SSブログ

転ばぬ先の…。 [山登り]

12月になり、何かと気忙しい日々が続いています。
きっと皆様も同じようにご多忙のことでしょう。
そんな中、中央自動車道の笹子トンネルの崩落事故が起きたり、第18代中村勘三郎さんが亡くなったりと、ショッキングな事件がこの上旬に出来してしまいました。
いずれのことも、書き始めると恐らく際限がなくなってしまいますので、ここでは取り上げませんが、メインサイトの方で少し触れています。

さて、昨日は少し早く帰宅することができましたので、夕食をとりながらNHK総合テレビの「ためしてガッテン」を観ました。

40代からすでに危険! 転倒死をホントに防ぐ

私も、街中などを歩いていて、ほんのちょっとした段差に躓くことがあったりしましたので、これは大変興味深い話題だなと思ったところです(それにしても、年間7000人もの人が転倒事故で命を落とし、交通事故を上回っているとは驚きました)。
gatten-tentou.jpg
バランス感覚測定の目安される片足立ちにおいて、足裏が冷えるとそこにあるメカノレセプターというセンサーの動きが鈍くなり、片足立ちの時間が短くなる、ということも初めて知り、正に「目から鱗」でありました。
冷え性の女性に転倒事故が多い、ということの傍証にもなりそうです。

それから「ほかのことを考えながら歩く」という状況も、歩行動作への集中力が鈍ることから転倒リスクが高まるそうです。
なるほどなあと、これも納得ですね。
振り返ってみると、先に書いたように躓くときは、たいてい考え事をしているかよそ見をしているか、前を歩いている人を追い越そうとして急ぎ足になる、などといった「余計なこと」に気を取られていたりする折でしたから。

それから、歩く動作と登る動作を無意識のうちに切り替えている、というのも大変興味深い話でした。
その境界は3cmとのことで、つまり、3cmを超えると人は無意識のうちに上りの足取りになることから躓く割合も減るようなのです。
ただしこれも、ほかに気を取られているとその限りではなさそうですが(^_^;

その中で、通常歩くときの足の運びは「振り子運動」になるという下り。
私が山登りを始めた頃、山登りの基本的な歩き方は「振り子運動」であるということを、入門書で読んだことを思い出しました。
あまり意識をしないで、階段や坂を上るとき、人はどうしても上る方の足を踏ん張り下の足で地面を蹴るようにして力を入れてしまいがちになります。
これでは早晩足の筋肉が疲労してしまい、とても長時間を歩くことは叶わなくなる。
従って、重心の移動を意識して足を運ぶわけです。
具体的には、少し前かがみになって、斜面の上の方に置いた足に重心を移し、その反動で下の足を上に持ってくる。そして、上に持ってきた足を静かにおろすと同時にそちらに重心を移動する。
大げさにいえば、足を運ぶたびに、上の方にある足の方向に体を傾けるような感じでしょうか。この際、拇指球に意識を集中することがポイントです。
こういう歩き方が身についてくると、足の筋肉疲労はかなり軽減され、重荷での長時間歩行にも耐えられるようになります。
静かに足を運んで体重を移動し、その反動で足を上げるので、当然のことながら足音はあまりしません。
山登りはなるべく静かに足音を立てないように歩く、というセオリーは、つまりこうした足の運びから自然に導き出されるものなのではないかと思います。

しかし、確かに振り子が下がりきったときに躓くリスクは当然高くなることから、そのことをきちんと意識する必要もありましょう。
山を歩いていて転んだなどという経験は、子供の頃を別とすれば私はほとんどありませんが、これは山を歩くという行為が最優先されているからにほかならず、例えば写真を撮るなど、ほかの行動に移る際には歩行を止めているので、そうしたことは起きないのではないかと考えます。
山登りを趣味にされている人たちは皆さんそうなのではないでしょうか。
ガレ場や雪渓などといった悪路を歩く際は殊更そうした意識が働くので、転倒のリスクを最小限にする足の運びをしますから、こうした箇所で転倒するなどという危険な真似には至りませんし。
(尤も、冬山初心者の頃は、自分の履いているアイゼンをオーバーズボンやスパッツなどにひっかけて躓いたり、ワカンの端をもう一方のワカンで踏んでよろめいたりしたこともありましたが。)

