津フィルハーモニー管弦楽団、第11回定期演奏会 [音楽]
どうやら梅雨は明けたのでしょうか?
昨日・今日と、晴れて暑い日になりました。
今夜は七夕。
星空が広がり、ベガもアルタイルもきれいに見えています。
どうやら今年は、天の川を渡って、牽牛と織女は出会えたようですね。
今日は、津フィルハーモニー管弦楽団の第11回定期演奏会がありました。

以前も記事に書きましたが、メンバーに私の職場の同僚が参加しておりますので、楽しみに胸を躍らせて出かけたところです。
しかも、今回のプログラムは、次のような大変な入れ込み!
津フィルハーモニー管弦楽団は、代表で指揮者も務めておられる伊東玲先生のご方針もあり、参加したい方はその希望パートも含めて希望を最優先させるとのこと。
そういう、いってみれば大変に低いハードルの中で、これだけの大曲を演奏するのは相当の覚悟がいったのではないかと、私などは思ってしまいました。
しかし逆に言えば、そうして参加してる団員の方々にとって、大きな目標は大きなモチベーションにつながるということではないでしょうか。
因に、「未完成」は恐らくクリティカルバージョンを使用しておられるものと思います。このバージョンが今の演奏の大勢を占めるようになったのかもしれないと思うと、何だかとっても嬉しくなりました。
今回の演奏会、間違いなく前回よりもパワーアップしていました。
特に弦の美しさは特筆もの。
前回も、特にチェロの美しさに驚かされたところですが、今回の弦はどのパートをとってみても素晴らしい完成度です。
それから、クラリネットとオーボエも実に高い完成度を示していました。
美しくも張りと力のある演奏に脱帽です。
そうした中、残念なのはホルンでした。
ホルンという楽器は、あの独特の音色を持っていますから、作曲家はやっぱり効果的に使いたくなってしまう。
今回の演目でも、ホルンの活躍場所は無数にありました。
そのところどころで音が外れたり音を探したりされたので、さすがに曲への集中を妨げられます。
金管楽器の個人練習が音を殺すことが難しいため難儀であることは、私自身6年間も金管楽器を吹いてきたからよくわかります。
恐らく、パート内のアンサンブルを合わせる時間もかなり厳しかったことでしょう。従ってやむを得ないことだろうなと、それは分かります。
しかし、やはり残念ではありました。
それから、これは津フィルハーモニー管弦楽団の基本方針でもありますが、観客は子供連れを拒絶しない、という点。
思い切った試みだと思います。
前回の定期演奏会では、その意義も感得させられました。
しかし、今回の演目ではどうだったのか、という疑問も浮かんでおります。
小さなお子様をお持ちのご夫婦が、こういう機会を通じて生の実演を聴くことができる。これは誠に素晴らしいことではないかと思います。
でも、子供たちはどうなのでしょう。
前回の演奏会(第10回定期演奏会)では、ポピュラーな演目をたくさんそろえ、伊東先生の軽妙洒脱な解説もあって子供たちも楽しめるイベントになっていたと思いますが、今回のような演目で、果たして子供たちは楽しめたのでしょうか。
三歳未満の子供にとって、ピアノや歌曲のような演目ならともかく、大編成のオーケストラ曲が楽しめるようなものであるのか、私にはとてもそうは思えないのです。
今回の三曲。
どれも、ある意味では聴くものの心を引き裂くような重さと、それに耐えられるが故に感ぜられるカタルシスを備えていますが、それはやはりある程度様々な音楽に接しているからこそのものなのではないか。
特にシューベルトの未完成やベートーヴェンの英雄は、聴くものにそれなりの精神的な緊張を強いるものです。
複雑かつ時にデモーニッシュな和声展開、ピアニッシモのあとに突然訪れるトゥッテイなど、そういうものに、三歳未満の子供が耐えられるのでしょうか。
もちろん、そういう敏感な感覚を持った子供もいることでしょう。しかし、それは恐らく大多数ではない、そう思います。
私は、演奏の合間に、こうした小さな子供たちが泣いたり騒いだりしたことを、決して邪魔だとは思いません。むしろ、どうしてこんな場所につれてこられたのだろうと、そのことの方がきがかりでなりませんでした。
もちろん、津フィルハーモニー管弦楽団の方針に対して異を唱えているわけではありません。
もしかすると、私の方が古い感覚を演奏会のあり方の中に持ち込んでいる。そういうことかなとも思います。
そうした自由な雰囲気もあってか、演奏が始まってからも会場への出入りが平気であったり、楽章間で拍手が起こったり、当然のごとくフライングブラボーや拍手が起こったり、ある意味では前回以上に驚かされることが多かった。
しかし、それも、もしかすると私の感覚が古いが故の違和感なのかもしれません。
もっと誰でもが自由に楽しめる空間を作り出すことが、袋小路に入っているかのようなクラシック音楽の世界に風穴を開ける一つの方法なのかもしれないなと、そんなふうにも考えます。
どうもつまらないことを書いてしまいました。
