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久保田早紀のCD [音楽]

今日も、朝のうちは雲は多めながら、概ね晴天となりました。
午後にはきれいに晴れ上がり、風もあったので爽やかな天気です。
昨日の山行のついでに、山の腐葉土を少し頂いて帰り、トマトの苗を植えました。
tomatonae.jpg
ちょっと鉢が小さすぎるようですので、場合によっては植え替えも必要になるかもしれません。
しかし、先日のシャクナゲもそうですが、住居のベランダに緑があるのは嬉しいものですね。

ところで、津での生活がそろそろ二年目を迎えます。
異動する話も特段は聞いていないので、どうやらもう一年ここにいられそうな雰囲気(*^_^*)
この一年で三重県の魅力に取りつかれた私としては願ってもないことです。

先日、職場の同僚が、久保田早紀のCDを紹介してくれました。
デビューアルバムの「夢ものがたり」と、「天界」です。
久保田早紀、といえば「異邦人」くらいしか知らない私ではありましたが、「きっとその才能に驚くと思いますよ」という同僚の言葉に魅かれて早速聴いてみました。

うむ、確かにこれにはびっくりです。
彼女は、年代的に私と同じであることもあり、「異邦人」が出た時には同じ年頃(20歳未満)で、こんなに独創的な曲を作る人がいるんだ、とびっくりしたものでしたが、あのいかにも大仰な伴奏がどうにも気に食わず、結局、それほどの記憶にも残らないまま、忘却の彼方に沈んでいました。
しかし、このアルバムを聴いてみて、それが極めて一方的かつ浅はかな思い込みであったかを気づかされたのでした。

特に、「天界」の「碧の館」、これには唸りました。

http://www.youtube.com/watch?v=6FMANBsi3a0

私は個人的にボサノヴァが大好きで、自分でも混声合唱のための曲を作ったことがありますが、リズムを意識すればするほど洗練とは外れ、重苦しくなっていってしまいました。
自分の好みとは無関係に、自分の中に染みついている土着のリズムがあって、これが抗しがたいものであることを痛感したものです。
ですから、こんなにも軽やかに洗練されたボサノヴァの曲を日本人がオリジナルで書けるなんて、と本当に感動してしております。

また、「夢ものがたり」の中の「星空の少年」も素晴らしい。

http://www.youtube.com/watch?v=oacAiVah8X4

微妙な半音階進行、絶妙な転調。流れるような旋律の中で、durからmollへ、そしてmollからdurへと実にスムーズに切り替わっていく様は、正に「めくるめく」という感じでした。
「夢ものがたり」は彼女のデビューアルバムであり、「異邦人」も入っていますね。
ということは20歳そこそこの作品ばかり。それでこの完成度は恐るべきものがありました。

こうして改めて彼女の曲を聴いてみると、「異邦人」は必ずしも彼女の作品のベストではなかったのではないか、とすら思います。
彼女の作品では、転調やシンコペーションの使い方、そして裏拍の打ち方など、実にスムーズかつ効果的に用いられていました。
それからもう一つ特筆すべきなのは詞の素晴らしさ。非常に深みのある、ある種哲学的といってもいいような世界観です。
繰り返しになりますが、20歳くらいの若さでこうした表現力を身に着けていたことに、嫉妬に似た感嘆を覚えてしまいました。

1970年代から80年代。
多くの音楽的な若い才能が花開いた時期ではありましたが、もしかすると、私などはその通り一遍の表層的な部分にしか接していないのかもしれません。
掘り起こしていけば、まだまだ魅力にあふれた楽曲が出てきそうで、どうやらそうした試みもなされそうな雰囲気ですから、今後の楽しみが増えそうな気がします。

因みに、久保田早紀は、本名の「久米小百合」というお名前で、現在はキリスト教の音楽伝道師として活躍なさっておられるそうです。
そう思って改めて聴いてみると、曲の背景に織り込まれている宗教的な一種の倫理観などを感じてしまいました。
自身の音楽表現と思想が、ある意味では一致点を見ていることになるのでしょうか。
そうであるとすれば、誠に充実した素晴らしい人生ではないかとつくづく思います。

