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日南・北郷の岩壺山(敗退) [山登り]

このところ梅雨の中休みといった感じで晴れ、気温も30度を超えたりしています。
それでも梅雨空になると気温は一気に20度前半に落ち込むので、油断はなりませんね。

そんな梅雨の晴れ間を利用し、久しぶりに宮崎の山に出かけてきました。
二年前に登った花切山の付近を調べていたときに印象に残った岩壺山に登ろうではないか、と、九州の山仲間に誘われたのです。
連れ合いも、「せっかくのお話なのだからいってらっしゃい」と言ってくれたので、その言葉に甘えたところです。

岩壺山は北郷町の北に聳える738mの山です。
標高的にさほどの高さではないと思われるかもしれませんが、このあたりで700mを超える標高は貴重な高さです。
下調べの段階の情報では相当に山深い感じで、猪八重川の源頭に位置する登り甲斐のありそうな山でした。

6月23日、雨の中を宮崎まで飛び、北郷町に向かいました。
二~三日前の予報ではこの週末は雨だったので、降りしきる雨の様子にかなり悲観的な想いとなっておりましたが、なんと前線が南に下がって、日曜日からの南九州はぽっかりと晴天になる予報に変わっていました。

24日は絶好のお天気となり、勇躍して猪八重渓谷駐車場に向かいます。
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駐車場には、我々以外の車は一台も見当たりませんでした。

猪八重渓谷遊歩道は入り口から最奥の五重の滝まで2.6kmあり、距離もさることながら、吊橋を含む7つの橋を渡り、勾配もかなり急で上り下りもあり、遊歩道とは云い条、しっかりした足回りを要求されます。

降雨が続いたためか、水量はかなり多い印象です。
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こんな切通のようなところもあります。
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わきから流れ込む支流に威圧的な滝がありました。
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こんなところは丹沢の檜洞を思い起こさせます。
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これは流合の滝。
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これが岩壺の滝。
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そしてこれが五重の滝です。
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豊富な水量を落としております。奥の直漠を登るためには右壁をアブミで越える必要がありそうですね。
尾鈴川のケヤキ谷に同じような感じの紅葉の滝がありました。
やはりアブミで乗越したのですが、そのときのことを思い出しました。
尤も、今回は沢登りではありませんから、眺めるだけですが。

遊歩道はここが終点です。
ここから本太郎駐車場までさらに急登が続きます。

登りきると本太郎駐車場。
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ここに通ずる林道は崩壊しており、いまだに復旧の予定もないことから、当然のことながら車の影もありません。

さてここからが本日のメインイベント。
不明瞭な踏み跡をたどって岩壺山を目指します。
ふと、同行者の様子をうかがうと、どうも顔色がよろしくありません。
どうしたのですかと尋ねると、実は体調が思わしくなく、ここまでは付き合えたのだが、これ以上は厳しいご様子。
申し訳ないが、私はここからゆっくり猪八重渓谷の駐車場に戻るので、一人で登ってきてくれないか、とのこと。
いや、それは心配なので私もここから引き返しましょう、と申し上げたのですが、飛行機を使ってここまで来てくれたのにそれではあまりにも申し訳ない、私は一人で戻れますから、どうか行ってきてくださいと言われてしまいました。

正直に云えば、ここまで来たのだから先に進みたいという気持ちが強く、それでは恐縮ですが、行かせていただきますと、答えました。山屋は自分勝手だなと思いつつ。

そんなわけで思いがけず単独行となったのですが、どこか少し気持ちが楽になったことも否めません。

本太郎駐車場から林道を進むと、道標が現れました。
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この道標が曲者で、矢印の方向には踏み跡はありません。
仕方がないのでトライアルパーク北郷方面に進むと、草の生い茂った広場に簡易トイレが埋もれている場所に出ました。
そのあたりをしばらく調べてみましたが、確信の持てる踏み跡は見つからず、いったん道標の地点に戻ります。

慎重に辺りを調べてみると、右側の斜面をのっこすところにたよりなさげなテープを見つけました。
そこを藪を漕いで登ります。
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しばらく藪を漕いで行くと、小さな沢に降りる崩壊した斜面に行き当たりました。
テープに従って、慎重に崖を降りて登り返します。
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とにかく猪八重川の方面に向かうことを考え、沢音のする方向に進むと、最初の渡渉点に出くわしました。
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しばらく行くと、またまた渡渉です。
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何度か渡渉を繰り返します。
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水量が多いので、そのまま流れに入ってわたるしかありません。
私は今回も地下足袋でしたので、足が濡れることには何の躊躇も感じませんが、山靴ですとかなり抵抗があるかもしれません。
転石には水蘚がついていますから、不用意に足を乗せると滑る可能性が高く、山靴を履いて濡れるのを嫌がりそんな転石乗ったりすると、重大な事故につながる虞もあります。
流れもかなり急ですから、思い切って水の中に入るのが一番いいのではないかと思います。

何度か続いた渡渉も、最後の方になると流れも穏やかになります。
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渡渉が終わると本格的な登りとなります。
急な登りももちろん厳しいのですが、随所に現れる急斜面のトラバースには要注意。
一か所だけロープが張ってありましたが、そのほかのトラバースも、ほとんど崩壊した踏み跡を拾いつつ、崩れる足元をだましだまし通過する必要があり、かなり神経を使いました。
雨が続いたことによって斜面がかなり不安定になっていることもその要因でしょう。

