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常盤橋公園 [日記]

常盤橋公園入口今日は久しぶりに朝から晴天で、通勤途上で丹沢山塊なども見えてご機嫌でした。

お昼もいい天気でしたので、今日の昼休み、思い立って「常盤橋公園」まで足をのばしました。

常盤橋公園は江戸城の城門の一つである「常盤橋門」の城門跡の石垣が残る面積はわずか1420㎡の小さな公園です。
常盤橋門は、奥羽や日光方面への街道の出発点でもあり、桝形をした城門は防御のために作られたものとのこと。

1875年(明治8年)に財団法人渋沢青淵翁記念会(現在の渋沢栄一記念財団)によって復旧整備が行われ、当時の東京市の公園として公開されました。

その石垣のすぐそばに、日本橋川にかかる常盤橋がありますが、最初に橋がかけられたのは1590年(天正18年)のことで、当然木造でした。
1877年(明治10年)に常盤橋門の意思を利用したアーチ橋が架けられたわけですが、これが日本最初の洋式石橋となったそうです。

日本銀行本店常盤橋公園の真ん前には日本銀行本店があります。
1974年に国の重要文化財に指定されただけあって、さすがに秀麗・壮大な建物です。

さて、常盤橋公園に行こうと思ったのにはもちろん理由があります。

この常盤橋門の城門の石垣は、在京クライマーの格好のトレーニング場所でありました。

戦後開拓期はもちろん、ハードフリーを目指すクライマーたちは、それぞれ自分なりに設定したこの石垣の核心部の課題を解決するために日夜通いつめたのです。
その中には、平山ユージや山野井泰史といったトップクライマーもいます。

会社が終わった後ここに駆けつけて、核心のワンムーブにぎりぎりまで挑み、登れずに無念の思いで帰宅の途に就く人、ついに登り切って石垣上の草地に触れた人、悲喜こもごものドラマが日夜展開されたものでした。

残念なことに、現在はクライミングをやめてくれという「お触れ」書きが立てられ、基部にはロープが張られています。

無視して登ることも可能かもしれませんが、狭いながらもこの公園でお昼の休憩をとる人々が多くいる中で、敢えて実行する勇気はちょっとありません。

常盤橋公園石垣の立て看板石垣を破壊するような行為は文化財保護の観点から禁止、という千代田区教育委員会のお達しはもちろん良く理解できるし、当然の注意喚起だとは思いますが、石垣を登るのも危険な行為だからやめてくれ、という部分にはちょっと哀しいものを感じてしまいます。
つまり、誰かがこの石垣を登り、万が一落ちて怪我でもしたら、千代田区としては管理責任を問われかねないから、ということを憂慮してのものなのではないのかな、と。

クライミングなどという行為は誰かに強要されてするものではありませんし、自分の意思で登った上で、仮に落ちて怪我をしたとしても、それは全くの自己責任。
責められるのはクライマー自身なのですが、そうした危険行為を区が注意喚起もせずに放置した、などと批判されることを恐れるのでしょうね。

千代田区の立場も分かるような気がしますが、なんとも世知辛い世の中になってしまいました。

ところでまさかとは思いますが、クライミングナッツやカムを噛ませるとか、ロストアローやナイフブレードをリスに打ち込むなんていう輩がいた!、なんてことがあったりしたのでしょうか?
そんなことはないだろうと信じたいところですが、もしもそんな所業に及んだ連中がいたとするのであれば、「お触れ」の文言もにわかに深刻さが増してきますね。
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かずっちゃ

常盤橋公園、知りませんでした。日銀の前なんですね。
石垣でクライミングですか。クライマーの気持ちからすると登りたくなるんですかね。
欧米のように文化財を大切にするこころを持ちたいですよね。
by かずっちゃ (2010-07-09 11:49) 

伊閣蝶

かずっちゃさん、こんにちは。
クライマーという人種は、壁を見ると登りたくなっちゃうのですよ(^_^;)
私なども、外壁がデコボコしているビルを見ると登りたくなっちゃいますから。
しかし、壁を傷つけずに登るというところにみんなこだわりますから、壁を削ったり壊したりというようなことはしませんでした。
常磐橋公園の石垣を登るのが禁止された理由がもしもそのようなものであるとすれば、やはり自業自得と言わざるを得ません。
それでなくても今はインドアのクライミングジムがたくさんありますから、こうした歴史的建造物を傷つけるリスクを侵してまで登る理由はないと私も思います。
by 伊閣蝶 (2010-07-09 13:03) 

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