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日比谷公園の春の花 [日記]

三寒四温という言葉にうなずかされるような春の気配が強くなってきています。
朝の内はまだかなり冷え込みが残っていますが、春の陽射しが溢れる日中は思わず微笑みが浮かぶほどの暖かさを感じます。

昼休みに出かける日比谷公園でも、春の花がいっぱいでした。

これは彼岸桜でしょうか。
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これは寒緋桜で、春の青空に緋色の花がまぶしく光っています。
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そして沈丁花。
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私の大好きな、あの涼やかな香りを運んでくれています。

白い沈丁花の花も、だいぶ咲いてきました。
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もちろん、梅の花や水仙の花もまだ残っていて、花とともにそれぞれの香りを楽しませてくれます。

そういえば、陽もだいぶ長くなってきましたね。考えてみれば春分の日ももうすぐなのでした。

日曜日、午前中は曇りの肌寒いお天気でしたが、昼からは陽も出てきましたので、家内と一緒に買い物に出かけました。
抗がん剤治療の影響で、手足の痛みや痺れは相当耐え難いもののようですが、むしろ家内の方から出かけたいと言い出してくれるのです。
体の細胞組織を攻撃する治療なわけですから、なるべく体を動かして新陳代謝をよくするべきで、そのことを家内も承知しているのでしょう。我妻ながらよく頑張っていると思います。
出窓のカーテンなどを購入し、今年の三月末で就職から丸四十年を数える私のために新しい背広を見立ててくれました。
「四十年間頑張った自分へのご褒美なんだから」といってくれましたが、「自分へのご褒美」という言葉に、何となく自分に対する自己満足と甘えを感じてしまい抵抗感を私は覚えてしまうのです。「ご褒美」をあげられるほど頑張ってなどいない、という想いが強いからなのかもしれません。
しかし、やはり家内の気持ちは嬉しいものでした。
背広をあつらえるのは4年ぶりのことで、年齢のこともあり、少々気恥ずかったのですが。

いずれにしても、家内の前向きな姿勢には私も勇気づけられ、折れそうになる心がどれほど救われたかわかりません。

そんな家内ですが、先日、病院の診察に出かけた折、電車の中で気分が悪くなり、降りたところで気を失ってしまいました。
周りにおられた方に助けていただいたそうで、大事には至りませんでしたが、恐らく脳貧血だったのでしょう。
帰宅後にその話を家内から聞いて、さすがに驚き心配になったところです。

そして、さらに追い打ちをかけるようなことがありました。

駅に向かうバスに乗った折、空いている優先席に座っていたら、次のバス停で高齢の女性が乗ってきたのだそうです。
あまりにも体調が悪かったので、とても席を立って譲ることができなかったのですが、幸い、別の優先席に座っていた40代くらいの方が席を譲りました。
ホッとしていたら、家内の隣に座っていた男性の方が、「あんたは80歳なのかい」と声をかけたとのこと。
そのときは「すみません、体調がとても悪いので」と答えたようですが、なんだか罪悪感を感じて、がっかりしてしまったと、家内は述懐していました。

家内は相当のショックを受けたのですけれども、聞いた私も非常にショックでした。
「これからは、外出の時にステッキを持っていこう。その方が安心だし、体調が悪いことも一目でわかるだろうから」と、家内は苦笑していましたが、やはり釈然としません。
抗がん剤治療により白血球や血小板なども激減しているため、外出の際にはマスクを着用し、また、頭髪も抜けているので頭をすっぽりと覆う綿の帽子と毛糸の帽子を重ねてかぶって出かけます。体を冷やしてはいけないので、かなり着ぶくれもしています。
顔色も真っ白けなので、とても健常人には見えないと思うのですが、それでもこんなことを言われてしまうのか。

ステッキを持って出かけるのは、事故などを未然に防ぐため、私も賛成ですが、優先席というものの存在が、その本来の役割をきちんと果たしているものなのか、そもそもどういう存在であるべきなのか、なんだか暗澹たる想いで考えさせられてしまいました。

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コメント 8

Hirosuke

悪い時に残念な人が隣だったのですね。
そういう人が多い、この世の中ご時勢。
はっきり目に見える車椅子・盲導犬・介助犬にさえ理解のない人も。

どうか奥様、忍耐して頑張って下さい。

by Hirosuke (2015-03-16 18:37) 

夏炉冬扇

バスの話、心にとめさせていただきました。
by 夏炉冬扇 (2015-03-16 18:42) 

tochimochi

ほんとに日が伸びましたね。
長距離通勤の関係で朝の明るさはしみじみと感じます。
奥様の体調も心配ですね。
抗がん剤治療の大変さがよく分かりました。
隣に座っていた人のように無神経な方もいらっしゃるのでしょうね。
どうか気になさらず、頑張ってください。

by tochimochi (2015-03-16 22:32) 

伊閣蝶

Hirosukeさん、こんばんは。
温かなコメント、ありがとうございます。
車いすや盲導犬、介助犬に対する無理解まである現実。
きちんと受け止めざるを得ないのかもしれないと、改めて思いました。
by 伊閣蝶 (2015-03-17 22:43) 

伊閣蝶

夏炉冬扇さん、こんばんは。
こういう現実があるということをきちんと知るべきなのかもしれないと感じております。
by 伊閣蝶 (2015-03-17 22:44) 

伊閣蝶

tochimochiさん、こんばんは。
長距離通勤、大変ですね。日の出が早くなると気分的にもだいぶらくになるのではないでしょうか。
家内のこと。
温かなコメント、ありがとうございます。
家内も頑張っているので、私も前を向いてサポートしていきたいと思います。
by 伊閣蝶 (2015-03-17 22:46) 

九子

奥様、さぞお辛かったでしょうね。
私ならもしかしたら大声で「放射線治療中です!」と言ってしまうかもしれません。そう言えないお優しい方には、何か目印があるといいですね。リボンとかリストバンドとか・・。
by 九子 (2015-04-15 23:16) 

伊閣蝶

九子さん、こんばんは。
replyが大変遅くなって、誠に申し訳ありませんでした。
家内のショックは想像するだに大きかったものと思います。
仰る通り、何か目印になるような共通のグッズがあれば良いのにと思いました。
by 伊閣蝶 (2015-05-16 01:17) 

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