嫌らしいトラバースと木の根をつかんで登るような急登を稼ぐと、久しぶりに道標に出合いました。
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斜面を登りきると、また下り、さらに登りが続きます。
同じような感じの上り下りが果てしなく続き、何だかデジャヴ感にとらわれて、あー、またかよ、みたいな悪態をついてしまいました。
椎名誠さんがキリマンジャロに登った時の紀行文に、キリマンジャロのように目標の山がそこにあって、それに向かって登るのは誠に良いという描写の中で、次のような文章があります。
「これまで登った日本のいくつかの山行では、行けども行けども目的の山が見えず、やっと『あれか』と思って迫っていくと『違うんだもんね、あれはにせ××岳だもんね』などと言われて、よく欺かれた」

これは全くその通りで、そういう山登りに何度も出会っていますが、今回もまたその類です。
うんざりしながら急登急降下を繰り返すと、また道標に出合いました。
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これはもうそろそろかな、と思いつつ頑張って登ると、やはりその先にアップダウンが待っています。
なかなか厳しいなあ、と思いつつ、足元の悪い尾根を頑張って登り続けました。

いくつかの峰を越えて、どうやらあれが目的地の岩壺山かと思われる地点に達し、もうひと頑張り!と気合を入れていたら、尋常ならざる吠え声とうなり声が聞こえてきました。
私のこれまでの乏しい経験からしても、これはクマに間違いなく、それも完全に近づくものに対する威嚇と感ぜられました。
恐らく子熊がいる母熊なのでしょう。
このまま突っ込むと、かなりの確率で修羅場を見ることになる、そう考え、頂上は間近ではありましたが、潔く戻ることにしました。
単独行で、しかも同行者が駐車場に待っている状況です。
何かあれば、多くの人に多大な迷惑をかけてしまう、そのことが頭を巡ったわけです。
それでも、変に慌てて退却をすれば相手に襲われる可能性もありますから、とにかく静かにその場を立ち去り、しばらくしてから行動食を摂って気持ちを静めました。

何か追い立てられるような感じで、さらに山頂を踏めなかった無念さを抱きつつ、それでもつとめて冷静に下山を続け、剣呑なトラバースと藪漕ぎを継続しながら本太郎を目指し、駐車場に到着した時にはさすがに安堵しました。

猪八重渓谷駐車場には15時30分過ぎに到着。
久しぶりにほぼ単独の7時間行動となりました。

クマをはじめ、山の中ではマムシにも二度ほど出会い、この山域の山深さと自然の豊富さに驚嘆しました。
山頂を逃したのは無念極まりないことですから、是非とももう一度訪れてみたいと思っています。

花立山に続く道路から眺めた岩壺山方面の眺望です。
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立派な山容ですね。

ところで、今回の山行では、予想はしていましたが蜘蛛の巣に引っかかりまくり。
それは猪八重渓谷遊歩道でも同じことで、行きに引っかかりながら払った蜘蛛の巣が、帰り道でも張り直してありました。
蜘蛛の頑張りに感動しつつも、この梅雨の晴れ間の日曜日という絶好の散策日和に、ほとんど人が訪れなかったことには、非常に残念なものも感じたところです。
素晴らしい景観なのですから、地元自治体ももう少し宣伝に力を入れてみたらどうだろうと、大きなお世話と思いつつ、感じてしまいました。

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活を入れる!?2018 [山登り]

元旦は思いのほか暖かでしたが、ここにきて寒さがぶり返しています。
小寒を過ぎましたから寒の入りですね。

そんな中の4日、東丹沢の三ノ塔に行ってきました。

仕事の関係で、例年、1月の第一周はお休みになりますので、三が日を過ぎ空いた頃を見計らって通常なら混雑する山域に出かける、という行動がこのところ連続しております。

一昨年は、今年と同じく三ノ塔。昨年は大倉尾根から塔ノ岳に登りましたが予想以上に混雑していたので三ノ塔に戻した、というわけです。
登る目的の一つは、年末年始でだらけ切った体に活を入れること、です。

4日の朝、NHKの朝ドラを観てからゆっくり家を出ました。
反対方向ということもあって、電車はガラガラ。
小田急線は意外に乗客がいましたが座れないということはなく、こんな形で出かけられる幸せをかみしめます。
渋沢から大倉行きのバスも、乗客は私を含めて三人。しかも、ほかのお二方は途中で下車したので、終点まで乗車したのは私だけでした。

風の吊り橋から、目指す三ノ塔を眺めます。良いお天気です。
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牛首までの登山道の途中で富士山の姿を眺めました。
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ゆっくりと、しかし休まずに三ノ塔尾根を登ります。
葛葉川の源頭当たりにくると疎林帯となり、頂上も近く感ぜられますが、ここからが意外にかかるのです。
大倉を出てから2時間で三ノ塔山頂着。
標高差1000mを少し超えていますから、この標高差を2時間で登れるかどうかが、私にとって一つの体力的バロメーターです。何とかクリアできました。

山頂からの富士山は、残念ながら頂上に雲がかかっています。
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山頂も表尾根にも雪は全く見当たりません。
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相模湾が輝いています。
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新しい手洗いができていて、今年の春辺りから使えるようになるそうです。
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かなりのオーバーユースとなっている丹沢山塊ですから、こうした施設の整備はやむを得ないところですね。

