ルイ・アームストロング、生誕110年。渥美清、没後15年。 [音楽]
今日はルイ・アームストロングの生誕110年の日にあたるそうです。
何といっても今日のジャズの礎を築いた、天才的なトランペッターでありヴォーカリストでもありますが、1901年生まれとはずいぶん遠い時代なんだな、と失礼ながらふと思ってしまいました。
尤も、私の祖父や祖母などは1800年代の生まれでしたから、自分に引き比べてそれほど昔ということもないのですが。
ルイ・アームストロングの別名は「サッチモ」。
むしろこちらの方が有名なくらいですが、この名前は「satchel mouth(がま口のような口)」とか「Such a mouth!(なんて口だ!)」など、どうもその特徴的な「口」起源となっているようですね。
私が最初に購入した彼のレコードは、「ルイ・アームストロング/サッチモ・ベスト/この素晴らしき世界」でした。
収録曲は次の通りです。
「ベスト」の名に恥じない豪華さで、ライブが中心なだけに、実に生き生きとした演奏を聴くことができましょう。
サッチモのほか、エラ・フィッツジェラルド、ガブリエル、ヴェルマ・ミドルトンなどが加わっていて、とりわけ、サッチモとエラとによるガーシュウィンナンバー「サマータイム」「イット・エイント・ネセサリリー・ソー」の二重唱は格別のすばらしさで、胸が締め付けられるような感動を覚えました。
ヴェルマ・ミドルトンとの「外は寒いよ」も最高!です。
さて、全くの私事ではありますが、私は自分の結婚披露宴の折、迎宴のBGMに、このレコードから「この素晴らしき世界」と「サマータイム」を使いました。
当時ももちろん合唱をしておりましたし、知人・友人のほとんども、私がガチガチのクラシックファンだと思っていたので、これはかなり意外だったようです。
しかし、音楽の好みは、畢竟その音楽そのもの個別の好き嫌いに基づくもの。
ジャンルを予め決めて、それ以外は聴かない、というのも何だか残念な話ではないかと思っています。
尤も、絶対に受け入れられないジャンルというのは厳然としてあって、そんなものを聴くこと自体時間の無駄!なんてことも当然ありましょうが(^_^;
いずれにしても、このことで、私がクラシックのみならず、ジャズやロックやラテンやガムラン、さらに雅楽や邦楽や民謡なども聴く者であるということが、知人や友人たちに実地を以て伝わったことは、望外の効果でありました。
余計な事を書いてしまいましたが、それにつけてもサッチモというアーティストの偉大さにはため息をつく思いです。
恐らく、ジャズをほとんど聴かない人たちでも「この素晴らしき世界(What a Wonderful World)」は知っているでしょう。
この曲自体、作詞作曲にたずさわったボブ・シールが、ベトナム戦争を嘆き悲しみ平和な世界を夢見て作ったものですから、端から多くの人々の共感を呼ぶ下地はあったものと思われますが、サッチモの入魂の歌声が聴く人の心を激しく打ったということなのではないかと私は考えます。
ウィントン・マルサリスは「色々なトランペット奏者の良い所を盗もうとしたけど、アームストロングだけは盗めなかった。とにかく凄すぎるからさ」と舌を巻き、マイルス・デイヴィスは「アームストロングは喋りまでジャズになっている」と語るなど(いずれもwikipedia所収)、サッチモが不世出の天才であったことは、同業の「天才」たちからも認められ賞賛され尊敬されていたことからも明らかなのでしょう。
「ハロードーリー」「上流社会」などへの映画出演も忘れられません。
また、今日は渥美清さんの没後15年の日でもあります。
「もうそんなに時が経ったのか」と、こちらはまだまだため息が出るばかりです。
寅さんシリーズは私も好きな映画ですが、老いが感じられ始めたころから亡くなるまでの作品は観ていて痛ましく感ぜられるほどでした。
「渥美清は人間だから頭にきたり愛想がわるかったりすることもある、24時間手振ってはい られない」。
渥美清さんの言葉です。
でも、やはり渥美さんは、24時間、観客に向けて手を振り続けた人であったように、私には思われます。
何といっても今日のジャズの礎を築いた、天才的なトランペッターでありヴォーカリストでもありますが、1901年生まれとはずいぶん遠い時代なんだな、と失礼ながらふと思ってしまいました。
尤も、私の祖父や祖母などは1800年代の生まれでしたから、自分に引き比べてそれほど昔ということもないのですが。
ルイ・アームストロングの別名は「サッチモ」。
むしろこちらの方が有名なくらいですが、この名前は「satchel mouth(がま口のような口)」とか「Such a mouth!(なんて口だ!)」など、どうもその特徴的な「口」起源となっているようですね。
私が最初に購入した彼のレコードは、「ルイ・アームストロング/サッチモ・ベスト/この素晴らしき世界」でした。
ルイ・アームストロング/サッチモ・ベスト/この素晴らしき世界 |
収録曲は次の通りです。
- この素晴らしき世界
- 誰も知らない私の悩み
- 外は寒いよ
- スウィート・ロレイン
- サマータイム
- イット・エイント・ネセサリリー・ソー
- 明るい表通りで
- タイリーズ・ブルース
- チーク・トゥ・チーク
- トップ・ハット
- お友達になれない?