振り子運動から連想して余計なことを書いてしまいましたが、いずれにしても、メカノレセプターというセンサーの存在を知ったのは新鮮な驚きでした。
加齢という転倒リスクが高まる因子を年々重ねている状況ですから、このセンサーを錆びつかせないように、番組で紹介された「転倒を防ぐ『ながら力』アップ体操」を実践しようかなと思った次第です。

nice!(11)  コメント(10)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 11

コメント 10

夏炉冬扇

お早うございます。
妻も数か月前に「草刈り機」にひっかかって転んで。長引いて病院に行きました。どけておけばよかったと後悔してます。
by 夏炉冬扇 (2012-12-07 07:46) 

Cecilia

最近よく躓くのでどきっとしました。(笑)
冷え性の女性は転倒する確率が高いのですね。
冷え性ってよくわからなかったのです。私は低体温、低血圧なのですが、冷え性じゃないと思っていました。
でももしかしたら自分は冷え性なのかと思うことが最近多く、更にこの記事で確信に近くなってきました。
by Cecilia (2012-12-07 08:36) 

hirochiki

この番組は、最後の方だけちらっと見ました。
私も、最近は、会社の階段を上がっている時に時々躓くことがあります。
数年前まではこんなことはありませんでした・・・
転倒事故の死亡者が交通事故を上回っているのも初めて知りました。
これからますます寒くなり、足の裏が冷えやすくなりますので
十分に気をつけたいと思います。
by hirochiki (2012-12-07 18:35) 

tochimochi

通勤(時間が長くなりこの番組も見れなくなってしまいました(;_;)
山に登るときは仰る通り重心の移動を無意識のうちにしているようです。
でも平地では蹴る動作になってしまい勝ちです。
特に寒くなると早足になってしまいますので。
逆に考えると、筋肉に負荷をかけるので身体のためにはいいかもと思ってしまいました。

by tochimochi (2012-12-07 19:42) 

のら人

確かに「つまづき」は単純だけに、危険ですね。
今年自分も数度山で、つまづきそう、になりました。幸い、転びませんでしたが、このままいけばいずれ、確実に転ぶと思います。 ^^;
充分戒めながら、今後も歩いていきたいと思います。
by のら人 (2012-12-07 20:58) 

伊閣蝶

夏炉冬扇さん、こんばんは。
奥様、転倒で大変なお怪我をなさったとのこと。この番組でも、対策の一つに「片付け」がありました。
どうぞ、お大事になさって下さい。
by 伊閣蝶 (2012-12-07 23:09) 

伊閣蝶

Ceciliaさん、こんばんは。
この番組、いつも感じますが、本当に荒田が発見をすることが多く驚かされます。
足の裏のセンサーのこともそうでした。
血行を良くすることによってセンサーの感度を高めることが対策の一つのようですね。
いずれにしても、気をつけたいものです。

by 伊閣蝶 (2012-12-07 23:10) 

伊閣蝶

hirochikiさん、こんばんは。
残念なことに躓きの原因の一つに「加齢」もあるそうで、私もその下りを観ながらため息をついてしまいました。
バランス感覚を取り戻すことは様々なメリットがありますから、こういう番組を参考にいろいろと対策を考えていきたいものですね。
お互いに十分に気をつけましょう。

by 伊閣蝶 (2012-12-07 23:11) 

伊閣蝶

tochimochiさん、こんばんは。
私は、津に単身赴任したおかげで、時折この番組を見ることができるようになりました(^^;
横浜にいたおりは、夜中の再放送を時折見ていた程度です。
山を登るとき、やはり重心の移動を無意識にしますよね。
これはきっと、それが一番効率的な歩き方であるからなのでしょう。
しかし、確かに平地では蹴るように歩くこともしばしば。そしてそれはむしろ筋肉に負荷をかけるという意味では大変によい試みのように思います。
ウォーキングは早足で、ということもありますから。

by 伊閣蝶 (2012-12-07 23:12) 

伊閣蝶

のら人さん、こんばんは。
のら人さんのようなエキスパートは、たとえ少し躓いても転倒ということにはなりますまい。
しかし、仰る通り、躓きは単純であるだけに、大変危険だと思います。
私も心して臨みたいと思います。

by 伊閣蝶 (2012-12-07 23:12) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0