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東京都合唱祭 [音楽]

連日、蒸し暑い日が続きます。
雲か広がって陽射しが遮られ、かつ雨が降っても、この蒸し暑さはなかなか和らぎません。
冬がいくら冷え込んでも、夏の暑さには関わりはないということなのでしょうか。
まるで、日本列島が亜熱帯になったのではないかと思うくらいです。

今日は「海の日」。
土曜日からの三連休で、横浜の自宅に帰っていました。
横浜では、まだくちなしの花が残っていて、あの独特の甘い香りを放っています。
kutinasi0715.jpg

さで、帰宅の理由の一つは、本日開催の東京都合唱祭に参加するためです。
昨年の合唱祭は、ちょうど転勤直後で、とてもそんな余裕はなく参加は見送ったのですが、我が合唱団の今年の演目が、三木稔先生の「レクイエム抄」と「合唱・般若心経」であったことから、指揮者とメンバーにご無理を申し上げ、参加させて頂きました。
三木先生は、一昨年末にご逝去なさいましたが、最後まで「レクイエム」の混声完全版の完成に心血を注がれました。
また、男声合唱曲として作られた「般若心経」を、混声バージョンに再構築される試みも果たされています。

今回は、その「レクイエム抄」の一部と「合唱・般若心経」を指揮者の先生の構想で合体させるという試み。

私の所属する合唱団の精神的支柱を担われていた先輩が、誠に無念なことに今年の春ご逝去。
仕事の関係などもあり、私は野辺の送りに参列することができませんでした。
80歳を超え、心臓にペースメーカーが入っているのにもかかわらず、ドラマティコ・テノールを朗々と響かせる生粋のテナーであり、団の運営が難局を迎えた折にも大きな指導力を発揮して局面の打開を図られた。
そのような方でしたから、団員の喪失感も大変深く、今次の合唱祭においては、三木先生とその先輩への追悼の想いをも込めようということになったのです。
それだけに団員の気持ちは突き詰めたように高揚し、祈りの灯火を各々の胸に灯らせたことでしょう。

そのような中に、遠く離れた場所にいて練習にも出ていない私が参加を申し入れるなど、普通に考えれば常軌を逸した失礼千万な所業でありました。
それでも、今回の異動などで首都圏方面に帰ることができればギリギリ間に合うかもしれないと思っていたところ、二年目の単身生活突入となったわけです。
ずいぶん悩みましたが、楽譜は手元にありますので、譜読みは一人でもできます。暗譜を目指して頑張れば、何とか間に合うかもしれない、と考えました。
そこで、厚かましいことは重々承知の上で、指揮者、団の代表、バスパートのメンバーにお願いを致しましたところ、追悼の想いをこめての演奏であるから参加してくれ、との嬉しい回答を頂いたのです。さすがに感激で胸が熱くなりました。
それからは楽譜に首っ引きで、風呂にまで楽譜を持ち込んで読み込みました。
疑問点をパートの先輩にメールでお訊ねし、音をピアノで拾いながら練習。
完全な暗譜まではできませんでしたが、フェルマータや速度記号・指示の部分を確認すればなんとかなるところまでやっとこぎつけてメンバーに合流。
しかし、メンバーと合わせることができたのは、本番当日である本日のリハーサルのみ。
指揮の先生は、そんな事情を慮って下さったのか、ギリギリのリハーサル時間の中で二回も通してくれました。
合わせてみるまで迷っていた箇所もこれで確認が出来、ホッと胸をなでおろしたところです。
そんな、正に泥縄的な状況でしたが、パートの先輩から「ずいぶん勉強してきたんだね」と言葉をかけられ、さすがに嬉しく感じました。