- ショート・パット・スウィート
- ティン・ルーフ・ブルース
- ザ・サークル・オブ・ユア・アームズ
- アンクル・サッチモズ・ララバイ
- 聖者の行進
「ベスト」の名に恥じない豪華さで、ライブが中心なだけに、実に生き生きとした演奏を聴くことができましょう。
サッチモのほか、エラ・フィッツジェラルド、ガブリエル、ヴェルマ・ミドルトンなどが加わっていて、とりわけ、サッチモとエラとによるガーシュウィンナンバー「サマータイム」「イット・エイント・ネセサリリー・ソー」の二重唱は格別のすばらしさで、胸が締め付けられるような感動を覚えました。
ヴェルマ・ミドルトンとの「外は寒いよ」も最高!です。
さて、全くの私事ではありますが、私は自分の結婚披露宴の折、迎宴のBGMに、このレコードから「この素晴らしき世界」と「サマータイム」を使いました。
当時ももちろん合唱をしておりましたし、知人・友人のほとんども、私がガチガチのクラシックファンだと思っていたので、これはかなり意外だったようです。
しかし、音楽の好みは、畢竟その音楽そのもの個別の好き嫌いに基づくもの。
ジャンルを予め決めて、それ以外は聴かない、というのも何だか残念な話ではないかと思っています。
尤も、絶対に受け入れられないジャンルというのは厳然としてあって、そんなものを聴くこと自体時間の無駄!なんてことも当然ありましょうが(^_^;
いずれにしても、このことで、私がクラシックのみならず、ジャズやロックやラテンやガムラン、さらに雅楽や邦楽や民謡なども聴く者であるということが、知人や友人たちに実地を以て伝わったことは、望外の効果でありました。
余計な事を書いてしまいましたが、それにつけてもサッチモというアーティストの偉大さにはため息をつく思いです。
恐らく、ジャズをほとんど聴かない人たちでも「この素晴らしき世界(What a Wonderful World)」は知っているでしょう。
この曲自体、作詞作曲にたずさわったボブ・シールが、ベトナム戦争を嘆き悲しみ平和な世界を夢見て作ったものですから、端から多くの人々の共感を呼ぶ下地はあったものと思われますが、サッチモの入魂の歌声が聴く人の心を激しく打ったということなのではないかと私は考えます。
ウィントン・マルサリスは「色々なトランペット奏者の良い所を盗もうとしたけど、アームストロングだけは盗めなかった。とにかく凄すぎるからさ」と舌を巻き、マイルス・デイヴィスは「アームストロングは喋りまでジャズになっている」と語るなど(いずれもwikipedia所収)、サッチモが不世出の天才であったことは、同業の「天才」たちからも認められ賞賛され尊敬されていたことからも明らかなのでしょう。
「ハロードーリー」「上流社会」などへの映画出演も忘れられません。
また、今日は渥美清さんの没後15年の日でもあります。
「もうそんなに時が経ったのか」と、こちらはまだまだため息が出るばかりです。
寅さんシリーズは私も好きな映画ですが、老いが感じられ始めたころから亡くなるまでの作品は観ていて痛ましく感ぜられるほどでした。
「渥美清は人間だから頭にきたり愛想がわるかったりすることもある、24時間手振ってはい られない」。
渥美清さんの言葉です。
でも、やはり渥美さんは、24時間、観客に向けて手を振り続けた人であったように、私には思われます。
