ペルゴレージの「スターバト・マーテル」他 [音楽]
後生のモーツァルトに匹敵するほどの才能といわれつつ、結核のため僅か26歳で夭折してしまったジョヴァン二・バッティスタ・ペルゴレージ。
オペラ・ブッファの様式を完成させた記念碑的な「奥様女中」を始め、宗教曲や器楽曲・室内楽にも数多くの佳作を残しています。
以前ご紹介しましたロッシーニのスターバト・マーテルの記事で、その美しさについて触れましたが、今年はペルゴレージの生誕300年ということもあって、恐らく数多くの演奏会が催されたりCDが発売されたりすることでしょう。
もちろん、代表作である「スターバト・マーテル」や「奥様女中」はこれまでにもたくさんのCDが発売されておりますから、既にお聴きになっておられる方も多いこととは思いますが。
その中で、昨年の8月に発売されたアバド指揮モーツァルト管弦楽団による演奏をご紹介したいと思います。
アバドは、ベルリンフィルの芸術監督時代に胃がんを患い、以後の活動を危ぶまれましたが、幸いにも手術は成功裏に終わり、楽壇に復活を遂げました。
その直後に録音されたヴェルディのレクイエム(2001年ライブ)は、正に凄絶としかいいようのない迫真力に満ちた名演奏で、あたかも残された命を燃焼し尽くそうとするかのような印象を受けたものです。
このライブは映像でも残されており、その鬼気迫るアバドの指揮から私は今を以て忘れ難い衝撃を受けました。
業病からの復活を遂げたアバドはさらに円熟味を増してゆき、2003年以降はルツェルン祝祭管弦楽団、マーラー室内管弦楽団、モーツァルト管弦楽団など、若手を中心としたオケを手塩にかけて育てているのですが、このCDもその一つであるモーツァルト管弦楽団によるものであります。
この演奏からは、同じ故国の薄命の作曲家であるペルゴレージへのアバドの溢れんばかりの想い(愛情)をメンバーが純粋に受け止め、それをそのまま音に移し替えているかのような混じりものの一切ない、そんな清冽な印象を強く受けました。
また、普段あまり演奏されることのないヴァイオリン協奏曲やサルヴェ・レジーナがカップリングされているのも嬉しい限りです。ジュリアーノ・カルミニョーラのヴァイオリンもすばらしい。
それから、これは本質からは外れるかもしれませんが、レーベルがDGのARCHIVであることにくすぐられています。
私が高校生の頃、アルヒーフといえば、リヒター&ミュンヘン・バッハを始めとするJ.S.BACH演奏の最高峰のレコードがキラ星のごとく並んでいて、それこそまばゆいばかりの存在でした。
ただ、他のレーベルに比べて価格が高かったので、貧乏な高校生には高嶺の花。
指をくわえて眺めているしかなかったのですが。
就職をして最初のボーナスが出たときに(手取りで8万円くらいでした)、私は喜び勇んで、リヒター&ミュンヘン・バッハによるJ.S.BACHのミサ曲ロ短調を買い、昔年の思いを遂げることができたのでした。
そんな思い出もあって、やはりARCHIVときくと頬が緩んでしまうのです。
それにしても、なんという美しい曲でしょうか。
ペルゴレージのスターバト・マーテルを聴いていると、何だか、J.S.バッハの作曲した受難曲のアリアを思い出してしまいます。
バッハがペルゴレージのスターバト・マーテルを引用してモテットに編曲したことは有名な話ではありますが。
また、ロッシーニのスターバト・マーテルも、この曲からかなりの影響を受けているように感じます。
ペルゴレージ生誕300年という節目の年。
願わくは、さらに多くの曲の演奏やCDなどの発売が試みられんことを!
オペラ・ブッファの様式を完成させた記念碑的な「奥様女中」を始め、宗教曲や器楽曲・室内楽にも数多くの佳作を残しています。
以前ご紹介しましたロッシーニのスターバト・マーテルの記事で、その美しさについて触れましたが、今年はペルゴレージの生誕300年ということもあって、恐らく数多くの演奏会が催されたりCDが発売されたりすることでしょう。
もちろん、代表作である「スターバト・マーテル」や「奥様女中」はこれまでにもたくさんのCDが発売されておりますから、既にお聴きになっておられる方も多いこととは思いますが。
その中で、昨年の8月に発売されたアバド指揮モーツァルト管弦楽団による演奏をご紹介したいと思います。
アバドは、ベルリンフィルの芸術監督時代に胃がんを患い、以後の活動を危ぶまれましたが、幸いにも手術は成功裏に終わり、楽壇に復活を遂げました。
その直後に録音されたヴェルディのレクイエム(2001年ライブ)は、正に凄絶としかいいようのない迫真力に満ちた名演奏で、あたかも残された命を燃焼し尽くそうとするかのような印象を受けたものです。
このライブは映像でも残されており、その鬼気迫るアバドの指揮から私は今を以て忘れ難い衝撃を受けました。
業病からの復活を遂げたアバドはさらに円熟味を増してゆき、2003年以降はルツェルン祝祭管弦楽団、マーラー室内管弦楽団、モーツァルト管弦楽団など、若手を中心としたオケを手塩にかけて育てているのですが、このCDもその一つであるモーツァルト管弦楽団によるものであります。
この演奏からは、同じ故国の薄命の作曲家であるペルゴレージへのアバドの溢れんばかりの想い(愛情)をメンバーが純粋に受け止め、それをそのまま音に移し替えているかのような混じりものの一切ない、そんな清冽な印象を強く受けました。
また、普段あまり演奏されることのないヴァイオリン協奏曲やサルヴェ・レジーナがカップリングされているのも嬉しい限りです。ジュリアーノ・カルミニョーラのヴァイオリンもすばらしい。
それから、これは本質からは外れるかもしれませんが、レーベルがDGのARCHIVであることにくすぐられています。
私が高校生の頃、アルヒーフといえば、リヒター&ミュンヘン・バッハを始めとするJ.S.BACH演奏の最高峰のレコードがキラ星のごとく並んでいて、それこそまばゆいばかりの存在でした。
ただ、他のレーベルに比べて価格が高かったので、貧乏な高校生には高嶺の花。
指をくわえて眺めているしかなかったのですが。
就職をして最初のボーナスが出たときに(手取りで8万円くらいでした)、私は喜び勇んで、リヒター&ミュンヘン・バッハによるJ.S.BACHのミサ曲ロ短調を買い、昔年の思いを遂げることができたのでした。
そんな思い出もあって、やはりARCHIVときくと頬が緩んでしまうのです。
それにしても、なんという美しい曲でしょうか。
ペルゴレージのスターバト・マーテルを聴いていると、何だか、J.S.バッハの作曲した受難曲のアリアを思い出してしまいます。
バッハがペルゴレージのスターバト・マーテルを引用してモテットに編曲したことは有名な話ではありますが。
また、ロッシーニのスターバト・マーテルも、この曲からかなりの影響を受けているように感じます。
ペルゴレージ生誕300年という節目の年。
願わくは、さらに多くの曲の演奏やCDなどの発売が試みられんことを!
2010-03-09 00:03
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