これは大山。
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富士山の右側には南アルプスの峰々が見えていました。
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荒川・赤石・聖といったところでしょうか。

予報では風が強いとのことでしたが、さほどではなく穏やかなお天気の中、二ノ塔に向かいます。
二ノ塔からの三ノ塔です。
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二ノ塔からヤビツ峠に向かって降りていくと、山頂が大きく削られた山が見えます。
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岳ノ台あたりでしょうか。
何だか目を背けたくなるほどの惨状です。
どういう目的でこうした工事をしているのか。

富士見橋からヤビツ峠までの林道歩きが、恐らくこのコースのうちで一番うんざりさせられる箇所でしょう。
2km弱の距離ですが、日陰で車の往来もかなりあり、歩いていてモチベーションがかなり下がってしまいます。

ようやくついたヤビツ峠は意外なほど車が止まっており、三が日が明けても出かけてくる人はいるのですね。

ヤビツ峠で少し遅い昼食をとって、一気に蓑毛まで下り、バスで秦野に向かいます。
17時には帰宅し、今年の山の登り初めを無事に終了しました。

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マナスル山荘のビーフシチュー [山登り]

寒暖の差が激しくなってきました。
特に冷え込みの方はかなり厳しくなり、陽の短さとも相俟って殊更体に応えますね。

そんななかですが、先日、南アルプス前衛の入笠山に出かけてきました。
私の現在の職場で今年の春先まで勤務しておられた先輩から、入笠山のマナスル山荘のビーフシチューを食べてみたい、できれば初冬の雪景色も見たい、とのオファーがあり、入笠山は私の地元に山ですから、それではご案内しましょう、という話になったのです。

単なる職場のつながりだけで山にご一緒するということは、私としてはこれまで避けていたところですが、転職後の不安な時期に、なにくれとなく話しかけてくださり、仕事の上でもいろいろとご助言を頂いた方でしたので、今回は気持ちよくお受けすることにしました。

私の仕事上の都合から、金曜日の晩に沢入登山口で幕営ということになり、せっかくなので道の駅「蔦木宿」にある「つたの湯」でひと汗流していきました。
「つたの湯」は22時までの営業で、21時30分まで受け付けてくれます。

富士見ではこれまでも時折降雪があり、道路の状況がちょっと不安です。
スタッドレスタイヤを履いていれば精神的に少し楽なのですが、私の車はラジアルタイヤのまま。
どうかなあと思いつつも走っていくと、やはり路面には雪が残り、ところどころクラストしています。
4WDにして慎重に登っていくと、沢入駐車場は一面の雪原でした。
しかし積雪量はさほどでもなかったので、早々にテントを張り、食事をして就寝。
今回は多少なりとも寒さを防ぐたしになればと毛布を持参し、それぞれシュラフの上にかけて寝ましたが、やはり足先などは冷えますね。

夜中にはかなり風も強くなり、雪も降ってきて、起きた時にも雪曇りの状況でした。
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因みに、沢入駐車場の手洗いは冬季閉鎖です。
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テントを片付け身支度をしていると、車が続々と登ってきます。
この時期の入笠山には、パノラマスキー場からゴンドラ経由が一般的だと思っていたので、ちょっとびっくり。

沢入から入笠湿原までの登山道はよく踏まれていて、歩きやすい道です。
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雪はそれなりにありますが、歩きにくいほどではありません。
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鹿除けの柵を越えると入笠湿原です。
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結構な数の登山者がいます。

入笠山山頂へのコースは、途中で「岩場」と「巻道」に分かれます。
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岩場といっても大して難しいわけではありませんし、巻道もそれほど時間が長くなるわけでもないのでどちらをとっても大差はありません。

山頂は、風が強いせいか雪が飛んで地肌が出ています。
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ここからの八ヶ岳の眺めは特に絶品。
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横岳・赤岳・阿弥陀岳・権現岳などの主稜です。
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南アルプス北部方面は雲が厚く、甲斐駒や鋸岳が見える程度。
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富士山は残念ながら雲の中です。

これは諏訪湖方面です。
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さて、山頂の景色を楽しんだ後は、本山行の主目的であるマナスル山荘のビーフシチューを頂きましょう。

マナスル山荘です。
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たくさんの登山者が訪れていました。

これが噂のビーフシチュー!
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ボリュームたっぷりで、かつお味も最高でした。
しかもこれで1000円(単品)!
ご飯は200円ですが、野沢菜漬はサービスです。
これだけの味とボリュームのビーフシチュー、下界でも1000円などではとても食べられません。
なんというコストパフォーマンスの高さでしょうか!
なるほど、これならこれを目的に登るという人がたくさんいても納得ですね。
因みに、ビーフシチューは限定15食ですが、予約ができます。
マナスル山荘に到着した折に予約をして、それから入笠山に登ると安心でしょう。

この時期の入笠山は積雪量もそれほどではなく、天候もまあまあ安定しているので、雪山初心者でも安心して登れます。
実際、子供連れや犬連れの登山者もたくさん見かけました。
アプローチも、パノラマスキー場からなら全く問題ありません(ただし、かなり混雑する可能性はありますが)。
沢入登山口の方は比較的すいていますが、問題はここまでの車道です。
当然積雪がありますから、できればスタッドレスタイヤの方が安心でしょう。
とにかく、急ブレーキや急ハンドルは厳禁。
それからカーブの上り坂でのアクセル操作も気を付けるべきです。
4WDでも、雪面の状況によってはテールが流れてコントロール不能になる可能性があります。
落ち着いてカウンターを当てれば大丈夫ですが、雪道に慣れていないとパニックになるかもしれず、それが一番危ないと思います。

