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丹沢大山南尾根 [山登り]

金木犀の香りが漂い始めました。黄金色の可憐な花がたくさん咲いて、あの甘い香りを放っています。
街路のイチョウは、たくさんの銀杏の実を落とし、これまた独特の臭いを醸し出していて、秋の深まりを感じさせますね。

今年は、敬老の日と秋分の日との絶妙な配置によって、5連休というこの季節では大変ありがたい休日を得ることができました。
次の5連休は11年後とのことですから、正に類稀な長期連休なのですね。
しかも、全国的にお天気に恵まれました。
高速道路や鉄道などは激混みだったようですが、連休の好天では、誰だって出かけたくなろうというものです。それに、お彼岸でもありますから。

そんなわけで、このシルバーウィーク中の21日、リハビリもかねて丹沢に出かけました。

9月5日の谷川岳で懲りたので、今回はできるだけ人の少ないところに行こうと思い、久しぶりに大山南尾根をターゲットに設定。
8時過ぎ、秦野駅のバス乗り場に行くと、「ヤビツ峠」方面は長蛇の列。「蓑毛」方面に並んでいる人は10人にも足りません。
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以前は、蓑毛行きの方が多く運行されていたと思うのですが、蓑毛行きを一本待つ間にヤビツ峠行きは2本も運行。
このあたりの様相もずいぶん変わってきたようです。
ヤビツ峠行きはギュウギュウ詰の満員で発車していますが、蓑毛行きはガラガラ。ゆったり山行を企図した私としてはありがたい限りです。

蓑毛から春岳沢に沿って車道を歩き、蓑毛越への分岐で足ごしらえ。今回は地下足袋で歩きます。
大山裏参道は静かな道で、整備された緩やかな道が続きます。
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途中、ところどころに道標があります。
ここが蓑毛越。
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大山南尾根を南にたどります。

携帯電話の基地局など、南尾根には様々な構造物が建造されていますから、東京CCあたりまでは道もきれいに整備されています。
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こういう写真を撮るのもちょっと複雑な想いがありましたが、秋の青空が何とも美しく、ついつい撮ってしまいました。

東京CCへの車道を横切り、高取山方面への山道に入ると、「大山古道」と書かれた看板がありました。
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しばらく行くと、不動明王の像があります。以前、この尾根を歩いた時には見かけなかったので、比較的新しいものなのでしょう。
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そこからひと登りで高取山に到着。

余り展望には恵まれない南尾根の中では、比較的良い展望を得られます。
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以前は、ここから吾妻山を経て鶴巻温泉駅に下ったり、弘法山を抜けて秦野駅に出たりしたのですが、今回はちょっと趣向を変えて聖峰に向かってみました。
のっけから急坂の下りが続きます。200mくらいの標高差を一気に縮めるので当然といえば当然なのでしょうが、これを登りに採るのはかなり大変かもしれません。
そのかわり、展望はかなり開けています。
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聖峰は広々とした大地となっており、立派な社がありました。
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ここからはこの日一番の展望が広がりました。
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さすがにお彼岸の時期だけあって、曼珠沙華がきれいに咲いています。
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そこから九十九曲がりという急坂を降りると、林道に出て栗原の集落に到着します。
ここで地下足袋を脱ぎ、運動靴に履き替えました。

車道をだらだらと下っていくと東名高速道路の下をくぐり、国道246号の神戸に突き当たります。
神戸からは伊勢原方面へのバスの便もありますが、一時間に一本程度のようですので、距離的近い鶴巻温泉駅に向かいました。
2kmくらいの歩きになりますが、246を桜坂まで行き、そこを左に曲がれば一本ですから、非常にわかりやすい道です。

