錫杖沢(?)遡行 [山登り]
今日は朝からきれいに晴れました。
昨晩、ちょっと飲み過ぎてしまったため、朝のうちはさすがに応えていましたが、この空を見ていると出かけないわけにはいきません。
そんなわけで、昼過ぎに、ちょっと近郊の沢登りに出かけました。
前にもちょっと書きましたが、錫杖ガ岳の登路の沢筋が気になっていたので、ここの状況をみてみたいな、と(^^;
NHKの「生活笑百科」を観てから家を出て、錫杖ガ岳登山口で、取り敢えず沢靴を履いて出発。
東登山口の少し先から沢に降ります。
沢の名前は25000分の1地形図にも記載はありませんので、一応「錫杖沢」と呼んでおきましょう。
昨年の台風の被害などで、沢筋はかなり荒れていました。
しばらく遡ると二俣です。
左俣に入りました。
ゴーロを越えるとナメ滝帯に出ます。
倒木がかかった3mほどの滝に出合いました。
水流の左から越えます。
さらにナメ滝が続きます。
どの滝も釜が結構深く、なかなかの存在感でした。
倒木などで荒れたゴーロをしばらくいくと、またまたナメ床となります。
水流沿いを快適に越えていきます。
こんな小滝が続きます。
所々に規模の大きな側壁が形成されていました。
8mほどのナメ滝です。
フリクションを効かせて快適に越えます。落ち口付近が少し微妙(^^;
両岸が狭まってきて、小ゴルジュとなりました。
10mくらいの黒光りする滝に出合います。
水流沿いに越えていきます。
その上から、またまたナメとなりました。
深い釜を持った滝が続きます。
スラブ帯のナメを越えながら進むと、倒木がかかった8mほどの滝に出合います。
これも水流沿いを直登します。
5mくらいの滝。
倒木のかかった7m滝。
さらにナメが続きます。
その上で、西登山口からの登山道が交差しました。
その上から沢筋は狭まり、さらにナメが続きます。
上部ゴルジュ帯となります。
両岸が迫り、水流沿いの直登が続きます。木々が生い茂るゴルジュ帯なので、だいぶ薄暗くなってきました。
やがて正面に15mを超える滝が現れました。
本日一番の高さの滝です。
これまで全ての滝は直登してきましたが、この滝は上部が立っているため少々てこずりそうな気配がしました。
単独行の沢登りでは、滝の直登で無理をしないことがセオリー。
高巻きが原則なのですが、山屋というのはどうしようもない人種で、眼前にこういう岩があるとやはり取り付きたくなってしまうのです。
そんなわけで、下からじっくり眺めます。
外傾はしていますが、下部はフリクションを効かせて登れそうです。
上部の水流際からの直登では、ホールドがかなり微妙な感じ。
行けるところまでいってみようと気合いを入れて取り付きました。
思った通り外傾したスタンスは嫌らしい限りでしたが、ハンドホールドに結構効くカチホールドがあって、なんとか三分の二までは登れました。3級上くらいでしょうか。
さて、問題の上部直瀑です。
沢靴で確実に効きそうなスタンスはありません。
ハンドホールドが効けばずり上がることも可能ですが、どれも甘く、進退を窮してしまいました。
既に10m以上は登っていますから、ここで無理をして滑落するとただではすみません。
やむを得ず撤退することにしましたが、クライムダウンも結構厳しく、慎重にハンドホールドを確保し、降りていきます。
途中から、右に土壁をトラバースし、右の支流に出ましたが、泥壁をキックステップしたり、手でスタンスになるところを掘ったりしながらじわじわと逃げました。
足下が崩れる恐怖に喉がからからになりながら、何とか、支流の滝の下まで到達。
ホッとして、ここで初めて水を飲みました。
心臓が早鐘のように打ち、さすがに足も震えています。
気持を落ち着けてから、3mほどの滝を越えましたが、これも直瀑で結構嫌らしく、慎重に登攀しました。
その上も泥壁の急登ですから、スタンスが崩れないように注意しながら登り詰め、西登山口からの登山道に這い上がります。
登山道に出て、やっと安心しました。
せっかくなので錫杖ガ岳の山頂に登ろうと思っていたのですが、さすがに精神的にくたびれてしまい、残念ながらここから下山。
先程の、沢と登山道の交差点でザックを下ろし、ヴィダウィンゼリーを飲んでやっと人心地ついた次第です。
ここで沢靴を洗い、地下足袋に履き替えて降りました。
短い流域ではありましたが、なかなか変化に富んだ面白い沢でした。
所々荒れてはいますが、ナメやスラブ帯が多く、また深い釜を持った滝が連続するので結構楽しめます。
暑い夏には絶好の沢といえましょう。
しかし、上部ゴルジュ帯の先にある大滝は要注意です。
体感的に上部は4級上はあるのではないでしょうか。
ここにピトンなりボルトを打って、ディジーチェーンなどで自己確保をとれば、恐らく突破できたものと思います。
