SSブログ

赤目四十八滝 [山登り]

赤目四十八滝。
室生赤目青山国定公園にある人気観光スポットです。

以前から、「いったいどんなところなんだろう」という興味があり、思い切って出かけてみました。
車で行ってもいいかなと思ったのですが、事前にいろいろと聞いてみると、現地では一日800円くらいの駐車料金がかかることや、その出入りなどで、日によっては混雑する場合もあるようです。
休日は公共交通機関の便もよさそうなので、近鉄の赤目口駅からバスを使うことにしました。

津から赤目口までは近鉄利用で800円。所要時間は一時間程度。
赤目口から赤目四十八滝バス停までは340円。所要時間は10分強というところです。
バスの始発10分前に着く電車から降りると、バス停では既にかなりのバス待ち客の列ができています。
さすがに有名観光地ですね。
京阪神方面からのお客さんが多いように見受けられました。

車で来た場合の駐車場は、手前に何軒も軒を連ねている売店が管理しているようで、手前の方の売店でも、スタッフが自動車での来訪者を誘導しています。
この売店街は結構な距離があるので、手前で駐車すると、四十八滝の入口まで車道を歩く羽目になりそうです。
バスは、ほぼ最奥まではいりますから、近鉄沿線から休日に訪れるのであれば、やはり公共交通機関を使うのがベターでしょう。

入口にある「日本オオサンショウウオセンター」で入園料300円を支払います。
水槽で飼育されているオオサンショウウオやイモリ、日本固有種のサンショウウオ、ウーパールーパーなど、サンショウウオの仲間の両生類を眺めながら行くと、滝への遊歩道に出ます。

すぐに行者滝が現れますが、行者が滝に打たれるためには、あまりに滝壺が深そうです。

水の涸れた銚子滝を右に見て進むと、赤目の由来となっている赤目牛の彫刻があり、特に眼に関するご利益があるのだそうです。

その先には見事な不動滝が豊富な水量でかかっていました。
hudou.jpg
往時の滝参りはこの滝を目的としていたそうで、明治の中ごろまではここから奥には入れなかったそうです。
遊歩道は、この滝の左岸を登り、滝上を右岸へ渡ります。ここから見下ろす景色もなかなかでした。

これは乙女滝。
otome.jpg

八畳岩を越えると千手滝です。凹凸の絡み合う複雑な水流は見ごたえ十分でした。
senzyu.jpg

それから布曳滝。これも素晴らしい滝です。
nunobiki.jpg
水深30mという深い釜を持ち、落差も30mで、左岸のスラブがひときわ目を惹きました。思わず登ってみたい衝動に駆られてしまいます。
左岸を登って落ち口を覗くと、その規模がさらに実感されます。
nunobikiue.jpg

これは陰陽滝です。
inyou.jpg

陰陽滝を過ぎてなおも行くと、百畳岩が広がり、ここに茶店がありました。
あまりに暑いのでちょっと一休みし、なんと5~6年ぶりくらいでかき氷を食べました。
久しぶりにこめかみがキーンとする冷たさを味わい、思わず笑みがこぼれます。

その先にある七色岩は、岩が七色をしているわけではなく、マツ・モミ・カエデ・サクラ・アカギ・ウメモドキ・ツツジという七種類の樹が岩の上に繁っているので、その様を見て名前が付けられたようですね。
nanairo.jpg
この辺りが赤目四十八滝散策の中間点あたりらしく、この茶店で引き返す人も多いようです。
先の千手滝までがウォーキング初級コース、この百畳岩・七色岩の茶店までがウォーキング中級コースということでした。

傍らの岩壁を見るとイワカガミの花がありました。
iwakagami.jpg

可愛らしい姉妹滝。
simai.jpg

岩溝を流れ落ちる笄滝。
kougai.jpg

次々に現れる特徴的な滝を眺めながら進むと、ユニークな骸骨滝に出合いました。
gaikotu.jpg

斜滝を越えると、荷担滝です。
ninai.jpg
連漠帯を従えた二条に落ちる滝で、これも名瀑でした。

その先には、雛段滝という、正に名前の通りの滝がかかっています。右の支流の遠景に夫婦滝も望めます。
hinadan.jpg

この辺りまで来ると、散策者の数もだいぶ減ってきているようです。

可愛らしい琴滝を越えると、深く神秘的な釜を持つ琵琶滝です。
biwa.jpg
右岸から近づくと、そのスケールが実感させられます。

そして、いよいよ最後の滝である岩窟滝に到着。
gankutu.jpg
ここも広場になっていて、散策路の終点ということになります。

ここからさらに出合に向かい、香落渓まで行くことができるようですが、本日はここから引き返すことにしました。

赤目口発の一番バスできたため、それほどの混雑は感じませんでしたが、復路は時間的なこともあり、かなりの人出となっていました。
基本的に登り優先の左側通行というルールのようですので、場所によっては譲りながら戻ります。そのため、距離以上の時間がかかりますが、これはやむを得ないところでしょう。