肉離れの方は、もうほとんど問題はありませんが、左腕の五十肩の痛みが慢性化しており、腕を使うヴァリエーションルートにはまだちょっと対応できそうにありません。
そんなわけで、このような軟弱山行となりましたが、このコースは、どこに行っても人だらけの丹沢の中では稀有の静けさを保っています。
実際、途中で出会ったのはトレランの方を含めて10パーティもありませんでした。
朝方、ヤビツ峠行きの満員バスに乗っていた夥しい登山客のことを思えば、嘘のような静けさです。
あの登山客の人たちは、恐らく、コンピラ尾根から大山か、表尾根から塔ノ岳に向かったのでしょう。それらの尾根筋の混雑具合が目に浮かぶようです。
大山南尾根は、構造物がかなり目につく、眺望があまり効かない、単調な登り下り、下山後の車道歩き、などといった欠点も確かにありますが、人ごみにもまれてメインルートを登るよりははるかに精神的に楽なのではないでしょうか。
以前、トレーニングを兼ねて、この南尾根を辿って大山に登り北尾根を下ったことがありますが、これは実に充実した山行となりました。大山山頂付近の喧騒と、札掛からの林道歩きには閉口しましたけれども。

さて、初秋の山歩きということで、少しばかり「獲物」も探してみました。
しかし、目につくのはドクベニタケとかカキシメジやクサウラベニタケといった危ないシロモノばかりで、ドクツルタケもありました。
そんな中、わずかに二本だけでしたが、タマゴタケをGET!
豚肉と一緒に炒めて、ビールのつまみに美味しくいただきました。
このタマゴタケを、ゴミを取って新聞紙の上に広げておいたら、連れ合いがケータイで写真を撮り、友達に「ダンナがこんなあぶなそうなキノコを採ってきた」とメールに添付して送信。
友達から「くれぐれも中毒しないよう気を付けて」という返信が来、それを私に報告するという、実に人を馬鹿にした振る舞いをしやがりました。
というわけで、タマゴタケは私だけが美味しく頂戴したところです。

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tochimochi

大山南尾根とはいっても大山には行かないルートなのですね。
さすがに渋いルートをご存知です ^^
肉離れも問題なく快調に歩かれたようで何よりです。
地下足袋もいいですね。
それにしても蓑毛行きのバスがガラガラとは大山を登られる方は少なくなっているのでしょうか。
タマゴタケをゲットされたとのこと、私はいくら探しても見つからないのに羨ましい限りです。
by tochimochi (2015-09-27 14:34) 

のら人

南尾根、お疲れ様でした。
マンジュシャゲも綺麗ですね。
自分も昨日、標高2400近辺で地下足袋を履いていました。^^;
おつまみのタマゴタケをゲットしましたか! ^^
今年はきのこ全般豊作みたいですね。
キノコを知らない人にとっては、タマゴタケこそ!?がまさに毒に見えるんでしょう。(笑)
by のら人 (2015-09-27 16:58) 

夏炉冬扇

不動明王様、いかめしい。
by 夏炉冬扇 (2015-09-27 22:01) 

伊閣蝶

tochimochiさん、こんばんは。
ヤビツ峠行きのバスは超満員でしたから、恐らく大山も大混雑だったことでしょう。
蓑毛から裏参道を使って大山に登ったり、ヤビツ峠に向かう人がほとんどいないので、蓑毛行きはガラガラなのでした。
肉離れのこと、ご心配頂きありがとうございます。もう大丈夫と思います。
長靴も良いのですが、地下足袋は、あの軽さが最高ですね。
ところでタマゴタケのこと。見つけることが出来てちょっとご機嫌でした。
少し山道を外して探したのが正解だったようです。
by 伊閣蝶 (2015-09-27 23:25) 

伊閣蝶

のら人さん、こんばんは。
なるほど、昨日は2400m近辺にお出かけでしたか。あの辺りかな(*^o^*)
記事のアップ、楽しみにしております。

ところでタマゴタケ、確かに、知らない人にとっては毒キノコにみえるのでしょう。
実は、大人しい色のキノコの方が毒であることが多いのですが。
by 伊閣蝶 (2015-09-27 23:28) 

伊閣蝶

夏炉冬扇さん、こんばんは。
この不動明王、なかなかの存在感でした。

by 伊閣蝶 (2015-09-27 23:29) 

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