そんなシビアな登攀をするつもりもなく気楽に入ってしまったので、ハンマーもピトンもジャンピングもボルトも持参しておりませんでした。
というよりも、それらは横浜の自宅にあったりします(^^;
敗退してしまったことはやはり口惜しく、できれば気の合うパートナーとともに再来し、支点を打って完登したいなと思いました。
地形図によれば、その上にも毛虫マークがありますから、思いもかけない岩壁がありそうにも思えますし。
まあ、いずれにしても、滑落もせずに無事帰れましたから、今回はよしとしましょう。
そんなわけで、三重県での初沢登りは、ちょっぴりほろ苦い結果となりました。
ご参考までに、稚拙ではありますが遡行図を作りましたので、アップします。
昨晩、ちょっと飲み過ぎてしまったため、朝のうちはさすがに応えていましたが、この空を見ていると出かけないわけにはいきません。
そんなわけで、昼過ぎに、ちょっと近郊の沢登りに出かけました。
前にもちょっと書きましたが、錫杖ガ岳の登路の沢筋が気になっていたので、ここの状況をみてみたいな、と(^^;
NHKの「生活笑百科」を観てから家を出て、錫杖ガ岳登山口で、取り敢えず沢靴を履いて出発。
東登山口の少し先から沢に降ります。
沢の名前は25000分の1地形図にも記載はありませんので、一応「錫杖沢」と呼んでおきましょう。
昨年の台風の被害などで、沢筋はかなり荒れていました。
しばらく遡ると二俣です。
左俣に入りました。
ゴーロを越えるとナメ滝帯に出ます。
倒木がかかった3mほどの滝に出合いました。
水流の左から越えます。
さらにナメ滝が続きます。
どの滝も釜が結構深く、なかなかの存在感でした。
倒木などで荒れたゴーロをしばらくいくと、またまたナメ床となります。
水流沿いを快適に越えていきます。
こんな小滝が続きます。
所々に規模の大きな側壁が形成されていました。
8mほどのナメ滝です。
フリクションを効かせて快適に越えます。落ち口付近が少し微妙(^^;
両岸が狭まってきて、小ゴルジュとなりました。
10mくらいの黒光りする滝に出合います。
水流沿いに越えていきます。
その上から、またまたナメとなりました。
深い釜を持った滝が続きます。
スラブ帯のナメを越えながら進むと、倒木がかかった8mほどの滝に出合います。
これも水流沿いを直登します。
5mくらいの滝。
倒木のかかった7m滝。
さらにナメが続きます。
その上で、西登山口からの登山道が交差しました。
その上から沢筋は狭まり、さらにナメが続きます。
上部ゴルジュ帯となります。
両岸が迫り、水流沿いの直登が続きます。木々が生い茂るゴルジュ帯なので、だいぶ薄暗くなってきました。
やがて正面に15mを超える滝が現れました。
本日一番の高さの滝です。
これまで全ての滝は直登してきましたが、この滝は上部が立っているため少々てこずりそうな気配がしました。
単独行の沢登りでは、滝の直登で無理をしないことがセオリー。
高巻きが原則なのですが、山屋というのはどうしようもない人種で、眼前にこういう岩があるとやはり取り付きたくなってしまうのです。
そんなわけで、下からじっくり眺めます。
外傾はしていますが、下部はフリクションを効かせて登れそうです。
上部の水流際からの直登では、ホールドがかなり微妙な感じ。
行けるところまでいってみようと気合いを入れて取り付きました。
思った通り外傾したスタンスは嫌らしい限りでしたが、ハンドホールドに結構効くカチホールドがあって、なんとか三分の二までは登れました。3級上くらいでしょうか。
さて、問題の上部直瀑です。
沢靴で確実に効きそうなスタンスはありません。
ハンドホールドが効けばずり上がることも可能ですが、どれも甘く、進退を窮してしまいました。
既に10m以上は登っていますから、ここで無理をして滑落するとただではすみません。
やむを得ず撤退することにしましたが、クライムダウンも結構厳しく、慎重にハンドホールドを確保し、降りていきます。
途中から、右に土壁をトラバースし、右の支流に出ましたが、泥壁をキックステップしたり、手でスタンスになるところを掘ったりしながらじわじわと逃げました。
足下が崩れる恐怖に喉がからからになりながら、何とか、支流の滝の下まで到達。
ホッとして、ここで初めて水を飲みました。
心臓が早鐘のように打ち、さすがに足も震えています。
気持を落ち着けてから、3mほどの滝を越えましたが、これも直瀑で結構嫌らしく、慎重に登攀しました。
その上も泥壁の急登ですから、スタンスが崩れないように注意しながら登り詰め、西登山口からの登山道に這い上がります。
登山道に出て、やっと安心しました。
