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入院しておりました。 [日記]

10日間、顔を拝むことのできなかった太陽が、今日は誠に力強く初夏の光を放ってくれました。
いくら梅雨とは云い条、長い間厚い雲に覆われていたのでは、やはり気持ちも沈もうというものです。
それ故にこの晴天はありがたい限りでした。

体調を崩し、昨日まで入院をしていました。
病名は大腸の「憩室炎」。
腸の中に窪みができ、そこに老廃物などが溜まって炎症を起こす、というものです。
何となく、虫垂炎に似ているような気がします。

数日前からお腹が張るような感じがあり、どちらかというと便通の良い私でしたが念のため効き目が穏やかな下剤を飲んでみました。
便秘というようなことにはなっていませんでしたが、お腹の張る感覚はどんどん進行していきます。
たまたま友人と飲む約束があり、お酒でも飲めば、少しはお腹の動きも活発化するかな、などと気軽な気持ちで飲酒。
友人と別れて帰宅する折、お腹の張りは痛みに変わってきました。
雨の降る寒い夜で、電車を降りたあたりから悪寒が走るようになり、ガタガタ震えながら帰宅。
お腹の張りと痛みは解消されていませんでしたので、やむを得ずコーラックを飲むことにしました。この段階でも、何となく便通の滞りが原因だと思っていたのです。
余りに寒くて、早々に寝床に潜り込んで寝たのですが、夜中の1時過ぎ、腹痛が激しくなり、熱を測ってみると39度まで上がっていました。
これは尋常ではないと家内がいい、近所の総合病院の夜間緊急受付に連絡。対応してくれるということで、タクシーを呼んで出かけました。
当直の医師が、たまたま消化器外科の先生で、大腸炎の疑いがあるので、今日は応急措置として鎮痛剤と抗生剤の点滴投与を行うが、明日、改めて消化器外科にかかるようにとのこと。
2時過ぎから6時まで点滴を施され、帰宅。
まんじりともしない朝を迎えて、翌日、痛むお腹を押さえながら改めて診察を受けました。
血液検査や尿検査のほか、腹部のレントゲンとCTスキャンを受け、どうやら大腸の憩室炎である可能性が高いとの診断結果です。
解熱剤・鎮痛剤のほかラックBを処方してもらい、翌日の朝一番で抗生剤の点滴を受ける予約をして、この日も帰宅。
昼過ぎくらいまでは38度を超える熱があったのですが、点滴や解熱剤の効果もあってか、夕方には平熱まで下がり、体も楽になりました。
夕飯にお粥などを食べて、入浴をし、明日は朝一番で点滴をして出勤するか、などと気楽に考えて就寝。

ところが、夜中の2時くらいから、またまた腹痛が激しくなり、熱も38度にぶり返します。
辛い夜を過ぎて、翌朝、痛むお腹と高熱に耐えながらとぼとぼと病院へ。家内からは、点滴を受けるときに今の症状をきちんと病院に伝えて診察を受けるようにときつく進言されました。
家内の進言を俟つまでもなく、点滴を終えた後に診察を受けるように言われ、その折、症状を伝えると、白血球の値も異常に高く炎症が激しいので入院して治療した方がいいとのこと。
とにかく絶食で腸を休ませ、抗生剤を投与して病原菌を叩く。そのためには入院治療が一番効果的なのだそうです。

ああ、入院か、と、やはりショックはありましたが、この状況ではやむを得ません。その日の午後に入院をするということで手続きをし、いったん帰宅して用意をすることにしました。
なお、帰宅に当たっては、入院手続き後ということもあってか、「外出許可」を担当医師からもらう必要があります。まだ、病室も聞かされていないのに、ちょっと変な感じがしました。

それから三日間、水分以外の食物を禁じられ、整腸剤や栄養補給と抗生剤投与のための点滴をひたすら繰り返します。
24時間の点滴はさすがに厳しいものでした。
なにしろ私は、そもそも点滴などこれまで二回しか受けたことがありません。注射も苦手ですし。

入院に関しても33年ぶりの経験で、しかも33年前の入院は滑落による全身打撲。内科での入院は初の体験です。
前回の東京オリンピックの折(1964年)、集団赤痢に罹患して山奥の隔離施設に隔離された経験がありますので、あれが内科的な入院といえばいえるのかもしれませんが。

三日間の絶食後、お腹の痛みもかなり和らいできたこともあって、四日目にようやく経口食。重湯にありつくことができました。
重湯というものは全くの初体験でしたが、やはり口が飢えていたのでしょう、何とも滋味深く感ぜられ感動。
朝・昼と重湯で、夕飯になって三分粥となり、しばらくぶりにお米の姿を拝みました。
この日の晩に至って、ようやく24時間点滴からも解放されました。

翌日には五分粥となり、おかずも次第にしっかりしたものになってきます。
食べられる喜びをしみじみ感じながら、健康でいることのありがたさを実感しました。

この日、担当医から、明日の午前中には退院できると聞かされ、ほっと一安心。
しばらくは、常識的に消化の悪いものや極端な刺激物を避けるようにとのこと。お酒は?と聞くと、少しならOKとのことでした。

翌日の朝、最後の抗生剤点滴を終え、退院。
小雨のぱらつくあいにくのお天気ではありましたが、ようやく「娑婆」に帰れたような、不思議な感動がありました。

何とはなしに自分とはかかわり合いのないものだと思っていた入院。
実際にその当事者となってみると、いろいろな発見がありました。
それについては項を改めて書き記してみたいと思います。


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コメント 16

ムース

お見舞い申し上げます。

憩室炎は結構多い病気です。悪性の病気ではありませんので、その意味ではよかったですね
by ムース (2015-07-11 10:56) 

