり場数を重ねるしか方法なく、例えばクライミングやアイゼン歩行などを経験すると怖くなくなるようですね。
以前、それを題材にこんな一文を書いたことがあります。
http://homepage3.nifty.com/yabuyama/yamazakkan/gezan.html

ところで、筍にも裏年がありますよね。九州にいた時には、ミヤマキリシマの花にも裏年あって、恐らく自然界に生育する植物にはそうしたサイクルが巡り来るのだろうと思われます。
それによって個体の数などを調整しているのだとすれば、何と賢いことだろうと改めて自然の不思議な力に感動します。

ご案内した友人の方々からは、筋肉痛できついけれども達成感に満足しているとの旨のメールを頂きました。嬉しいことです(*^_^*)

by 伊閣蝶 (2011-07-05 12:08) 

伊閣蝶

Ceciliaさん、こんにちは。
木曽駒に登られたのですね。
あの山は高山植物の咲き乱れる、正に天上の楽園のようなところですからきっと良い思い出をお持ちのことと思います。
千畳敷ではホテルも営業していたはずですし、あそこはある意味観光名所ですから携帯も大丈夫なのでしょう。
私の記憶では、確か、木曽駒の山頂でも通じたような気がしますが。
シャクナゲ、仰る通り福島県の県花ですね。
自然界では、状況によって毎年花を咲かせる必要がない場合もあるのでしょう、シャクナゲ以外にも裏年のある花は結構あります。
そんなときに当たると実に無念ですが、それはあくまでも人間の都合で、当の花たちにとっては知ったこっちゃない、というところなのでしょうか。
by 伊閣蝶 (2011-07-05 12:10) 

hirochiki

おはようございます。
早速、拝見させていただきました。
なるほど、よく理解できました。 ありがとうございました。
by hirochiki (2011-07-06 05:41) 

伊閣蝶

hirochikiさん、こんにちは。
再コメント、ありがとうございます。
こちらこそ早速お読みいただき、感謝感激です。
by 伊閣蝶 (2011-07-06 12:14) 

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