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パルジファル、1951年バイロイト・ライブ(クナッパーツブッシュ) [音楽]

昨日の夕方から雲が張り出してきて、今日もぱっとしない天気となりました。
彼岸の入りということもあって、やっと暑さも一段落という感じでしょうか。

さて、ワーグナーのパルジファル、「舞台神聖祝典劇」などという威張りくさった邦題がついていますが、楽劇としての密度からいえば恐らく最高峰の作品のひとつではないかと私は思っております。

私が初めてこの曲の全曲盤を購入したのは、クナッパーツブッシュの1962年ステレオ録音盤でした。
もちろんレコードで、当時、1万円近くしたような記憶があります。

その頃、既にクナッパーツブッシュの指揮による、ブルックナーの3番・4番・5番・8番・9番などを聴いていましたから、ブルックナー以上に評判の高かったこの指揮者による畢生のパルジファル演奏を聴いて、震えるほどの感動を覚えたものでした。

その後、カラヤンによるパルジファルのCDも購入し、その人工的な作り方に反発もしましたが、演奏そのものの完成度は高く、手軽に聴けるCDであることもあり、折に触れてはこの盤を聴いておりました。

一方、ドイツの映画監督ジーバーベルグが演出を担当した映画「パルジファル」をLDで購入したりもしました。
当時、2万6800円という価格で、今思うと、よくも思い切って買ったものだとあきれますね(^^;

そんなわけで、いろいろなパルジファルの演奏を聴いてきましたが、私のお気に入りは、1951年のバイロイト音楽祭のライブ録音。
指揮はもちろん、クナッパーツブッシュです。


何といっても歌手陣が素晴らしく、殊にウインドガッセンのパルシファルは特筆ものです。
メードルのクンドリ、ウェーバーのグルネマンツも素晴らしい!

そして何よりも、全体にみなぎる緊張感にしびれますね。
この巨大な曲を、最後まで弛緩させることなく統率したクナッパーツブッシュの造形の見事さは、やはり60歳を超えたばかりという気力の充実と、バイロイト音楽祭において初となるパルジファル演奏に対するなみなみならぬ意気込みあってのことでしょう。
モノラルではありますが、正に「歴史的」録音といってもいいような気がします。

この演奏は、様々なレーベルからCDが発売されており、私が所持しているのはQuadromaniaの直輸入盤です。
4枚組1480円という申し訳ないほどの価格ですが、大変素直な録音のように思いました。

それにしても、これだけの録音を残した、当時のデッカの録音技術には驚愕せざるを得ません。
磁気テープというメディアの操作に慣れていなかったとの話もありますが、これだけのハイレベルの遺産を伝えてくれたのです。

感謝しなければなりませんね。

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フランス

国際的に評価の高い音楽大学・・・・・と言いますと、たくさんあるのですが・・・・・世界的評価の高いのは・・・・・京都の音大で・・・・・バイロイトの音楽院にも勝る・・・・・と言われており、これまでにもチャイコフスキー国際コンクール入賞・・・・・ポーランドの巨大な国際音楽祭でも入賞・・・・・国際社会の精鋭です。
by フランス (2013-02-28 09:59) 

伊閣蝶

フランスさん、おはようございます。
コメントを下さったのに、長らく気がつかず、replyが遅れて大変申し訳ありませんでした。
京都の音楽大学というと京都市立芸術大学のことでしょうか。
寡聞にして、これだけの実績を重ねていることを知りませんでした。
素晴らしいことだと思います。
by 伊閣蝶 (2013-09-08 09:25) 

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