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ニキシュ&BPOのベートーヴェン「運命」等 [音楽]

先週は小春日和の日もあったのですが、またまた寒さがぶり返してきました。

金曜日の晩、仕事が終わってから横浜の自宅に帰宅。
年賀はがきのデザインを連れ合いと打ち合わせ、それぞれの担当分を分ける作業をしてきたのです。
我が家では、連名のもののほか、それぞれ単独の年賀状を作製するので、三種類のデザインが必要となります。
連名のものと私自身のものは既に私が作製済みでしたので、連名のものに関する意見を連れ合いから聴取し、概ねオッケーの返事をもらいました。
毎年のことで面倒くさい話ではありますが、これも一つのコミュニケーションツールとしては有効だと思っています。
あとは、横浜の自宅に来た欠礼の挨拶状や住所移転の連絡などを確認。
先ほど津に帰ってきたところです。

年賀状の印刷はまたの機会にして、取りあえずカッターシャツのアイロンがけと洗濯物の片づけを終えました。

話はコロッと変わって、久しぶりに音楽の話題です。

こんな音源もCD化される時代なのだなと、ちょっと感動です。


アルトゥール・ニキシュはハンガリー出身。1922年に亡くなるまでベルリン・フィルの常任を27年間務め、近代指揮法の確立にも貢献した「偉大なる」指揮者の一人です。
ブルックナーの交響曲第7番の初演を行ったことでも、私などにとっては印象に残る方ですが、そのニキシュ&BPOのコンビの初めての録音が、1913年のベートーヴェン交響曲第5番「運命」です。
この演奏のことは、文芸評論家の中島健蔵さんが以前語っておられた対談(岩城宏之・諸井誠両氏との鼎談)で知ったのですが、少年時代の中島さんは、この録音を聴いて「おったまげた」そうで、その演奏の記憶が心の奥底に深く刻み込まれている、とのことでした。
その鼎談の中では、岩城さんも、若かりし頃ベルリン・フィルで振った折(1963年頃)「ニキシュ指揮のもとで演奏した楽団員がまだ残っていて、これがいちいちくるんだ、褒めたりなんかして」と語っておられました。
諸井さんも、「ニキシュはあんなことはしませんでした!」と語る老婦人の話をしています。

カラヤンは、いろいろないきさつもあってフルトヴェングラーの亡霊に悩まされていた、といいますが、BPOからみるとニキシュの影響はさらに大きなものがあったのかもしれません。

因みにこのCDには、1920年録音のハンガリー狂詩曲第1番と序曲≪ローマの謝肉祭≫もカップリングされています。

非常に貴重な音源だとは思いますが、恐らく通常のクラシック音楽の演奏を聴く、という観点からはかなり離れたものになろうかと考えます。
録音も「アコースティック録音」で、ラッパ型集音器ではオーケストラの隅々までの音を拾うことは不可能ですから、弦の音などは絶望的です。
トスカニーニは、この録音を聴いて、「私の知るニキシュの演奏とは違う」と語ったそうですが、それは蓋し当然のことでしょう。
その意味では限定されたマニア向けのCDとも言えそうです。

しかし、一時代を築き上げた偉大なる指揮者の、(特にニキシュは「魔術のよう」と形容された響きを作り出していたそうです)片りんに触れる機会にはなりそうな気がしますね。

ご興味ある方はお聴きになってみられてはいかがでしょうか。

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夏炉冬扇

今晩は。
私は大方私で作ってしまって妻に見せます。
お店の年賀状も兼ねてますのでそこそこの数だします。
by 夏炉冬扇 (2013-12-09 18:56) 

tochimochi

年賀状はたしかに面倒と思うこともありますが、疎遠の方たちとのコミュニケーションツールでもありますね。私も先週レイアウトを作成しました。
by tochimochi (2013-12-09 19:56) 

伊閣蝶

夏炉冬扇さん、こんばんは。
やはり、夏炉冬扇さんがお作りですか。
お店のご挨拶も兼ねてということであれば、大変な数だと存じます。

by 伊閣蝶 (2013-12-09 22:10) 