いずれにしても、4WDやスタッドレスタイヤを過信するのが最も危険でしょう。
慎重に勝る対策はないというのが、私の結論です。

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開脚に潜むケガのリスク [山登り]

寒暖の差が激しくなってきています。
街路の銀杏はすっかり黄色くなり、歩道は落ち葉で敷き詰められ、なんともいえない冬の前触れを感じさせますね。
冷え込みがきつくなると、年のせいもあってか関節の動きが悪くなり痛みと軋みに悩まされます。
柔軟体操やストレッチが必要なゆえんですね。

ところで、ちょっと意外な記事がありましたのでご紹介します。

ブームに警鐘! 開脚に潜むケガのリスクに専門家は「不要」


「開脚」は、私などは「股割り」の方がしっくりくるのですが、要するにこんな感じで両足を180度開き、そのまま地面に胸や腹をつける柔軟運動の一つです。
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記事にもありますように、体操・バレエ・格闘技などのエキスパートはこれを苦も無くこなし、また、それによって怪我の発生を予防したりできるというのが、私などの認識ですが、ブームになっているとは寡聞にして知りませんでした。

しかし、正に過ぎたるは猶及ばざるが如し。
 実は股関節の可動域については、日本整形外科学会と日本リハビリテーション医学会が、診察や治療後の評価などで用いる股関節の可動域の参考範囲を、“外転(外側に開く)角度は片側45度、左右計90度程度”としている。
 
「これは自分の力で無理せず開いた場合の可動域で、体重をかけたり、誰かに引っ張ったりしてもらえば、120~140度ぐらいまではいきます。ですが、バレエなどのダンスや新体操、フィギュアスケートなど、芸術性が重視される競技を行う選手でもない一般の人が、180度も足を開く必要性はありません」(坂詰さん)  
 開脚は単に不要なだけでなく、やり方によってはケガのリスクを伴うという。冒頭のヒロミさんが痛めたのは腰だったが、トラブルが目立つのは股関節のほう。多いのは、短時間で無理に関節を伸ばそうとするケースだ。関節を安定させている靱帯や、周囲にある関節包が伸びてしまい、股関節が不安定になってしまうことがあるというのだ。
 
 時間をかけて柔軟性を高める場合でも、同時に筋トレなどで筋力を付け、関節を支える必要がある。坂詰さんによると、体を動かすには“安定性(スタビリティ)”と“可動性(モビリティ)”のバランスが大切だという。可動性だけを高めれば、安定性が保ちにくくなり、ケガにつながりかねない。それを防ぐには、筋肉を付けること。柔軟と筋トレはセットで考えなければならないのだ。

怪我を予防するために柔軟性を持たせるつもりが怪我につながったのでは本末転倒です。
この記事を読んで、改めて無理は禁物だと自戒しました。

というのも、クライミングをやる人たちはある程度身に染みていると思うのですが、かぶり気味の壁に正対で登るとき、腰やお腹を壁につけるようにするとハンドホールドに必要となる腕力がかなり減殺されるのです。
スタンスも、できれば片足は自分の体の中心線に置いて、その体制で腰を壁に密着させることで体重を真下の足に逃がすわけです。
このため、股関節はなるべく柔軟にし、できれば股割りが可能なくらい開くと腕力に余裕が生まれるのですね。

しかし私はこれが全く苦手で、頑張ってもこのくらいです。
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従って、厳しいルートではなるべく正対を避け、カウンターを使うことになります。

もう一つ、クライミングをスムーズにするための股関節の柔軟性はこんな形でも示されます。
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座った状態で両足の裏を股間で合わせてくっつけ、両膝を床につけるのです。
これができると、先に書いた壁に腰やお腹をくっつける体制が取りやすくなります。

しかし、これについても私はこんな程度。
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恥ずかしい限りです。
私のクライミング能力は、インドアで5.11aが最高(現在では5.9も怪しいかも)。
それ以上は全然歯が立たないのですが、さすがに5.12以上を登っているクライマーは、楽々と開脚が可能であり、彼らが柔軟運動をしているさまを見て「すごいな」と嘆息したものでした。

そんなこともあって、及ばずながらも風呂上がりのストレッチなどで股関節の可動域を広げる悪あがきもしてまいりましたが、この記事にもありますように、これからはむしろ大腿部や臀部のストレッチを中心にするように方向転換を試みようと思います。

長きにわたって山歩きやスポーツを楽しむためにも、無理なく体をケアしていくことがますます必要になるのかもしれませんね。

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「遭難女性が救助の警官にブチ切れ」 [山登り]

JCASTニュースに掲載され、Yahooニュースに転載されたことから、注目を集めた記事。

遭難女性が救助の警官にブチ切れ ブログで「何様なの?」「酷い対応」

JCASTニュースのURLは以下の通り。

遭難女性が救助の警官にブチ切れ ブログで「何様なの?」「酷い対応」

「遭難女性」のそもそものブログ記事はこちら。

御在所岳でまさかの遭難! 大変ご迷惑をおかけしましたm(__)m。しかし警察って何様?感謝していますが言わせてもらいたいことが!