バスの時間待ちがありましたので、入口の茶屋で瓶ビール一本と枝豆を頼んで一休み。
公共交通機関だと、こういう楽しみがありますね。

三重県に来てから一年経って、やっと赤目四十八滝を訪れることができました。
相当に観光化されているのだろうなと予想してきたのですが、地元の方々のご努力もあり、非常にしっかりと保全されているという印象です。

流れの中には自由気ままに泳ぐウグイやカジカなどの魚影も濃く、水もきれいに保たれていて、非常に好もしく思いました。
gyoei.jpg

沢屋としてみれば登りたい滝ばかりですが、もちろんこれは御法度でしょう。当然、魚などの漁も禁止されています。
広葉樹が多いので、恐らく秋は相当な紅葉の景色を堪能できることでしょう。
もちろん人出も半端ではないと思いますが、できればそのころに再来したいものです。

nice!(19)  コメント(10)  トラックバック(0) 
共通テーマ:旅行

nice! 19

コメント 10

ハマコウ

涼しく感じる写真ですね
by ハマコウ (2013-08-01 04:44) 

hirochiki

一枚目の写真が拝見できないのがちょっと残念でした。
魅力的な滝がいっぱいで、涼とマイナスイオンをいっぱいいただけそうです。
仲良く寄り添っているような姉妹滝が可愛いですね。

ところで、今日から8月です。
後もう少しでお盆休みに入りますので、お仕事ももうひと踏ん張りですね。
by hirochiki (2013-08-01 06:44) 

tochimochi

赤目四十八滝、その名の通り名瀑が多いですね。
布曳滝は素晴らしいスラブで登りたくなる気持ちも分かります。
見てるだけでも涼しくなってきそうで暑い夏にはいいところですね。
紅葉の時期もぜひレポートをお願いします^^

by tochimochi (2013-08-01 07:16) 

のら人

名瀑の数々 ・・・ これは是非遡行してみたいものですが、やってしまえば、昨年那智の滝を登った方々みたいに、「逮捕!」なのでしょうか。(苦笑)   瓶ビールと枝豆も最高でしたでしょう。 ^^
次回は沢足袋を履いた、遡行のレポを楽しみにしております。
by のら人 (2013-08-01 08:21) 

伊閣蝶

ハマコウさん、こんばんは。コメント、ありがとうございます。
清涼感たっぷりの風景でした。
by 伊閣蝶 (2013-08-01 23:40) 

伊閣蝶

hirochikiさん、こんばんは。
一枚目の写真は、ロードミスでした。すみません。
暑い最中でしたから、滝を愛でるのは最高でした。
姉妹滝は本当に可愛らしい滝でしたね。
今日から8月。
暑さはこれからも厳しいことと思いますが、お盆休みなどで少しは気分的に楽になれればと思います。
by 伊閣蝶 (2013-08-01 23:44) 

伊閣蝶

tochimochiさん、こんばんは。
渓流としては最高レベルです。仰る通り、沢登りを趣味としている人間からすれば、我慢ならなくなりそうでした。特に布曳滝のスラブはため息をつくほどでした。
秋にもう一度出かけられればと思っています。
by 伊閣蝶 (2013-08-01 23:46) 

伊閣蝶

のら人さん、こんばんは。
どうですか、遡行したくなるでしょう?
本当に人目がなければ遡行したくなります。
例の那智の滝ほどではないにせよ、ここを遡行したら、かなり白い目で見られそうですが。
こんな風景を見てしまったので、沢登りのモチベーションがレッドゾーン入りです。
そろそろ始動しなくては。
by 伊閣蝶 (2013-08-01 23:50) 

ぼんぼちぼちぼち

車谷長吉の小説「赤目四十八滝心中未遂」を読んで以来 気になっているところでやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2013-08-04 12:32) 

伊閣蝶

ぼんぼちぼちぼちさん、こんにちは。
私もあの小説を読んでずっと気にかかっていた場所でした。
かなり観光地化されてはいますが、深い釜といい、実に神秘的です。
by 伊閣蝶 (2013-08-04 15:19) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0