伊閣蝶

ムースさん、こんにちは。
お見舞いのコメント、誠にありがとうございます。
腹痛で高熱を出したことなど全くなかったので、最初はさすがに不安でしたが、仰る通り悪性のものではなく、その意味では少し安堵しました。
by 伊閣蝶 (2015-07-11 15:33) 

のら人

こんちは。
大変でしたね。ご無理をなさらずどうぞお大事にしてください。
良性の炎症等はとかく心労からくるものもあると聞きます。
くれぐれもお大事に。
by のら人 (2015-07-12 15:01) 

夏炉冬扇

大変でしたね。
しばらくはご無理なさいませんように。
クマバチとクマンバチの違いありがとうごぞいました。

by 夏炉冬扇 (2015-07-12 19:02) 

tochimochi

そうだったのですか。
人一倍健康と思っていた伊閣蝶さんでもそんな病気にかかるとは・・・。
きっと奥様のこととか心労が重なっていたのでしょうね。
まずは退院とのこと、おめでとうございます。
私も他人事ではありませんが、ご自愛ください。

by tochimochi (2015-07-12 22:30) 

裏・市長

「憩室炎」。はじめて聞きました。
そんな数日間も痛みが治まらんとは、
現代の医学もまだまだですな・・・。

しかし、こうしてブログ更新できるまでに
回復されてなによりです。

入院してる場合ではないのでしょうが、
非常事態だから仕方ありません。
ただでさえ食欲の落ちる暑さが続いておりますので、
ご自愛のうえ、次回の更新をお待ちしております。
by 裏・市長 (2015-07-13 08:18) 

ぼんぼちぼちぼち

そうだったのでやすね。お辛かったでやすね。
ともあれ、大事に至らずよかったでやすね(◎o◎)
by ぼんぼちぼちぼち (2015-07-13 20:11) 

伊閣蝶

のら人さん、こんばんは。
温かなお見舞いのコメント、誠にありがとうございました。
仰る通り、主治医からは「ストレスが原因でしょう」といわれました。
大きな環境の変化があったので、さすがに疲れが出たということかもしれません。
気をつけたいと思います。
by 伊閣蝶 (2015-07-13 20:13) 

伊閣蝶

夏炉冬扇さん、こんばんは。
温かなお見舞いのコメント、誠にありがとうございました。
年も年ですから、気をつけたいと思います。
by 伊閣蝶 (2015-07-13 20:14) 

伊閣蝶

tochimochiさん、こんばんは。
温かなお見舞いのコメント、誠にありがとうございました。
仰る通り、家内のこともだいぶ心労となっていたのかもしれません。
家内の抗がん剤治療が一段落し、それで気が緩んだということもあるのでしょう。
どうも体力については自信過剰の部分もあったものと思われます。
反省反省、ですね。
by 伊閣蝶 (2015-07-13 20:16) 

伊閣蝶

裏市長さん、こんばんは。
温かなお見舞いのコメント、誠にありがとうございました。
全く、自分がこんな目に遭うとは思ってもみませんでした。
原因を聞かされて、何だかものを食べるのも慎重になってしまっています。
羹に懲りてなますを吹く、という感じですね。
いずれにしても、これから酷暑を迎えますので、十分に気をつけたいと思います。

by 伊閣蝶 (2015-07-13 20:19) 

伊閣蝶

ぼんぼちぼちぼちさん、こんばんは。
温かなお見舞いのコメント、誠にありがとうございました。
悪性ではありませんが、放っておくと腸に穴が空いて膿が漏れだし腹膜炎になる可能性もあったようです。
大事に至らず、ホッとした次第です。
by 伊閣蝶 (2015-07-13 20:21) 

謎のじじい

自分も小学生の頃、虫垂炎の手術を受け、絶食後の重湯に感動したことを思い出しました。何はともあれ、無事、退院なされたとのことで何よりです。
(追伸)8月4日、5日に東京出張の予定です。また連絡させて頂きます。
by 謎のじじい (2015-07-14 08:02) 

伊閣蝶

謎のじじいさん、こんばんは。
温かなお見舞いのコメント、誠にありがとうございました。
絶食後の重湯、仰る通り、感動ものでした。
8月にご出張とのこと。
楽しみにご連絡をお待ち致しております。
by 伊閣蝶 (2015-07-14 22:56) 

九子

大変でしたね!お見舞い申し上げます。
うちの息子が小1の時に「メッケル憩室」をやって、手術をしました。
伊閣蝶さんの場合は手術はされなかったのですね。
彼の場合は、生まれつき大腸に胃の細胞が紛れ込んでしまっていて、成長とともに胃酸を出し始めて大腸を融かして出血がひどかったということなので、その細胞を含む部分を取り除かないといけなかったのだと思います。その代わり、再発は絶対に無いと言われました。

いつも精力的に動いていらっしゃる伊閣蝶さんのことですから、入院は退屈で大変でしたでしょう。

退院、おめでとうございました。( ^-^)
by 九子 (2015-07-31 22:40) 

伊閣蝶

九子さん、こんにちは。
replyが大変遅くなって、誠に申し訳ありませんでした。
温かなお見舞いのコメント、ありがとうございます。
そうでしたか、ご子息は憩室炎で手術をなさったのですね。
大腸に胃の組織が紛れ込むとは驚きです。
これは大変なことでしたでしょう。小学一年生で手術は相当に辛いものがございましたでしょうが、再発は絶対ないということで、この点は何よりでした。
私の場合は後天性のもので、やはりストレスに起因するようです。
幸い外科的な措置は必要なかったので、これからは無理をしないように大切にしていきたいと思っております。
by 伊閣蝶 (2015-08-16 12:23) 

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