人はその置かれた立場によって意識も感じ方も良識も異なりますから、この件については記事の紹介にとどめ、このことに対しての私個人のコメントは差し控えます。

以下は山登りに対する私の個人的な考え方ですから、どうぞその点についてはお汲み取りのほどをお願い申し上げます。

山登りは基本的に場数や経験がものをいうスポーツだと思います。
スポーツであるのにもかかわらずこれといった明確なルールがなく、ベテランもビギナーも同じフィールドで行動するという特徴もあります。
その場数や経験も、単にこれまで重ねてきた年月に比例するといったものではなく、極端なことを云えば、無雪期の一般ルートの縦走を何十年重ねてきても、山登りという全体的なレベルからすれば「初級者」の域を出ません。
高尾山や丹沢あたりから始めて、奥秩父・八ヶ岳・日本アルプスと無雪期の縦走登山をを重ねていき、沢登りから岩登りなどのバリエーションにおける技術をある程度習得し積雪期登山に踏み出していく、という地道な経験を積むことが、まずは山登りのあり方だと、私などは教えられてきましたし、場数や経験という意味では正にこの通りと思います。
地形図の読み方や天気図の書き方、観天望気、ザイルワーク、確保技術、アイゼンワーク、天幕などを含めた生活技術や食料の取り方、などなど、山登りに関して必要となるもろもろの技術はこうした息の長い経験によって身に付くものでもあるのでしょう。
先輩などから実地で教え込まれるものから、自宅の炬燵にあたってブーリン結びや8の字結びやマッシャー結びやプルージックやインクノットなどを何度も繰り返し自習する、などということまで、目標達成に向けてそれなりの地道な努力を重ねてきた山屋もかなりの数にのぼると思います。
食糧計画を立てたり国土地理院の25000分の1地形図に色を塗ったり書き込みをしたりとか、山へ出かける前の準備も、それなりに楽しいものでした。

一時、山の経験のほとんどない中高年の方の登山に関して、その危うさや軽率な行動などが批判の対象になっていました。
近年、山ガールとか山ボーイなどという呼び名とともに若者たちの山登りが盛んになってきています。
若い人たちが山に登るというのは、20年位前までは誠にお寒い限りでしたから結構なことだと思います。
しかし、時折山で出会う彼らの行動を見ていると、批判の対象となっていた中高年登山者以上に危ういものを感じます。
そこには、山の経験はもとより人生経験の浅さまで露呈されているからなのかもしれません。

今回のこの「騒動」の元となった方は、地図やコンパスを持参することもなくしかもコースを事前に検討しもしなかった。
地図を持参しなかった理由は「そもそも地図が読めないから」なのだそうです。

地図も読めずコンパスの使い方も知らない人、つまりは山の中にいて自分の現在いる地点すらも把握できない状況で山歩きをする。
ちょっと絶句してしまいました。

そういえば、同じJCASTニュースに次のような記事がありました。

救助隊員滑落死でも「楽しかったよ」 無謀登山遭難者のフェイスブック書き込みに非難轟々

恐ろしい世の中だと思います。

好むと好まざるとにかかわらず、私はこれからも基本的にはあまり登山客の押し寄せない山域を中心に山をうろつきたいとの想いを新たにしました。

山登りには、昔から言い習わされている俚諺があります。

「山の弁当と怪我は自分持ち」
タグ:遭難 山登り
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歩くのが早い人は高収入? [山登り]

梅雨が明けました。
とはいっても、首都圏では空梅雨で、その実感は今一つです。
どうやら今年も水不足の心配をせざるを得ないようですね。

夏の帰省計画が具体化し、昨年同様、私の実家(八ヶ岳山麓)から連れ合いの実家(会津)までロングドライブをすることになりそうです。
車は大変便利ではありますが、私はそれほど車の運転が好きな方ではないので、やはり長期間のドライブは応えます。
出来れば何とか渋滞だけは避けたいものですね。

さて、昨年、あと一歩というところで敗退してしまった沼尾沼
今年こそ達成せんものと意気込んでおりました。
先日購入したハンディGPSもあることですし、昨年の遡行で三沢の状況もある程度把握できているので、恐らく大丈夫でしょう。

会津についてからの予定の中に、その沼尾沼行きを入れていたところ、それを知った連れ合いが会津の実家に告げ口。
義妹からものすごい勢いて反対されてしまいました。
いわく、
  1. 昨年の山は木の実が豊作で小熊がたくさん生まれ、熊の絶対数が増加
  2. 小熊を守るために母熊が狂暴になっている
  3. 里山でもいたるところで熊の出没が確認されており、駆除が追い付かない
  4. 人間を恐れなくなっている

などなど、です。
この話を聞いて連れ合いも、「沼尾沼に行くというのなら会津には帰らない!」などと言い出す始末。
三沢遡行は限りなく困難になりつつあります。参りましたね(せっかくGPSを買ったのに)。

そんなわけで現在ちょっと悶々としつつありますが、説得できなければとりあえず別の山にでも行ってこようかなと考えている次第です。

ところで、何となく首をかしげる記事があったので紹介します。

歩くのが早い人はやはり高収入?
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 調査に参加した男女1万362人のうち、年収に関するアンケートに回答した1229人(年齢19~77歳)について、データを分析した。その結果、年収が高い人ほど平均歩行速度が速くなる傾向が見られた。
 年収100~200万円未満の人は平均歩行速度が時速2.52キロメートルだったが、平均年収とされる400~500万円未満の人は同2.69キロメートル、600~700万円未満の人は同2.95キロメートルとなり、収入が高くなるにつれて、歩くスピードも速くなっている。
 1000万円を超える高年収の人は、歩くスピードがさらに速く、同3.13キロメートル。高年収の人は平均年収の人のおよそ1.2倍速で歩いていることになる。
 有酸素運動となるウォーキングは「時速3キロ以上」とされており、年収の高い人は歩いている時でも「軽い運動」をしていると言えそうだ。

