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合唱団お江戸コラリアーず第10回演奏会 [音楽]

oedo0814.jpg今日も暑い一日になりました。

午前中はクライミングジムに出かけ、昼からは先輩が参加している合唱団、「お江戸コラリアーず」の第10回演奏会に出かけてきました。

クライミングの方は一進一退ですが、それでも三歩進んで二歩下がるくらいの進展はありそうな気もします。
とにかく、関節の柔軟性を高めることが一番大切なようです。
そのためにもストレッチは欠かせませんね。

さて、「お江戸コラリアーず」の第10回演奏会について。

「お江戸コラリアーず」は、男声を中心とした構成の大合唱団で、合唱コンクール全国大会において二年連続の金賞及びの本放送協会賞を受賞する実力派団体です。

今年の二月にはデンマークの合唱団「Copenhagen Chamber Choir CAMERATA」などとのジョイントコンサートが取り組まれ、精緻なアンサンブルに感動したものですが、今回は彼ら独自の演奏会ということもあり、よりパワーアップされ自在となった演奏会を楽しむことが出来ました。
  1. Cantate Domino in B♭
  2. バルトからの贈り物
  3. 男声合唱組曲「青いメッセージ」
  4. 東京だよ おっかさん
  5. Sämannー種を蒔く人ー(委嘱初演)

以上が当日のプログラムです。

「バルトからの贈り物」「青いメッセージ」そして、委嘱作品で今回初演の「Sämannー種を蒔く人ー」は、聴きごたえ十分で、きちんとコントロールされた男声合唱の迫力と響きを心行くまで堪能させてもらいました。

殊に、「Sämannー種を蒔く人ー」は信長貴富氏の意欲作で、10声部を超す重厚な和声のアカペラが中心です。
この曲は、このたびの東日本大震災の悲劇から構想されたのもですが、これまで核兵器の罪を訴えてきた信長氏が、原子力発電の持つ危険性に関しては全く無関心にうちすぎていたことに対する悔恨の情も含まれてのものだとのことでした。
「種を蒔く人」はミレーから想起されたそうですが、テキストは詩篇126番の「涙をもって種蒔くものは、喜びの声とともに収穫するであろう」からとられています。
また、「青いメッセージ」の詩は草野心平氏のもので、草野氏の生地が福島県のいわき市であることも意識されてのことだと思われます。
ベトナム戦争時のソンミ事件を元にした「サリム自伝」を核に、草野氏の詩の特徴ともいえるカエルの言葉を中心に語られます。

これらの曲におけるピアノは、伴奏というよりも、声楽と同じ次元で表現の深部を我々に提供しようとしているかのようで、これにも感心させられました。

「バルトからの贈り物」は、普段聴く機会の極端に少ないバルト三国の作曲家たちによる意欲的な作品です。
ロシア語などを中心とした深遠な詩と、その独特な言葉の響きから、あの地域のおかれてきた状況や歴史が、眼交にまざまざと浮かび上がってくるかのようでした。

ところで、今回の演奏会のメインテーマとも言うべき「東京だよ おっかさん」ですが、正直に申し上げて、ほかの演目との落差が著しく、どうにも残念な想いが強く残りました。
「東京」を題材にしている唱歌、流行歌、フォーク、ムード歌謡などを題材に、ステージ狭しとばかりに団員達が声楽パフォーマンスを繰り広げるのですが、団員達は盛り上がっているように見えるものの、聴いているこちらはうんざりです。
全く面白くなかった。
これには、パンフレットに掲載されていた指揮者の次の言葉が影響しているのかもしれません。
突然ですが、皆さんにとって東京という街はどういう存在ですか?
 
僕にとっては、出身の大阪と比べて、全く魅力を感じない街です。
ご飯は美味しくないし、言葉は気持悪いし、うどんは黒いし。
でも、東京タワーだけはなぜは好きでした。

この後、団員に東京出身者が少ないことに触れ、「お江戸だよ、おっかさん」という言葉に凝縮させたと書いておられますが、いったい何をこの演奏で目指そうとしたのか、私には全く理解できませんでした。
無論、一種のシャレで書かれたものなのでしょう。
そんなことにいちいち反応しても意味のないことなのかもしれませんが、私のような田舎からの出稼ぎものであれども、東京に対するこのような薄っぺらな感想を一方的に読まされるのは腹立たしい気がします。
その気分が、この「東京だよ おっかさん」の中に見え隠れしている、そんなふうに思えてしまったのでした。
尤も、これは逆言えば、普段は冷淡な態度で接している、この東京という街に、私はかなりの愛情を持っている、ということの裏返しなのかもしれませんね。

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hirochiki

こちらも、大変暑い一日でした。
今夏は、朝晩ですらまだまだ涼しく感じられません。
昨日は、エアコンがあまり得意でないphirochikiですら、自ら設定温度を下げていたほどです。