演奏の録音をアップします。
ファイルのサイズが大きかったので、二つに分けました。

こちらが「レクイエム抄」より。


こちらが「合唱・般若心経」です。


音量設定を間違ってしまったようで、音が小さめですが、雰囲気くらいは感じ取っていただけますでしょうか。

講評をしてくださった先生方の評の中に、「あちらの世界におられる三木先生にも、きっとこの演奏は届いたことでしょう」というものがあって、さすがに目頭が熱くなりました。

演奏が終わった後、メンバー全員で軽く打ち上げをしたのですが、私は途中で失礼し、津に戻ってきました。
ありがたいことに津では風があり、今夜は熱帯夜から解放されそうです。

そうそう、今回の往復は「ぷらっとこだま」を使ったのですが、思いのほか快適でした。
缶ビール一本相当のクーポン券がついてこの値段はお値打ちですね。
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コメント 8

hirochiki

お忙しい中、しっかりと練習を重ねられ合唱祭に参加されたのですね。
演奏を聞かせていただきました。
どちらも、心のこもった素晴らしい歌声で
天国にいらっしゃる三木先生も喜んでいらっしゃることと思います。
こちらも、今日は少し気温が下がり朝は楽かと思って出かけたのですが
湿気があるので蒸し暑い一日でした。
まだまだしばらくは猛暑が続きますので、くれぐれも体調管理にはお気をつけ下さい。
by hirochiki (2013-07-16 18:31) 

伊閣蝶

hirochikiさん、こんばんは。
演奏の録音、お聴き頂き、誠に恐縮です。
追悼という想いが団員全員にありましたので、「心のこもった」と仰って頂けたことが、本当に嬉しく望外の喜びです。
ありがとうございました。
こちらも、午前中は少し雲が張り出していて涼しかったのですが、やはり午後には蒸し暑くなりました。
今年の猛暑は尋常ではありませんので、どうぞ、くれぐれもご自愛下さいますようお願い申し上げます。
by 伊閣蝶 (2013-07-16 22:04) 

のら人

くちなしの~白い花~♪ ・・・ 渡哲也さんでしたでしょうか? ^^;
「ぷらっとこだま」は急いで無ければ良いらしいですね。
お酒とおつまみを沢山持って乗れば、自分なら至福だと思います。 ^^
by のら人 (2013-07-16 22:27) 

伊閣蝶

のら人さん、こんばんは。
やっぱり、「渡哲也」さんですね。
私も、この花を見るとやっぱりあの歌を思い出します。
しかし、クチナシの花の香りのする女性は、ちょっと(香りがきつすぎて)ご勘弁を、という感じですが。
ぷらっとこだまはなかなか快適ですよ。コストパフォーマンスもなかなかですし。
ただ、意外と希望の席をとるのが難しいようです。
グリーン車は1000円増しですから、余裕があればこちらの方がより快適ですね。
by 伊閣蝶 (2013-07-16 22:46) 

tochimochi

「レクイエム抄」と「合唱・般若心経」、まさに追悼のきょくですね。
合唱を聞かせていただきましたが、その想いは十分つたわりました。
ただ私もやはりくちなしの花の方に惹かれてしまいます。
門外漢の無礼をお許しください。

by tochimochi (2013-07-16 23:32) 

夏炉冬扇

今日は。
楽しいお仲間と一緒。ご精進に拍手。
by 夏炉冬扇 (2013-07-17 15:15) 

伊閣蝶

tochimochiさん、こんばんは。
拙い演奏をお聴き頂き恐縮に存じます。
演奏内容は拙いものですが、それでも心だけは込めたいと皆頑張りましたので、「想いが伝わった」とのご感想は本当に嬉しい。
ありがとうございました。
クチナシの花、私も、同じで、どうしてもその曲が頭の中を巡ってしまいます。
by 伊閣蝶 (2013-07-17 22:09) 

伊閣蝶

夏炉冬扇さん、こんばんは。
精進というよりも泥縄でしたが、仲間に迷惑をかけなかったことに安堵しました。
by 伊閣蝶 (2013-07-17 22:10) 

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