私などの感覚では、平地における時速2キロメートルから3キロメートルなどという歩行スピードは余りに遅すぎます。
急登で知られる丹沢塔ノ岳大倉尾根の登りでも時速2~3キロメートルは出そうな気がしますし、平地ではだいたい時速6キロメートルくらいは出るのではないでしょうか。
「有酸素運動となるウォーキングは『時速3キロ以上』」と書かれてありますが、ウォーキングでは7~8キロメートルは出ていると思います。
時速3キロメートルでは「軽い運動」にすらならないように感ずるのですが如何。
朝の通勤時でも、皆さん、結構なスピードで歩いていますし。

それともこの調査における「平均歩行速度」とは、信号待ちだとか電車待ちだとか止まっている時間も含んでいるということなのでしょうか?

いずれにしても私は全く高年収ではありませんから、もしかすると時速3キロメートルをかなり上回って歩いているような余裕のない私などは逆方向のバイアスがかかっているということかもしれませんね。
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ハンディGPS「eTrex Touch 35J」を買いました。 [山登り]

暑い日が続きます。
九州では記録的な豪雨が襲い、山崩れや川の氾濫などの激甚的な被害が発生し、多くの方が亡くなられました。
テレビ画面に流れる朝倉市や日田市の惨状は、本当に目を覆うばかりです。
日田市は林業の盛んなところでもあり、山林の手入れもきちんとなされていたとのことですが、山全体の保水能力と広大な針葉樹の植林との関係性などはどうなのでしょう。
山の斜面が一体となって崩落している状況を見ると、植林地帯が必ずしも防災の役割は果たせないことを改めて感じた次第です。

それにしても、自然の猛威には空恐ろしいものを感じます。
「無慈悲」という言葉が一瞬頭をかすめました。
幸田露伴の「五重塔」には、荒れ狂う暴風雨の描写がありますが、正しくその「飛天夜叉王」の仕業ではないかと思われるくらいです。
無慈悲の斧の刃味の好さを彼等が胸に試みよ、惨酷の矛、瞋恚の剣の刃糞と彼等をなしくれよ、彼等が喉に氷を与へて苦寒に怖れ顫かしめよ、彼等が胆に針を与へて秘密の痛みに堪ざらしめよ、彼等が眼前に彼等が生したる多数の奢侈の子孫を殺して、玩物の念を嗟歎の灰の河に埋めよ

嬲らるゝだけ彼等を嬲れ、急に屠るな嬲り殺せ、活しながらに一枚一枚皮を剥ぎ取れ、肉を剥ぎとれ、彼等が心臓を鞠として蹴よ、枳棘をもて脊を鞭てよ、歎息の呼吸涙の水、動悸の血の音悲鳴の声、其等をすべて人間より取れ、残忍の外快楽なし、酷烈ならずば汝等疾く死ね、暴れよ進めよ、無法に住して放逸無慚無理無体に暴れ立て暴れ立て進め進め、神とも戦へ仏をも擲け、道理を壊つて壊りすてなば天下は我等がものなるぞと、

これだけの激甚災害となると、復旧にはかなりの期間がかかりましょう。
付近の山地には、豪雨による水がまだかなりの量残っているとのこと。
一日も早く治まってほしいと心より願う次第です。

前から欲しい欲しいと思っていたハンディGPS。
清水の舞台から飛び降りる覚悟で遂に購入してしまいました。


国土地理院の「日本詳細地形図2500/25000」がプリインストールされており、GPSのみならず電子コンパスや気圧計も搭載されているので、現在地確認の精度はかなり高そうな予感がします。

先週末の土曜日、試してみたくなって丹沢に出かけました。

場所はいつものお手軽トレーニングコースである大山南尾根。

秦野からヤビツ峠に向かうバスが満員ですが、蓑毛行きは毎度のことながらガラガラ。
有難いことですね。

それにしても暑さはかなりのもので、蓑毛越で着ていたTシャツを絞ったら大量の汗が滴り落ち地面を濡らす始末。
今のシャツは新素材なので、そんな状況でも着心地はよく助かります。

eTrexで現在地を確認すると、完全に一致しています。
予想以上の精度にびっくり。

浅間山を越えて尾根を辿っていくと、杉の植林伐採がかなり進んでいます。
minami-03.jpg
この尾根は、低山の割にはかなり鬱蒼とした雰囲気がありましたが、眺望もひらけて何だか不思議な感じがします。

大山古道に出て、例の不動明王を拝んでから高取山に登ります。
この尾根では、蓑毛から蓑毛越までと、この高取山の登りが、それなりに「登り」という感じですね。

高取山山頂でのeTrexの表示です。
minami-02.jpg

下山は聖峰を回りました。

木々の切れ目から望む秦野方面は、もう完全に夏の様相でした。
minami-01.jpg

このコース、山の中では迷うところなどほとんどありませんが、街中に出ると駅までの道のりが結構わかりにくくなります。
ハンディGPSはこういうところでも大活躍です。
「みちびき」にも対応するとのことですから、今後に期待すること大。
バッテリーは単三乾電池二本で、4時間くらいの連続使用であれば何ら問題はありません。
次の機会にバッテリーの限界くらいまで使ってみようかなと思っています。