伊閣蝶

tochimochiさん、こんばんは。
仰る通り、年に一度のコミュケーション手段、ということもありますね。
面倒ではあっても、年賀状を頂くのはやはり嬉しいものですし。
tochimochiさんも、レイアウトを作製済とのこと。お疲れさまでした。
by 伊閣蝶 (2013-12-09 22:13) 

のら人

こんにちは。
年賀状の季節ですね。
仕事関係で出すだけで、くたびれてしまい個人ではもう何年も出してません。 ^^;
奥様とご相談されながら、デザインも等を考えるのも楽しそうですね。
by のら人 (2013-12-10 08:32) 

hirochiki

もう年賀状の準備をされているとは流石ですね。
我が家も、そろそろ年賀状を買ってこなければなどとのんきなことを考えているところです。
私は、年賀状の葉書の住所や宛名、決まり文句は印刷していますが
できるだけおひとりずつコメントを書くようにしています。
年賀状だけのお付き合いの人もいますが、いただくとやはり元気なんだなあとほっとするものです。
ところで、100年も前の音源がCD化されるなんて素晴らしいですね。

by hirochiki (2013-12-10 19:42) 

伊閣蝶

のら人さん、こんばんは。
年賀状の季節。
仕事関係だけでくたびれる、本当に沿うだろうなと思います。
私は仕事関係は慎重に外していますが、それでも300通くらいになります。切ることも出来ませんので、大変です。
by 伊閣蝶 (2013-12-10 22:27) 

伊閣蝶

hirochikiさん、こんばんは。
やはり、夫婦が離れていると、早い対応が必要となるようです。
ところで、私も年賀状には必ず一言コメントを入れるようにしています。
お相手の顔を思い浮かべながら書くのが一つの楽しみということもありますが。
仰る通り、年賀状だけの付き合いになってしまった方もおられますが、それでも年に一度の交換は大切かなと思います。
ニキシュのCD、100年という時間をあっという間に飛び越える衝撃がありました。
音楽に時間はないのだなと、改めて思います。
by 伊閣蝶 (2013-12-10 22:31) 

Cecilia

まだ作っていませんが、用途別に作るというのも大変ですよね。
今年は長女の成人式があったので身内だけ写真にしたいのですが、どうしようか悩んでいます。(去年前撮りをしているし、成人式は1月だったので写真の年賀状は今年にすべきだったかも?)
写真つき賀状、考えてみるとほとんど作ったことがないですね。私と同世代の子持ちは毎年のように写真つきなのですが、友人の中には子供のいない人もいるし(結構多い)、面倒なので結局写真なしで統一していました。
by Cecilia (2013-12-11 08:48) 

伊閣蝶

Ceciliaさん、こんばんは。
年賀状のデザインは、毎年のことながら悩ましいものです。
私のところにもご家族の写真をあしらった年賀状が数多く届きますが、遠くに行ってしまってかなり立つ友人からの年賀状がお子様の写真だけ、というのはちょっと困惑します。
私としては、同じ写真をあしらってくれるのなら友人の近影にして欲しいなと思いますので。
by 伊閣蝶 (2013-12-12 22:25) 

ムース

ニキシュとなりますと、もう録音技術云々の話ではないのでまさにマニアの世界ですね。それより以前だとブラームスとか、ベートーベン本人になってしまいますし、録音のない時代の人たちにとっての演奏会のもつ重要性は今日とは大分違うんだろうなーと思います。この録音の存在自体は知っていましたが、さすがに未聴。興味はそそられますねー。
by ムース (2013-12-18 00:53) 

伊閣蝶

ムースさん、こんばんは。
録音という形で残っているという点で、このニキシュのCDは貴重だと思います。
酷い音であるのは仕方がありませんが、ライブではない状況で、後世に記録を残そうとした姿勢は理解できますね。
繰り返し聴きたくなるか、というと疑問ですが、大変面白い録音ではありました。
by 伊閣蝶 (2013-12-18 23:39) 

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