天界


夢ものがたり


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hirochiki

トマトの成長と収穫が楽しみですね。
我が家でも、プランターに植えたミニトマトが順調に育っていて
今週の日曜日に収穫して食べました。
瑞々しくてとても美味しかったです。
久保田早紀さんのあの独特の世界観と歌声は大好きでした。
私も異邦人くらいしか知りませんでしたが、このCDは聞いてみたいです。
何年か前にTVでキリスト教の音楽伝道師をされていることを知りました。
その時、天職を見つけられたのだなあと感じました。
by hirochiki (2013-07-02 05:24) 

tochimochi

異邦人を聞いたときはダイナミックなメロディと独特の歌詞に驚きました。
これからどんな曲を出してくれるのだろうと期待していましたが、いつのまにか音楽会から姿を消してしまいました。
今は音楽伝道師をなさっていたのですね。
私もCDを持ってはいるのですが、異邦人しか記憶にありません。
今度じっくり聞いてみたいです。


by tochimochi (2013-07-02 07:04) 

のら人

恥ずかしながら、私も異邦人しか知りませんでした。
唯、最近でも時々その異邦人をYOU TUBEで視聴する事があります。
異邦人以外もエキゾチックな歌声とメロディーで素晴らしいです。 ^^
宗教と音楽は切っても切れない関係にあるようですね。
山行のついでに腐葉土 ・・・ 自分も時々やりますよ!
早く美味しいトマトが鈴なりになると良いですね。
by のら人 (2013-07-02 08:19) 

伊閣蝶

hirochikiさん、こんにちは。
hirochikiさんのお宅でもミニトマトが順調に育っているとのこと。
みずみずしくておいしかったとのことで、早く私も味わいたいものです。
久保田早紀さんの歌声は、なんというのか不思議な透明感がありました。
曲も本当に魅力的で、もしも機会がございましたら、是非ともお聴きください。
キリスト教の音楽伝道師、仰るとおり、まさしく天職を見つけられたのだなと思います。

by 伊閣蝶 (2013-07-02 12:55) 

伊閣蝶

tochimochiさん、こんにちは。
久保田早紀さんのCDをお持ちでしたか。
異邦人があまりに強烈で、その後は早い時期に芸能界からは姿を消してしまったので、ある意味では印象に偏りがあったなと実感しています。
キリスト教の洗礼を受け、そちらのほうに邁進されたのも、なんだか彼女らしいなと思ってしまいます。
by 伊閣蝶 (2013-07-02 12:58) 

伊閣蝶

のら人さん、こんにちは。
私も同僚に言われるまで、異邦人しか記憶にありませんでした。
もちろんCDも持っていませんでしたし。
宗教と音楽とは、仰るとおり分かちがたく結びついています。
その意味では祈りも音楽のようなものですものね。
山行ついでの腐葉土採取。
のら人さんもなさっておられますか。
やっぱり、市販の土よりも生命力がありそうで、ついついいただいてしまいます。
by 伊閣蝶 (2013-07-02 13:01) 

夏炉冬扇

今晩は。
知らない方で…
もう2年になりますか。月日は…ですね。
暑いⅠ日でした。
by 夏炉冬扇 (2013-07-02 17:54) 

伊閣蝶

夏炉冬扇さん、こんばんは。
この一年、実に早い時間でした。
次の一年はもう少し余裕を感じてみたいものです。
by 伊閣蝶 (2013-07-02 22:54) 

九子

可愛いが取り得の一発やさんと思ってしまってましたが、才能も併せ持つ方だったんですね。おっしゃるところのCDがもっと世に出ていたら、きっと別の生き方をしていらしたんだと思うと、世の中は面白いものですね。
懐かしい名前を有難うございました。( ^-^)
by 九子 (2013-07-30 14:12) 

伊閣蝶

九子さん、こんばんは。
私も、久保田早紀さんに関しては、長らく同じような感覚でおりました。
その意味でも、こうした本質的なところを教えてくれた同僚に感謝です。
しかし、あたら芸能界などで才能を枯渇させなかったことは、彼女にとっては幸いであったのかもしれません。
by 伊閣蝶 (2013-07-31 22:06) 

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