それはともかく、特に「英雄」の演奏に関しては、団員全て、相当に気合いが入っていたなと感じます。
その気迫を感ぜられたことは、久しぶりの「英雄」の実演に接して、本当に得難い経験でした。
それにしても、こうしてシューベルトとベートーヴェンを並べて演奏されてしまうと、この二人の音楽性の違いが如実に分かってしまいますね。
ベートーヴェンはさすがに老練というか、ツボを抑えているな、と。
例えば、ビオラという楽器について。
シューベルトは、この楽器のために、ほとんど伴奏用のメロディしか書いていないように感じます。
少なくとも主役に持ってこようとは思っていなかったのではないかと。
しかし、ベートーヴェンは、オーケストラのどんな楽器にも、きちんとした旋律を与えています。
ビオラにも、三楽章や四楽章では実に印象的な旋律を演奏させていますね。
ベートーヴェンが、交響曲の中でもフーガを多用しているのは、もしかするとそんな効果を考えてのことかもしれない、などと、久しぶりに「英雄」の実演を聴きながら感じたものでした。
ところで、アンコールは、シューベルトのロザムンデ(間奏曲第3番)でした。
これが大変にしっとりとした素晴らしい演奏でしたが、職場の同僚に訊いたところ、アンコールの曲目が決定したのは昨日で、楽譜もその折に渡されたとのこと。
それは大変だったなあ、と同僚のご苦労をもう一度ねぎらったところです。
昨日・今日と、晴れて暑い日になりました。
今夜は七夕。
星空が広がり、ベガもアルタイルもきれいに見えています。
どうやら今年は、天の川を渡って、牽牛と織女は出会えたようですね。
今日は、津フィルハーモニー管弦楽団の第11回定期演奏会がありました。

以前も記事に書きましたが、メンバーに私の職場の同僚が参加しておりますので、楽しみに胸を躍らせて出かけたところです。
しかも、今回のプログラムは、次のような大変な入れ込み!
- タンホイザー序曲(ワグナー)
- 交響曲第8(7)番「未完成」(シューベルト)
- 交響曲第3番「英雄」(ベートーヴェン)
津フィルハーモニー管弦楽団は、代表で指揮者も務めておられる伊東玲先生のご方針もあり、参加したい方はその希望パートも含めて希望を最優先させるとのこと。
そういう、いってみれば大変に低いハードルの中で、これだけの大曲を演奏するのは相当の覚悟がいったのではないかと、私などは思ってしまいました。
しかし逆に言えば、そうして参加してる団員の方々にとって、大きな目標は大きなモチベーションにつながるということではないでしょうか。
因に、「未完成」は恐らくクリティカルバージョンを使用しておられるものと思います。このバージョンが今の演奏の大勢を占めるようになったのかもしれないと思うと、何だかとっても嬉しくなりました。
今回の演奏会、間違いなく前回よりもパワーアップしていました。
特に弦の美しさは特筆もの。
前回も、特にチェロの美しさに驚かされたところですが、今回の弦はどのパートをとってみても素晴らしい完成度です。
それから、クラリネットとオーボエも実に高い完成度を示していました。
美しくも張りと力のある演奏に脱帽です。
そうした中、残念なのはホルンでした。
ホルンという楽器は、あの独特の音色を持っていますから、作曲家はやっぱり効果的に使いたくなってしまう。
今回の演目でも、ホルンの活躍場所は無数にありました。
そのところどころで音が外れたり音を探したりされたので、さすがに曲への集中を妨げられます。
金管楽器の個人練習が音を殺すことが難しいため難儀であることは、私自身6年間も金管楽器を吹いてきたからよくわかります。
恐らく、パート内のアンサンブルを合わせる時間もかなり厳しかったことでしょう。従ってやむを得ないことだろうなと、それは分かります。
しかし、やはり残念ではありました。
それから、これは津フィルハーモニー管弦楽団の基本方針でもありますが、観客は子供連れを拒絶しない、という点。
思い切った試みだと思います。
前回の定期演奏会では、その意義も感得させられました。
しかし、今回の演目ではどうだったのか、という疑問も浮かんでおります。
小さなお子様をお持ちのご夫婦が、こういう機会を通じて生の実演を聴くことができる。これは誠に素晴らしいことではないかと思います。
でも、子供たちはどうなのでしょう。
前回の演奏会(第10回定期演奏会)では、ポピュラーな演目をたくさんそろえ、伊東先生の軽妙洒脱な解説もあって子供たちも楽しめるイベントになっていたと思いますが、今回のような演目で、果たして子供たちは楽しめたのでしょうか。
三歳未満の子供にとって、ピアノや歌曲のような演目ならともかく、大編成のオーケストラ曲が楽しめるようなものであるのか、私にはとてもそうは思えないのです。
今回の三曲。
どれも、ある意味では聴くものの心を引き裂くような重さと、それに耐えられるが故に感ぜられるカタルシスを備えていますが、それはやはりある程度様々な音楽に接しているからこそのものなのではないか。
特にシューベルトの未完成やベートーヴェンの英雄は、聴くものにそれなりの精神的な緊張を強いるものです。