昨日はクライミングジムとコンサートへお出かけになったとのことで、充実した一日を過ごされたのですね。
コンサートのプログラムを拝見した時に、やはり「東京だよ おっかさん」が目に留まりました。
どのような感じだったのかと思いながらこの記事を読み進めていったのですが、残念でしたね。
やはり、演奏する側と聴衆の両方が楽しめるコンサートが一番だと思います。
by hirochiki (2011-08-15 06:35) 

伊閣蝶

hirochikiさん、こんにちは。
今日も朝から猛暑になっています。
ご主人もあまりエアコンは得意でないのですか。
私もどちらかというと敬遠したい方ですが、さすがに、昨晩はつけっぱなしでした。

昨日は、一日、バタバタとしましたが、自分の好きなことをしていたわけであり、その意味では大変嬉しい一日でした。
コンサートの方も、おおむね満足です。
ただ、やはり「東京だよ おっかさん」をメインに据える必要があったのかと、未だに疑問です。
この合唱団の定期演奏を聴きに行った人たちの中にも、それなりの温度差があったということかもしれませんが、少なくとも私の周囲には違和感を感じた人の方が多かったように思われます。

by 伊閣蝶 (2011-08-15 12:14) 

節約王

こんばんは。いつも楽しく拝見しています。
こちらも大変な暑さでした。しかしながら気温差3~4度(神奈川県比)あるにもかかわらずあまりその差を不思議と感じないものです。
さてこの猛暑の中、クライミングのご継続、尊敬に値します。私も見習って最近はノーカーでなるべく自転車で活動することを心がけています。
合唱団お江戸コラリアーずのコンサート記事拝見しました。全体的にはとてもいい構成で実力もおありと受け止められますが”東京だよおっかさん”のパンフレット掲載文章は私も残念だと思います。折角コンサートを楽しみにして来てくださった方々の中にも東京出身者や東京を愛している方もおられると思いますのでどうも私には理解できません。皆が楽しめる構成であればと私も残念に思います。
by 節約王 (2011-08-15 19:39) 

きんた

今日から出社し、節電とはいえ、空調が聞いていることだけが会社のいいところだと実感しました。(#^.^#)
暑い日が続きますね。お体ご自愛ください。
by きんた (2011-08-15 23:12) 

伊閣蝶

節約王さん、こんばんは。
今日も暑い日になりましたが、前橋の方は記録的な猛暑日が続いているそうですね。
大変なことと存じます。くれぐれもお気をつけ下さい。
それでも、仰る通り、神奈川とは3~4度の気温差があるそうですが、こちらの暑さも耐え難いものがあります。
それでも、今週末にはだいぶ治まるようですが。
ところで自転車のご利用、様々な点でメリットがあるように思っております。
なによりも、節約王さんのツーリング記事から、その楽しさが実感させられますから。
お江戸コラリアーずのコンサートに関しては、私の個人的な感想ですので、きっと「東京だよおっかさん」を楽しい舞台と感じた方も大勢おられると思います。
それでも、やはりあのパンフレットの言葉はどうにも頂けません。
私も節約王と同じで、観客の方々の中には東京出身の方や東京に深い愛着を抱いておられる方も多いはずなのに、なぜわざわざこんなことを書くのだろうと疑問に思いました。
大変残念に思います。
by 伊閣蝶 (2011-08-15 23:51) 

伊閣蝶

きんたさん、こんばんは。
今日からご出勤、お疲れさまです。
でも、会社は空調が利いているので、私もむしろ出勤している方が楽な感じがしています。
そうはいっても猛暑はまだまだ続きます。
きんたさんも、どうぞご自愛下さい。
by 伊閣蝶 (2011-08-15 23:56) 

Cecilia

全体的には素晴らしいコンサートだったようなのに「東京だよ おっかさん」のパンフレットの言葉は残念ですね。演奏がどうだったのかも気になるところですが。
私は今でも東京が大好きです!いろいろな人がいる、というのが魅力です。

草野心平の詩には男声合唱が似合うし多いですね。
by Cecilia (2011-08-16 06:06) 

伊閣蝶

Ceciliaさん、こんにちは。
全体的にはすばらしいコンサートであったと思います。
初演や委嘱作品など、普段あまり耳にすることがない魅力的な曲をたくさん聴けたことも嬉しい限りでしたが、そうした選曲であったがゆえにフライング拍手がなかったのも好もしいものでした。
「東京だよ おっかさん」は、一つの舞台パフォーマンスというところでしょう。
そうした立ち位置を理解している関係者には面白いものだったのではないでしょうか。
ただ、私のような、あくまでも普通に合唱曲を聴きたい聴衆には受けが良くなかった嫌いもあろうかと思われます。
いろいろな人がいるから東京が大好き!というCeciliaさんのご意見には私も全く同意します。
個々に生活の拠点があるからこそ出会えた人も数多くあり、その出会いのおかげで私も成長することができたのですから。

草野心平さんの詩は、真の意味での詩人ゆえの鋭敏な言葉の持つ音と神性をたくさん有していると思います。
曲をつけたくなる気持ちには大いに頷けるものがあります。
by 伊閣蝶 (2011-08-16 12:21) 

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