昨年、中途で敗退した沼尾沼
これを使って、次回は何とか行きつきたいものですね。

それから歩いた軌跡データ(トラック)のPCとの連携についても勉強しなくてはなりません。
とりあえずカシミールとの連携を試してみるつもりです。

ところで、この大山南尾根。
丹沢方面では比較的すいている山域で、結構好みなのですが、トレランの人たちがたくさんいました。
確かに、迷うところもなく道も整備されているので恰好のコースなのでしょう。

また、高取山では、高齢者の方々がたくさん集まってこられました。
聴けば連日コースを変えてこの山に登る方もおられる由。

ボッカ訓練に使っていた30年位前とはずいぶん様相が変わりました。
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三輪古墳群とザクロの花 [山登り]

もうすぐ入梅となる可能性がかなり高くなってきていますが、日曜日はまずまずのお天気となりました。
いつもの里山にウォーキングに行く際、連れ合いにも「三輪の古墳群を見に行こう」と声をかけましたところ、少し考えた末に今回は付き合ってくれることに。
一人で行くときには、ほとんど競歩に近い速歩で歩いているのですが、連れ合いと一緒の時には、彼女のペースに合わせて私はLSDにします。
これはこれで結構いい運動になるのでした。

さて、今回は懐中電灯を持参して、古墳の中を見てみることにします。
miwa01.jpg
最初の古墳はかなり広いもので奥行きもあり、ケータイのカメラではうまく写りません。
それでも正面壁面には他と違う模様があり、もしかすると何らかの絵などが描かれていたのかもしれません。

奥の古墳はより顕著に違いがありました。
miwa02.jpg
何れも天井部分に屋根構造を浮き彫りで表現した「家形横穴墓」であり、全国的にも珍しく都内ではここにしか見られないそうです。

連れ合いも、こんな遺跡がこんなに近くにあることに感嘆しておりました。

山道からゴルフ場に出て、車道を少し歩くと、何とザクロの花が咲いていました。
zakuro03.jpg
こんなにたくさんのザクロの花を見るのは始めたなのでちょっと感動。

帰り道に例の野菜直売場に立ち寄って、トマト・ズッキーニ・大根・きゅうりなどを購入。
いつもは横目で眺めてスルーしているマクドナルドで、「割引券があるから」という連れ合いの提案により「マックシェイク」を飲み、プチ遠足気分を味わって帰宅したところです。

このところ、世の中では何だか不穏かつ薄汚い話が横行しているような気がしてなりません。

共謀罪に関する無理押し的なやり方を見ていると、そういう監視社会を作るために性急かつ拙速な行動をとる政権与党の思惑が心寒く感ぜられます。
その一方、森友問題や加計学園に関するやり取りでは、投げやりでいい加減で不誠実な対応に終始している。
まるで、日本国民は愚民の集まりなのだから我々(政権与党・官邸)の云う通りにしていればいいんだ、と云わんばかりのように思われます。

この世の中に「正義」あるのか!?
青臭い限りですが、そんなことをつい思ってしまいました。

中島敦の「弟子」の中に次の下りがあります。
大きな疑問一つがある。子供の時からの疑問なのだが、成人になっても老人になりかかってもいまだに納得できないことに変わりはない。それは誰もがいっこうに怪しもうとしない事柄だ。邪が栄えて正がしいたげられるという・ありきたりの事実についてである。
この事実にぶつかるごとに、子路は心からの悲憤を発しないではいられない。なぜだ?何故にそうなのだ?悪は一時栄えても結局はその酬いを受けると人は云う。なるほどそういう例もあるかもしれぬ。しかし、それも人間というものが結局は破滅に終わるという一般的な場合の一例なのではないか。善人が究極の勝利を得たなどという例(ためし)は、遠い昔は知らず、今の世ではほとんど聞いたことさえない。何故だ?何故だ?大きな子供・子路にとって、こればかりはいくら憤慨しても足りないのだ。彼は地団太を踏む思いで、天とは何だと考える。天は何を見ているのだ。そのような運命を作り上げるのが天なら、自分は天に反抗しないではいられない。天は人間と獣との間に区別を設けないと同じく、善と悪との間にも差別を立てないのか。正とか邪とかは畢竟人間の間だけの仮の取決に過ぎないのか?

嫌な云い方ですが、正とか邪とかに関しては、その地域・環境・人それぞれによって判断基準が異なります。
人を騙してても己の利益を確保すること。これはそれを正しいことだと信じてやっている人間にとっては正しく「正」なのでしょう。
騙されるやつが悪いのだ、という一見理不尽な嘯きも、彼らにとっては理(ことわり)以外の何物でもない。
そもそも、天だとか神にとって、人間どもが考えている正邪の決め事などなんら意味もないものなのでしょう。
そうだとすれば、それはあくまでも当の関係者同士の中で決着をつけるべきものなのかもしれません。

加計学園をめぐるやり取りの中で、いくつかのソースが存在していますが、私は特に次の記事に興味を持ちました。

文科省から“援護射撃” 前川氏vs安倍官邸は全面戦争突入
<加計学園>「獣医特区」は妥当? 農水省、需要減指摘

前川氏のこれまでの発言に関し、官邸側は根拠のない否定を繰り返した上、人格攻撃によって貶めようという、人を舐めきった対応に終始しています。
「そういう事実はない」と強弁するのであれば、それを裏付けるfactが必要ではないかと思うのですが如何?