せっかくなので錫杖ガ岳の山頂に登ろうと思っていたのですが、さすがに精神的にくたびれてしまい、残念ながらここから下山。
先程の、沢と登山道の交差点でザックを下ろし、ヴィダウィンゼリーを飲んでやっと人心地ついた次第です。
ここで沢靴を洗い、地下足袋に履き替えて降りました。
短い流域ではありましたが、なかなか変化に富んだ面白い沢でした。
所々荒れてはいますが、ナメやスラブ帯が多く、また深い釜を持った滝が連続するので結構楽しめます。
暑い夏には絶好の沢といえましょう。
しかし、上部ゴルジュ帯の先にある大滝は要注意です。
体感的に上部は4級上はあるのではないでしょうか。
ここにピトンなりボルトを打って、ディジーチェーンなどで自己確保をとれば、恐らく突破できたものと思います。
そんなシビアな登攀をするつもりもなく気楽に入ってしまったので、ハンマーもピトンもジャンピングもボルトも持参しておりませんでした。
というよりも、それらは横浜の自宅にあったりします(^^;
敗退してしまったことはやはり口惜しく、できれば気の合うパートナーとともに再来し、支点を打って完登したいなと思いました。
地形図によれば、その上にも毛虫マークがありますから、思いもかけない岩壁がありそうにも思えますし。
まあ、いずれにしても、滑落もせずに無事帰れましたから、今回はよしとしましょう。
そんなわけで、三重県での初沢登りは、ちょっぴりほろ苦い結果となりました。
ご参考までに、稚拙ではありますが遡行図を作りましたので、アップします。
山登りをされながら、これだけの写真撮影をされるのは大変だと思います。
お疲れ様でした。
でも、そのおかげで登山の様子がよくわかります。
こちらは、台風の被害がかなり受けたようですね。
ご無事に帰られたようで何よりでしたが、次回のリベンジも是非楽しみにしています。
ところで、私も、この週末は飲み会があるので飲み過ぎないように気をつけたいと思います(笑)
by hirochiki (2013-08-04 12:57)
hirochikiさん、こんにちは。
短いながらも盛りだくさんの沢でした。
ただ、台風で荒れ放題というところが少し悲しいのですが。
次回のリベンジのために、取り敢えず、登攀用具をもってこないといけないなと思っていますが、パートナー探しの方が大変かもしれません。
ところで、hirochikiさんも週末は飲み会ですか。
どうも年を食ってきているせいか、飲み過ぎると翌日に効きます。
気をつけなければと思っているところです。
by 伊閣蝶 (2013-08-04 15:25)
三重での初沢登り ・・・ オメデトウございます。
無精者で不器用な自分には遡行図など、とても書けません。 ^^;
素晴らしい才能をお持ちですね。
水量が少ない様で、ヌメっていそうで、恐いですね。
自分も、アイスハンマー、ハーケン持ってる時に限ってリスが無かったりで打てずに終了とかがありますし、絶対効きそうなクラックがあるのにカムを忘れたとか。酷いものです。 (爆)
by のら人 (2013-08-04 19:12)
のら人さん、こんばんは。
初沢登りとしては、誠に情けないものでした(^^;
遡行図もずさん極まりないもので、とてもお誉めにあずかるものではありません。
のら人さんも、かなりヤバい状況をたくさんご経験のことと思います。
やっぱりなめてかかってはいけませんね。
でも、仰るお話、私も同じような経験が多々あり、何となく親近感が沸いてしまいました。
すみません。
by 伊閣蝶 (2013-08-04 21:24)
三重県での沢デビューおめでとうございます。
標高の低い沢にありがちのぬめった岩がいやらしそうですね。
伊閣蝶さんが精神的にきつくなったほどですから想像はつきますが…。
遡行図は昔書きかけましたが記録集にあるような物が書けなくて挫折しました^^;
by tochimochi (2013-08-05 07:14)
tochimochiさん、こんばんは。
三重での初めての沢は、残念ながら敗退となってしまいました(^^;
標高も低く流域も短かったので少し甘く見過ぎました。
またまた反省です。
遡行図のことですが、昔、山登りの先輩から、どんなにへたくそでも自分の勉強のために書いた方が良いといわれました。
そんなこともあり、恥ずかしながらアップしてしまいました(^^;
by 伊閣蝶 (2013-08-05 20:51)
今日は。
汗と清流で「飲みすぎ」もすっきりですね。
アチーイ。
by 夏炉冬扇 (2013-08-06 17:27)
夏炉冬扇さん、こんばんは。
はい、久々の緊張感で、別の汗もかきましたが(^^;
by 伊閣蝶 (2013-08-06 22:33)