複雑かつ時にデモーニッシュな和声展開、ピアニッシモのあとに突然訪れるトゥッテイなど、そういうものに、三歳未満の子供が耐えられるのでしょうか。
もちろん、そういう敏感な感覚を持った子供もいることでしょう。しかし、それは恐らく大多数ではない、そう思います。
私は、演奏の合間に、こうした小さな子供たちが泣いたり騒いだりしたことを、決して邪魔だとは思いません。むしろ、どうしてこんな場所につれてこられたのだろうと、そのことの方がきがかりでなりませんでした。
もちろん、津フィルハーモニー管弦楽団の方針に対して異を唱えているわけではありません。
もしかすると、私の方が古い感覚を演奏会のあり方の中に持ち込んでいる。そういうことかなとも思います。
そうした自由な雰囲気もあってか、演奏が始まってからも会場への出入りが平気であったり、楽章間で拍手が起こったり、当然のごとくフライングブラボーや拍手が起こったり、ある意味では前回以上に驚かされることが多かった。
しかし、それも、もしかすると私の感覚が古いが故の違和感なのかもしれません。
もっと誰でもが自由に楽しめる空間を作り出すことが、袋小路に入っているかのようなクラシック音楽の世界に風穴を開ける一つの方法なのかもしれないなと、そんなふうにも考えます。
どうもつまらないことを書いてしまいました。
それはともかく、特に「英雄」の演奏に関しては、団員全て、相当に気合いが入っていたなと感じます。
その気迫を感ぜられたことは、久しぶりの「英雄」の実演に接して、本当に得難い経験でした。
それにしても、こうしてシューベルトとベートーヴェンを並べて演奏されてしまうと、この二人の音楽性の違いが如実に分かってしまいますね。
ベートーヴェンはさすがに老練というか、ツボを抑えているな、と。
例えば、ビオラという楽器について。
シューベルトは、この楽器のために、ほとんど伴奏用のメロディしか書いていないように感じます。
少なくとも主役に持ってこようとは思っていなかったのではないかと。
しかし、ベートーヴェンは、オーケストラのどんな楽器にも、きちんとした旋律を与えています。
ビオラにも、三楽章や四楽章では実に印象的な旋律を演奏させていますね。
ベートーヴェンが、交響曲の中でもフーガを多用しているのは、もしかするとそんな効果を考えてのことかもしれない、などと、久しぶりに「英雄」の実演を聴きながら感じたものでした。
ところで、アンコールは、シューベルトのロザムンデ(間奏曲第3番)でした。
これが大変にしっとりとした素晴らしい演奏でしたが、職場の同僚に訊いたところ、アンコールの曲目が決定したのは昨日で、楽譜もその折に渡されたとのこと。
それは大変だったなあ、と同僚のご苦労をもう一度ねぎらったところです。
昨日は、今年初めてセミの鳴き声を聞きました。
昼間に車に乗りこんだところ、車の外気温の表示が40度になっていました。
今日からまた5日間、暑い居室で仕事をしなければならないと思うだけでちょっとゆううつです。
昨日は、津フィルハーモニー管弦楽団のよりパワーアップした演奏を聞いてこられたようで良かったですね。
我が家も、娘が小さい頃は暗い場所が全然ダメでしたので
こういった場所へはまったく行くことができませんでした。
子どもを預ける場所がないご夫婦にとってはありがたい試みだと思いますが
周りの人たちにとってはどうなのかということはちょっと感じますね。
by hirochiki (2013-07-08 05:07)
こんにちは。
猛暑日でⅠ日大汗。やっぱりもう体が「いやいや」してます。
ポスター新鮮。
by 夏炉冬扇 (2013-07-08 18:30)
hirochikiさん、こんばんは。
今日も猛暑日になりました。
名古屋も相当な暑さになったものと拝察します。
暑い居室でのお仕事、これは本当に大変ですね。
津フィルの試み。私も非常に素晴らしいものと思います。
特に、子供がおられるが故にコンサートを聴けなかった人たちには朗報だろうと感じました。
ただ、なんといいましょうか、当のお子様にとってどうなんだろうと、感じたところです。
by 伊閣蝶 (2013-07-08 23:57)
夏炉冬扇さん、こんばんは。
こちらも猛暑日で、体がイヤイヤをしました。本当に憂鬱です。
ところで、津フィルのパンフ、仰る通り素晴らしいデザインでした。
by 伊閣蝶 (2013-07-08 23:59)
梅雨明け後は連日の猛暑で大変ですね。
自分も昼はお茶やコーヒーをガブガブ飲んでいますが、夜はビールをガブガブと。 ^^;
七夕に気付かず、ガブガブ飲んでいたら夜が更けていました。
サラリーマンは特に健康管理が大事ですね。
by のら人 (2013-07-10 20:46)
のら人さん、こんばんは。
本当に連日の猛暑で参ってしまいます。
日中の暑さももちろんですが、熱帯夜は本当に厳しい。
私も昼間は麦茶をがばがば、夜はビールをぐびぐび、という感じです。
この時期、とりわけ体調管理が必要不可欠ですね。
by 伊閣蝶 (2013-07-11 21:56)