一方、こういう記事もあります。

前川元次官をヒーロー扱いする人を論破する --- 八幡 和郎

この人は、これで「論破」したと思っているのか、私のような浅学菲才の輩には到底理解不能な「論理展開」でした。

正邪がいずれにあるのか。
それは、ことが感覚の問題になるほどに判定は困難で、恐らく正解はないのでしょう。
ただ、せめてそうしたことに関する説明においては、きちんと筋道を立てて論理的に展開して欲しいものですね。
その意味で私は、前川氏の論旨の方に軍配を上げたいと思います。

私はこのブログではこうしたことについてなるべく書くことを控えたいと思ってきました。

しかし、夏に向けて輝きを増してくる青空を見ていると、なんだか地上における薄汚い暗闘がその対極のようにあぶりだされてきているように感じてどうにも我慢ができず、自分の中の禁を犯して書いてしまったところです。
妄言乱文をお詫びします。
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バラの花と三輪横穴古墳群の地図など [山登り]

まだ5月だというのに、気温が30度くらいまで上がる日が続いています。
こんな暑さの中ですが、そこかしこでバラの花を見かけ、それだけでもちょっと気持ちがなごみますね。
職場近くにある赤坂プリンスのクラシック・ハウスでも盛りで、良い香りを届けてくれています。
bara201705.jpg

先日、三輪横穴古墳群のことを書きましたが、手ごろなプチ・トレッキングコースとして楽しんでいます。
あの折には早々に住宅地へと降りてしまいましたが、もう一度登り返したらどうだろうかと、先に進んでみました。
国土地理院の形図をもとに大まかなコースを書いてみるとこんな感じです。
miwa1.jpg

距離的にはわずかなものですが、下草も生い茂っている鬱蒼とした樹林帯の中を歩くので、里山にしては歩き甲斐がありました。
ところどころで蜘蛛の巣に引っかかるのは閉口しましたが、何と云っても静かなのが魅力です。
寺家ふるさと村の付近はかなりの人出がありますが、この古墳群周辺の山道を歩く人は極めて稀で、休日の昼間であるのにもかかわらず出会った人は数人。
ゴルフコースの脇に飛び出し、漸く人の姿を見る、という感じでした。

自宅への帰り道では、いつもの野菜直売場によって、トマト・小松菜・蕪などを買いました。
どれも新鮮でおいしく、特にトマトは、スーパーなどに売っているものとは味も香りも全く違います。
こうした夏野菜は、やはり地のものが出回る季節に購入するのが一番ですね。

なお、三輪横穴古墳群を訪ねるのであれば、恐らく町田市側からアプローチするよりも、東急田園都市線の青葉台駅からバスで「寺家ふるさと村」に向かい、そこから歩いたほうがわかりやすく便利だと思います。

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三輪横穴古墳群 [山登り]

寒暖の差が激しくなっています。
職場は5月からクールビズとなっていますので、ネクタイをしなくていいのは本当に助かりますね。

若葉の茂る清々しい気候となり、山歩きにはもってこいですが、土曜日が出勤である私は、こまごまとしたことを日曜日にすることが多く、なかなか山に出かけられません。
そのため、自宅近くにある里山に出かけることが多いと以前にもここで報告しましたが、先日、前から行ってみたかった町田市の横穴古墳群に足を延ばしてみたところです。
詳しいことは以下のサイトをご覧ください。

三輪・能ヶ谷の横穴墓群

私の自宅に近いのは三輪玉田谷戸横穴墓群で、いつものウォーキングコースである寺家ふるさと村を越えて山道に入ります。

山道を歩いていくと左に標識があり、フェンスに仕切られた横穴古墳が二つありました。
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懐中電灯などを持って来れば中の様子を見ることもできたのですが、残念。
町田市のサイトによると、6世紀末から7世紀にかけてつくられたと推定されるそうで、そんな頃からこのあたりにはそれなりの規模の集落があったということなのでしょう。
このあたりだけでも100基見つかっているというのですからすごいものです。

この緑山付近。
今回初めて足を踏み入れましたが、思った以上の山深さです。
miwa03.jpg
新緑の今の時期故になおのことそう感じさせるのかもしれません。

暫く山の中を歩いていくとテニスコートが見えて、そこまで階段で下ってこの遊歩道(山道)は終わりです。
miwa04.jpg
こちらから行くのはちょっとわかりずらそうですね。

やがて広大な住宅地に出て、その外側の道を回っていくと谷本川(鶴見川)に出ました。
川崎市下麻生地区ですね。
川沿いに歩きながら、ウォーキングの際にいつも立ち寄る農家の直売所で小松菜・きゅうり・トマトなどを買い求め、帰宅しました。

どうでもいいことかもしれませんが、横浜市・町田市・川崎市を(一部分ではありますが)歩いて回ったことになり、いつもよりも30分以上のオーバーランとなりました。
前々から気になっていた古墳群でしたので、それを確かめられたのももちろんよかったのですが、いつものウォーキングコースをはるかに凌駕する山っぽい道を歩けたことに満足しています。
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