SSブログ

総門山(948.6m)に登ってきました。 [山登り]

暑い日が続いています。
先日、夏風邪を引いたことを書きましたが、そのあと胃の調子が悪くなり、人間ドックを除けば、20年ぶりくらいの胃カメラを診察目的で飲みました(人間ドックでは2年前に飲んでいますが)。
もともと逆流性食道炎がありますので、ちょっとストレスがたまったりすると胸やけが起こるのですが、いつもは少し我慢していると数時間で治まります。
ところが今回は結構しぶとく、23日の火曜日の午前中から胸やけが始まり、食事をしてからも治まらず、ろくろく夜も眠れないような状況になりました。
さすがに辛かったので、翌日の午前中に休暇をもらい、近所の総合病院にでかけたところです。
受付開始時間である8時30分よりも15分ばかり前に行ったのですが、ロビーは予約患者などで一杯。外来だったので結構待たされました。
病院に行くことなど年に一度あるかないかくらいの私のような人間は、相当に体調の悪いときの来院となるわけですから、こうした待ち時間も結構きついものです。
それはともかくとして、幸い前日の20時以降は何も食べていませんから、胃カメラを撮るのには最適でした。
胃カメラはいつ飲んでも嫌なものですが、今回も涙を流しながら受診。
逆流性食道炎のほか、胃壁の襞の何か所かが腫れ上がり、そこから出血しておりました。
お医者さんの見立ては逆流性食道炎と出血性の胃炎とのことで、幸い潰瘍とか腫瘍はなさそうとのこと。また、どうやらピロリ菌もいないようです。
実は十二指腸潰瘍などを心配していたので、その点は安心しました。
その日の夕方、横浜の連れ合いに事の仔細を報告したところ(前日の夜にも、具合が悪いことを連絡していました)、取りあえず潰瘍や悪性腫瘍の類がなかったことに安心したといってくれたのですが、「それにしても、山の中の沢の水などをそのまま煮沸もせずに飲んでいるあなたのような人の胃袋にピロリ菌がいないなんて信じられないわね」と一言。
いや、沢の湧水は自然の濾過機能が働いているから大丈夫なのではないかと反論したのですが、それでも山の中に生息する動物たちの糞尿などの影響が全くないとは言いきれないでしょ、と返されてしまいました。
もしかすると私の胃酸は結構強くて(だから逆流性食道炎も起こるのか)、ピロリ菌も生息できないのかもしれませんね(それはないか)。
いずれにしても、50歳以上の8割がこの菌に感染しているという話もありますので、この点はありがたいことでした。

前置きが長くなりましたが、今回のことで取りあえず深刻な胃の問題はなさそうな状況ですので、土曜日は久しぶりに山に出かけてきました。
行先は、奥伊勢フォレストピアを起点とした総門山。
標高は950m弱ですが、車でアプローチした時の利便性の良さは特筆ものでしょう。

いつも通り、5時過ぎに起床して朝飯をしっかり摂り、6時過ぎに出発。
紀勢道の大宮大台ICから国道42号線と県道31号線を使って奥伊勢フォレストピアを目指します。
夏休みの土曜日ということもあり、かなりの人出が予想されましたが、さすがに7時過ぎでは駐車場もたくさんの空きがありました。

道路を挟んだ対岸に、北総門山への指導票があります。
soumon01.jpg

緩やかな遊歩道を歩いていくと階段となり、これを登りきると山道になります。
soumon02.jpg

結構な急登で、朝霧に濡れた滑りやすい登山道を黙々と登りました。
蜘蛛の巣がやたらに多く、どうやらほとんど人が歩いていないような雰囲気です。
道自体はかなりしっかりしていますが、落ち葉なども積もっていて、フォレストピアの看板に「北総門山尾根コース」などと銘打っている割には登る人がいないということなのでしょう。
soumon03.jpg
小ぶりの枝を拾って目につく蜘蛛の巣を払いながら登っていくと、今度はスズメバチがやってきました。
付近に巣でもあるのでしょうか、侵入者の私を警戒しながら周りを飛び回っていますが、威嚇音を出しているわけではないので、無視して先に進みます。
スズメバチが飛んでくると、怖がって声を上げたり手を振り回したり棒切れなどで叩き落とそうとする人がいますが、これは大変危険です。巣を襲おうとしているものとの危機感を強めたスズメバチが攻撃的になり、仲間を呼んで集団で襲ってくる可能性が高まるからです。
お前のことなんかなんとも思っていないよ、という態度で、そちらにもは目もくれず平然とその場を離れることが肝要です。
従って、こうして歩き去ることができるときはあまり心配する必要はありません。
往生するのはしばらく付近にとどまる必要があるときです。
私も経験がありますが、岩壁登攀の際の確保地点付近にスズメバチの巣があったりすると、かなり厭らしい。
確保体制に入っている際は、当然のことながらその場を離れるわけにはいきませんから、とにかく騒がずに無視するよりほかに手だてがありません。また、スズメバチごときに気を取られて肝心の確保システムがおろそかになるようでは、そもそもアルパインクライミングなどバリエーションルートの登攀に手を出すのはやめた方が賢明だとも思います。
幸いにして私は刺された経験はありませんが、そうしたシチュエーションで刺されるケースもけっこうあるようですね。

