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「三木稔レクイエム(管弦楽伴奏による混声合唱版)」の初演が無事に終了 [音楽]

蒸し暑くなってきました。
このところ熱帯夜も続いているので、寝苦しくて仕方がありません。
今日も日中の最高気温は都心で35度近くまで上がり、直射日光を受けて歩くとめまいを感ずるくらいでした。

関東に戻ってきて十日ほど経ちましたが、なかなか落ち着きません。
仕事ももちろんですが、津から運んできた荷物が片付かず、ただでさえ狭い我が家が段ボール箱などに占領されているからです。
特に目立って増えたようなものはないはずなのに不思議なものです。
そういえば、15年ほど前、熊本に単身赴任していて帰ってきたときも同じような状況だったなあと苦笑してしまいました。

mikireq.jpg
そんな中、7月13日の日曜日、「三木稔レクイエム(管弦楽伴奏による混声合唱版)」の初演(於:すみだトリフォニー)が無事に終了しました。
合唱団のメンバーとして私も参加しましたが、そのいきさつについては、以前、「三木稔レクイエム(管弦楽伴奏による混声合唱版)」の練習参加で触れております。
結局、12日の土曜日のオケ合わせも含めて、事前の練習には3回しか参加できず、ほかのメンバーの方には大変失礼かつ不埒な態度ではありましたが、遠距離であったという事情を特別に斟酌して下さったことに、心より感謝申し上げねばなりません。
それでも楽譜を精読しながら一生懸命譜読みをしてきました。
その甲斐もあって、少なくとも譜面上での不安はかなりの部分払拭できましたが、アンサンブルを合わせていくのは大変な作業です。
ただ、譜面のほとんどの部分は覚えていたので、大勝先生の指揮の指揮を見ることは何とか出来、それが救いでした。

12日のオケ合わせと13日のゲネプロ。
なかなかオケと合唱が合わず、メンバーの中に焦りの気持ちが浮かびます。
大勝先生は、前面に「見て!」背面に「指揮者」と白字で書かれた真っ黒なTシャツを着用し、「ちゃんと指揮をみて演奏するように!」と厳重注意。
指揮者としては、管弦楽と合唱全体をコントロールする必要があるわけですから、合唱のみをメインにキューを出すわけにはいきません。
管弦楽の演奏部分を初めて聴いた私は、合唱用の楽譜に記されたピアノパートを頼りにオケの個別の音を拾い、タイミングを計ることにしました。
三木先生は、とりわけ打楽器に特徴的なパートを任せることが多いので、この作戦はかなり功を奏したように思います。

いずれにしても、ゲネプロという最終段階で指揮者から大ダメ出しをくらった私たちは、気持ちを引き締めて本番に臨んだのでした。

そして本番。

本日の演奏会は、
  1. <北京祷歌Beijing Requiem>(弦楽合奏・指揮 榊原 徹)
  2. <コンチェルト・レクイエム>(邦楽合奏・指揮 田村拓男)
  3. <レクイエム>管弦楽伴奏混声合唱(指揮 大勝秀也)

の三部構成で、我々の演奏は本公演の「トリ」ともいうべきもの。
第1部と2部の演奏を聴くこともできず、ひたすら気持ちを高めておりました。

40分を超える大曲の「レクイエム」の最後の音が消えて、ホールに静寂が戻ってきたときに訪れた解放感と安堵の気持ちはたとえようのないものでした。
結局、この日の本番が最高の出来であり、オケのメンバーも合唱団も一瞬信じられないような昂揚感に包まれたものです。
これはきっと、天国でこの演奏会を心待ちにしておられた三木稔先生がお助け下さったのでしょう。
唯物論者である私でさえそのように思うほど、まさに奇跡的な成功でした。

手早く着替えを終え、ホワイエに出てみると、まだ多くの方が残っていてくださって、温かなお言葉を頂戴しました。
家内と、今年の春から東京の大学生となった姪も聴きに来てくれていて、私自身も感激を新たにしたところです。
三年前に三木先生から頂いたメール。その折に託された想い。
三年越しの宿題が、果たせたような心持ちでした。

さて、こうした演奏会の終了後、たいていは関係者による打ち上げパーティが催されるのですが、今回はなんと三木先生のご遺族が経費すべて丸抱えで招待してくださいました。
三木先生は、この三つのレクイエムを完全な形で演奏会プログラムに載せることをずっと切望しておられ、その遺志を実現できたお礼をしたいという、我々にとっては正に望外のお話だったのです。
総勢260人以上という大変にぎやかな会は、三木家の皆様のお心遣いもあって、大変和やかに温かな雰囲気の中で行われ、この大きなイベントに参加することのできた喜びをさらに大きなものにしてくれました。

因みに、町田フィルによってこのレクイエムの再演も計画されているというお話もその場で披露されました。
反戦・平和活動にもことのほか力を入れておられた三木先生のご遺志がこのような形で受け継がれていくことに、私は言葉にならないほどの喜びを感じております。

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コメント 8

夏炉冬扇

今日は。
出演ですか。
すばらしい。
by 夏炉冬扇 (2014-07-15 17:06) 

井上(バリトン)

お疲れさまでした。
素晴らしいコンサートになりましたね。
三木先生、喜んでくださってると良いのですが。。
by 井上(バリトン) (2014-07-15 19:49) 

hirochiki

三木先生のメモリアルコンサートの初演を無事に終えられたとのことで、本当にお疲れ様でした。
大変お忙しい中の練習とご出演はとても大変だったことと思います。
奥様と姪っ子さんも聴きに来て下さったとのこと、きっと感激されたことでしょう。
写真の三木先生のやさしい笑顔がとても素敵ですね。
これからも、このコンサートがずっと受け継がれていきますように。

by hirochiki (2014-07-15 20:01) 

tochimochi

40分を超える大曲の「レクイエム」演奏は大変だったでしょう。
譜面を覚えるということは私には想像も出来ないことです。
三木先生も喜んでいることでしょう。
お疲れ様でした。

by tochimochi (2014-07-16 12:40) 

伊閣蝶

夏炉冬扇さん、こんばんは。
かなりぎりぎりでの出演でしたが、無事に終わり、ホッとしております。
by 伊閣蝶 (2014-07-17 00:24) 

伊閣蝶

井上さん、こんばんは。
ご訪問、心より感謝申し上げます。
公演では大変お世話になりました。
すばらしいコンサートになり、本当に嬉しく存じます。
三木先生に、この演奏が届くことを願って止みません。
by 伊閣蝶 (2014-07-17 00:27) 

伊閣蝶

hirochikiさん、こんばんは。
ありがとうございます。やり遂げてホッとしているところです。
直前まで津におりましたから、本当にぎりぎりでした。
姪も高校生時代は合唱部に所属しておりましたから、喜んでくれて、これも嬉しいことでした。
三木先生の笑顔は、本当にすばらしく温かでした。
この写真は遺影にも使われたのですが、その三木先生のお人柄を如実に表していると思います。
by 伊閣蝶 (2014-07-17 00:31) 

伊閣蝶

tochimochiさん、こんばんは。
ありがとうございます。
40分以上を立ちっぱなしで歌うのは結構大変な労力ですが、やり終えてホッとしております。
三木先生との約束を、やっと果たすことが出来ました。
三木先生に当日の演奏が届いていて欲しいと願うばかりです。
by 伊閣蝶 (2014-07-17 00:34) 

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