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「さつきあめ」 [音楽]

今日は一転して、小雨混じりの曇天となりました。
気温もあまり上がらず、こうして秋が深まっていくのだなと、なんだかしみじみしてしまいました。
津に来て感じていることなのですが、こちらの「秋」は少し短いような気がしてなりません。
夏はそれなりに暑く、その暑さも10月初旬くらいまで続いて、そのあとに爽やかな秋空をそれほど感ずることなく、一気に肌寒くなってしまう。
気温のこともありますが、気圧配置が西高東低気味になってくると山の方から吹き降ろす風が強まってくることも、そうした感想を抱かせる一因なのかもしれません。
もちろん、だからといって暮らしにくいわけではなく、その寒さにしても私たちが勝手に思い描いていた程度よりもほんの少し厳しかった、というくらいのことなので誤解のないように老婆心ながら付け加えるところですが。
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雨といえば、ちょっと引っかかった言葉があります。
昨晩、NHK名古屋放送局の番組である「UTA TUBE」に出演していたBENIさんが歌った「さつきあめ」という曲に関して。
画面に表示されていた歌詞を読むと「五月雨」を「さつきあめ」と歌っていました。
「五月雨」とあれば、私などは瞬間的に「さみだれ」と読んでしまうので、やはりかなりの違和感を覚えたのです。
もちろん、「五月雨」は「さつきあめ」という読み方も存在します(国語の辞書にも載っています)ので、決して間違いなのではありません。私自身がこれまで、この言葉を「さつきあめ」とは読んでこなかった単なる習慣の違いなのだろうと思います。
あるいは、BENIさんご自身、わかっていながら敢えて「さつきあめ」という読み方をチョイスしたということかもしれません。
そういう意味では、濁音をもたない「さつきあめ」の方が、歌詞としてはすっきりしますしスマートな感じを受けますから。

「雨」の種類を表す言葉として、「小雨」「大雨」「霧雨」「糠雨」「豪雨」「通り雨」「村雨」「俄雨」「長雨」「春雨」「五月雨」「梅雨」「夕立(白雨)」「雷雨」「驟雨」「秋雨」「時雨」「氷雨」などが次々に浮かんできますが、「豪雨」や「雷雨」や「驟雨」などの一部を除いて、大和言葉(訓読み)の多いことに気づかされます。
多雨多湿の日本故、雨はそれだけ深く私たちの生活の中に染み込んでいるからなのでしょうか。言葉の数が多いことも特徴的ですね。

私たちの周りには雨を読み込んだ詩歌が数多く存在しますが、それを生み出す人たちはそれゆえにこそ研ぎ澄まされた感覚を以て言葉を選んでいるのでしょう。

そう考えてみると、最初は非常に違和感のあった「さつきあめ」という言葉が、ほんの僅かではありますけれども何となく私の中で存在感を持ったような気がしてきました(ただし、私がこの読み方を使うことは恐らく今後ともないと思いますが)。

ところでこの雨模様のお天気、どうやら明日には回復しそうです。
秋はやはり青空がお似合い、ですね。

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コメント 10

hirochiki

イラストの絵がほのぼのとしてとても可愛いですね。
BENIさんの「さつきあめ」という歌は一度も聞いたことがないのですが
彼女の歌声はとても素敵ですね。
きっとご存知でありながら敢えてこちらにされたのではないかと私も思います。
雨にまつわる言葉は、こんなにもあるのですね。
こちらも、昨日の夕方から雨が降り始めました。
今日は、何とかすっきりと晴れてほしいものです。

by hirochiki (2013-10-30 05:42) 

tochimochi

津に限らず今年の10月は暑かったですね。おかげで紅葉も遅くなっているようです。山は早いようですが…。
確かにさつきあめはかなりの違和感を感じますがこういう読み方も有りなのですね。BENIさんはたぶん音感から承知の上で使ったのでしょうね。

by tochimochi (2013-10-30 19:33) 

伊閣蝶

hirochikiさん、こんばんは。
今日は一日良い天気になりました。
このイラスト、検索をかけて見つけました。フリーなのですが、かわいいなと思って使ったところです。
BENIさん、私もほとんど知りませんでしたが、美しい声で驚きました。
恐らく、敢えてこちらの読み方を採られたのでしょうね。
雨にまつわる言葉、私も思い起こしながら、意外に多くて驚いたところです。

by 伊閣蝶 (2013-10-30 21:30) 

伊閣蝶

tochimochiさん、こんばんは。
仰る通り、今年の紅葉は少し遅いようです。しかし、さすがに肌寒くなってきましたので、そろそろ期待できそうですが。
「さつきあめ」のこと。私も違和感を禁じ得ません。
未だにやっぱり不自然に思ってしまいます。
しかし、それを敢えてチョイスしたとするのであれば、その感性には脱帽ですね。
by 伊閣蝶 (2013-10-30 21:39) 

のら人

こんばんは。
冬の寒さかと思えば、意外と暑い気温だったり ・・・
体調が悲鳴を上げる天候ですね。 ^^;
自律神経が対応しきれない程、汗を搔いたかと思えば、頗る寒くなったりで、我々中高年にとっては注意が必要ですね。 さつきあめ、との読み方も意外と趣がある様な気もします。 ^^
by のら人 (2013-10-30 22:12) 

ムース

こんばんは。

確かに、中部地方に限ったことではないですが、この頃を境に暑→寒になりますね。ある日を境に冷房が暖房に切り替わるような感じはあります。地球温暖化が正しいかどうかという議論はありますが、こうやって寒くなってきますと、今年もちゃんと寒くなったと安心しますね。私の好きな季節は晩秋から初冬、この頃の雨も渋いので結構好きですね。
by ムース (2013-10-30 22:28) 

伊閣蝶

のら人さん、こんばんは。
本当に寒暖の差が激しく、なかなか体がついていきません。
私のような老人にとっては誠に辛い時期の到来です。
寒いのなら寒いで、徹底してくれれば対処のしようもあるのですが。
「さつきあめ」仰る通り、何ともいえない趣を感じますね。こうした言葉をチョイスするのも感性なのでしょうか。
by 伊閣蝶 (2013-10-31 22:03) 

伊閣蝶

ムースさん、こんばんは。
なんというか、唐突に季節が変わるようん気配が、このごろとみに強くなっているような気がします。
温暖化との関係があるのかどうかよくわかりませんが、仰る通り、きちんとした寒さが訪れるのは、ある意味で安心材料になりますね。
この時期の雨は、時によって体にこたえますが、「渋い」という表現は誠に当を得ていると思いました。
by 伊閣蝶 (2013-10-31 22:06) 

夏炉冬扇

今晩は。
私もさみだれですね。
by 夏炉冬扇 (2013-11-01 22:14) 

伊閣蝶

夏炉冬扇さん、こんばんは。
やっぱり、「さみだれ」ですか。
by 伊閣蝶 (2013-11-01 22:44) 

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