さて、しばらくの間、付きまとってきましたが、やがて彼らの警戒圏内を脱したものか、スズメバチは姿を見せなくなりました。
代わりにやってきたのはアブです。全く次から次へと虫たちも忙しい限りですね。
アブはそもそも私たちの血液などを狙っているわけですから、どこまでもどこまでもついてきます。
ちょっと立ち止まった折、左足の太ももに集ったので、蜘蛛の巣を払うために持っていた小枝で叩き落としました。叩き落とされたアブにも生活があるのでしょうが、私もそいつに与えるために血液を循環させているわけではないのでご勘弁願いましょう。

やがて、東屋のある609.6mの三角点峰に到着。
soumon04.jpg
「中林谷の頭」と書かれています。
これが東屋。
soumon05.jpg

ここからは穏やかな尾根のアップダウンとなり、640m高点を越えてしばらくすると左に「車いす遊歩道」へ分かれる分岐点となります。
このあたりからは道も広くなり、俄然歩きやすくなりました。
しばらく行くと、東屋と駐車場のある北総門山に到着。
但し、703.7mの三角点のみで、三名表示標は見当たりませんでした。

ここから総門山が望めます。
soumon06.jpg
立派な山ですね。

不明瞭な踏み跡をたどりながら林道に出て、総門山を目指します。
延々と林道を歩いていくと、「総門山尾根コース(1.3km)」と「総門山登山口・林間コース(1.2km)」の標示がありました。
soumon12.jpg
ちょっと迷ったのですが、100mの違いなら尾根コースを行ってみようとそのまま林道を歩くことにしました。
ところがこれが大失敗。
そこから2km近くの林道歩きの果てに尾根の先端にたどり着き、そこから1.3km、ということだったのです。
ここが尾根コースの取り付き。
soumon08.jpg
途中で鹿の親子が慌てて走っていく姿を見たりして、それなりに面白かったのですが、この林道歩きは余分でしたね。
それでも、ノカンゾウらしき花もあり、それはそれで楽しめたのですが。
soumon07.jpg

尾根コースとはいい条、尾根そのものが途中で不明瞭になったり、踏み跡も心細いもので、しかも植林帯の作業道が入り組んでいたりしますから、ちょっと気を使います。
ただ、深い谷などが入り込んでいるわけでもないので、踏み迷っても、とにかく斜面を上に向かえば何とかなります。

ようやくたどり着いた総門山の山頂です。標高は948.6m。
soumon09.jpg
小広い台地ですが展望はほとんどありません。

ブナの巨木が印象的でした。
soumon10.jpg

さて、下り始めてしばらくすると、左の方に赤テープと明瞭な踏み跡がありました。
恐らくこれが「林間コース」なのでしょう。
尾根コースを下って、またあの林道歩きをするのはまっぴらなので、こちらの方に行ってみることにします。
こちらの方が尾根コースよりは明瞭で、やがて荒廃した林道に出ました。
そのあたりからちょっと不明瞭になりましたので、しばらく林道を歩いていくと、先ほど通過した分岐点らしきものが見えます。
そこから強引に斜面を降りようかとも思いましたが、そのまま林道を歩いても大差はなさそうです。
ここが林道の入口。
soumon11.jpg
北総門山に登り返し、往路を戻ります。
蜘蛛の巣を払いながら登ってきたのにもかかわらず、それらの巣は早速修復がなされていました。
つまり、私のほかには誰も登っていない、ということですね。

奥伊勢フォレストピアに降りてきてみると、大変な賑わいです。
駐車場もほとんど満杯。
さすがに夏休みの土曜日だなと感心しました。

汗と蜘蛛の巣などでドロドロになっていましたから、早速、フォレストピアにある奥伊勢宮川温泉に向かいます。

先日、古ガ丸山に登った折に立ち寄って、何と半額(創業日割引)で入れたと書きましたが、この温泉、サイトの一番下のリンクにあるJPG画像の割引券を印刷して持参すると、通常でも200円引きで入ることができます。
これは誠にありがたいことでした。