こんばんは。今回はルイ、アームストロングの特集ですね。嬉しく思います。ルイが生まれ育ったのは、ニューオーリンズのアフリカ系アメリカ人が多く住む比較的貧しい居住区で、子供の頃に祭りで浮かれ、ピストルを発砲して少年院に送られたというすさまじい過去を持っています。しかしその少年院のブラスバンドでコルネットを演奏することになった事で、楽器と出会い、後の天才トランペッターとなった事はすでにご存知と思います。
私はこの不幸な出来事が逆に人生をいい方向に向かわせたと思います。人間万事塞翁が馬という言葉がぴったり当てはまりますよね。しかしいいことばかりではなく第二次世界大戦時には慰問公演も行ったにもかかわらず、人種差別が横行していた当時のアメリカでは、公演先でも白人と同じホテルへ泊まれないというひどい扱いを受けました。さらに劇場の入り口さえ別々というような屈辱を受け続けたにもかかわらず、あのような陽気で温かい演奏を続けたこと、人間として本当に尊敬できます。
特集ありがとうございます。
by 節約王 (2011-08-04 22:14)
節約王さん、こんばんは。
ルイ・アームストロングに関する詳しい解説をありがとうございました。
仰る通り、時代背景もありましょうが、発砲事故による少年院送りや人種差別の影響をもろに受けつつも、あれほど温かで素晴らしい演奏を繰り広げたルイ・アームストロングの人間性にはただただ感嘆するばかりです。
やはり、音楽の神様は彼を見捨てなかった、そんなふうにも思います。
彼の演奏を聴くと、正しくミューズに愛されたプレイヤーだったのだなと感じてしまいますね。
by 伊閣蝶 (2011-08-04 23:34)
ルイ・アームストロングさんの別名の「サッチモ」の由来は、ユニークですね^^
胃閣蝶さんがクラシックだけではなく幅広いジャンルの音楽を聴いていらっしゃるということは、記事を拝見していても良くわかります。
渥美清さんが亡くなられて、もうそんなに経つのですか。
人間味あふれる温かいお人柄が印象的な俳優さんでしたね。
by hirochiki (2011-08-05 05:45)
hirochikiさん、おはようございます。
ルイ・アームストロングさんの別名の由来、いろいろあるようですが、みんな口がらみというところに、ちょっと失礼かもしれませんが納得してしまいます。
音楽は、まずその曲が自分の好みであるかどうかが第一なのでしょう。ジャンルは二の次ですし、そんな勝手なジャンルを軽々と越えてしまう音楽もたくさんありますから(*^_^*)
渥美清さんは、観客に夢を与えることを第一に考えておられたのではないかと思います。
それだけに素の自分(田所康雄さん)は決して表に出さなかった。
誠に以て徹底した役者魂と申せましょう。
by 伊閣蝶 (2011-08-05 09:29)
ぼくもサッチモは大好きです!
とくに、エラ&ルイはいいですね。
彼に関する本を読むと、少年院でtpを覚えて、
起床ラッパを彼が吹くと、みんながウキウキした気分に
なったようです^^
by don (2011-08-06 21:14)
donさん、こんばんは。
エラ&ルイ、たまらないコンビですよね。
「サマータイム」に関して、以前、エルヴィン・ジョーンズとリチャード・デイヴィスの演奏について書きましたが、ヴォーカルではこの二人の演奏が最高です。
しかし、ルイが起床ラッパを吹くと、みんながうきうきした気分になる、というエピソードは微笑ましい。
初めて知りましたが、大変頷けました。
by 伊閣蝶 (2011-08-06 22:39)