総門山は、予想以上に登り甲斐のある山でした。
技術的に難しいところは全くありませんが、一部を除いて踏み跡が多少不明瞭なところがあることと、標高の割には意外に時間を要するところが注意点といえばいえるのかもしれません。
ケヤキ・ヒメシャラ・ブナ・コナラなどの自然林も多いので、晩秋の頃に訪れれば紅葉を満喫できることでしょう。
いずれにしても、盛夏に登る山ではなさそうです。
夏休みということもあって奥伊勢フォレストピアには大勢の人出があったのに、山中では誰にも出会わなかったということも、何となく理解できました。
北総門山も総門山も、林道を車で行けば楽勝で登れてしまうので、わざわざ下から登る人もいない、ということかもしれませんが。
まあ、いずれにしても静かな山歩きを堪能できたのは嬉しいことでした(ハチやアブには悩まされましたが)。

nice!(17)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ

nice! 17

コメント 6

hirochiki

心配しながら記事を読み進めましたが、胃潰瘍などではなかったようで少しほっといたしました。
きっとお仕事のストレスやお疲れが溜まっていらっしゃるのでしょう。
私も、最近は病院にお世話になるのは、予防接種の時くらいです。
くれぐれもお大事になさって下さい。

私は、わかっていてもスズメバチやアブが近づいてきたら大声を上げてしまいそうです。
今回の山は、紅葉の時期にもう一度行かれるといいかもしれませんね。
それにしても、今年の夏も長くなりそうな気がします。
by hirochiki (2013-07-30 05:33) 

tochimochi

体調も回復されたようで何よりです。
私はまだ胃カメラを飲んだことはありませんが、記事を読んでますます飲むのが怖くなりました^^;
総門山は変化があってなかなか面白そうな山ですね。
ただこの時期は暑かったでしょうから紅葉の頃の方が楽しめるかもしれませんね。


by tochimochi (2013-07-30 19:34) 

のら人

ピロリ菌がいなくて良かったですね! ^^
沢をやってる人間からすれば、北海道のエキノコックスが一番怖いかもしれません。 

>汗と蜘蛛の巣などでドロドロになっていましたから

本当に、そのお気持ち ・・・ 良く分かります。 ^^;
逆流性食道炎は持病の方が結構いるみたいです。アメリカの様に「ファット」な方が、無理やり手術をする様な選択は日本には無いので、熱過ぎるお茶等を無理に「ゴクリ」と、飲まなければ大丈夫ではないでしょうか。
by のら人 (2013-07-30 19:39) 

伊閣蝶

hirochikiさん、こんばんは。
温かなお見舞いのコメント、ありがとうございました。
ご心配をおかけし、申し訳ありませんでした。
私も深刻な事態ではなかったことに少し安堵しました。自分ではあまり気にしていなかったのですが、やはりストレスがたまっていたのでしょう。
これまで以上に気分転換などに気をつけたいと思います。

スズメバチやアブ。仰る通り、普通はやっぱり追い払ったりしたくなってしまいますよね。従って、これもやはり「慣れ」みたいなものがあるのかもしれません。
今回の山、秋から春にかけては楽しめそうな予感がします。その頃にまた出かけてみましょう。
しかし、本当に長い夏になりそうです(^^;

by 伊閣蝶 (2013-07-31 22:00) 

伊閣蝶

tochimochiさん、こんばんは。
温かなお見舞いのコメント、ありがとうございました。
胃カメラ、まだ体験なさっておられないのですね。できれば避けたいところですが、バリウムを飲むX線検査で懸念があると結局胃カメラとなりますので、私は二度手間を嫌い、ドックでは胃カメラにしています。
総門山は、季節を選べば楽しめる山だと思います。
仰る通り、高揚の頃から雪景色、早春が旬なのでしょう。
そのころ、もう一度行ってみたいと思います。

by 伊閣蝶 (2013-07-31 22:01) 

伊閣蝶

のら人さん、こんばんは。
温かなお見舞いのコメント、ありがとうございました。
ピロリ菌がいなかったのは幸いでした。
エキノコックスや日本住血吸虫などの寄生虫は怖い存在です。後はツツガ虫などのダニ類も嫌らしいですね。

ところでこの時期、あまり人の入らない山域を歩くと、やっぱりドロドロになってしまいます(^^;
まあ、もう、ほとんど気にならなくなりましたが。

逆流性食道炎は割合ポピュラーな病気です。特にストレスで胃酸過多になると発祥することが多くなるみたいで。
手術で治すという発想は、ほとんどの方は持っておられないと思います。
一番良いのは「気にしないこと」らしいのですが(^^;

by 伊閣蝶 (2013-07-31 22:02) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0