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大阪市音楽団解散のこと [音楽]

穏やかな天気です。

日比谷公園に出かけたら、小手毬の花が咲いていました。
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いつの間にか八重桜も終わっていて、花たちも姿も移り変わっていっているようですね。
尤も、小手毬もバラ科ですから桜の仲間ともいえるのでしょうけれども。

ヒロノミンVさんのブログで取り上げられていた「大阪市音楽団が解散!?」に関し、次のような報道がありました。

橋下市長殿、いきなり市音楽団「ジ・エンド」?
<大阪市>橋下市長、音楽団員と初の面談 廃止方針を説明
 大阪市の橋下徹市長は7日、市改革プロジェクトチーム(PT)が来年度からの「廃止」を打ち出している市音楽団の団員36人と初めて面談し、「行政が音楽団を丸抱えするのは時代に合わない」と方針を説明した。団員らは将来的な廃止には一定の理解を示しつつ、急な変化への戸惑いや不安を吐露。準備期間の延長や、廃止後も活動継続のため支援を求める声が相次いだ。

橋下市長は「『行政が楽団を抱える必要はない。(廃止後は)分限免職だ』と、音楽士(楽団員)36人の整理解雇まで言及」したのだそうです。
ヒロノミンVさんの記事によれば「大阪市の橋下徹市長は5日、市が同日発表した施策・事業の見直し試案で『2013年度に廃止』とされた市音楽団の音楽士36人の処遇について『単純に事務職に配置転換するのは、これからの時代、通用しない。仕事がないなら、分限(免職)だ』と述べた」とのことですが、これはかなりひどい仕打ちだと思います。
橋下氏は、市音楽団の音楽士の仕事を一方的に剥奪しながら「仕事がないなら免職」と言い切ってしまったわけで、市音楽団の音楽士がこれまで果たしてきた仕事や功績には全く一瞥もくれない、ということなのでしょうか。
公務員のことはよくわかりませんが、民間でも、与えられた職責をまがりなりにも全うしてきた職員に対し、問答無用で「免職」を言い渡すのは、外資系やブラック企業ならいざ知らず、ちょっと考えられないような気もするのですが如何。

ただ、次の記事では若干ニュアンスが異なっているようです。

大阪市音楽団「廃止1年延期を」 橋下市長と意見交換
 橋下市長は、文化の担い手として自立した上で市に補(ほ)填(てん)を求める▽文化の手段として行政の立場でやっていく-など、今後の道筋について楽団側に選択肢を示し、議論を深めて内部で認識を共有するよう求めた。

これなら、いきなり2013年から分限免職!などという過激な対応は取らない可能性もあり、と読めますが、一体どちらが橋下氏の本心なのでしょうか。

いずれにしても、こうした文化的活動への歳出削減と組織改廃などという方針に対し、大阪市民はどのような評価を下しているのか、そうした点に大変興味があります。
 楽団の維持経費は10年度、人件費を中心に約4億7800万円。収入は10分の1しかなく、差額の4億3000万円を市が負担する。
 
 学校や音楽ホールなどからの演奏依頼を受けて計94回公演し、入場者約7万2000人を集めたが、うち8割超の79回は観客から料金を徴収していない。音楽鑑賞の機会を市民に安く提供するため、条例で出演料を「1回6万3000円以内」と制限していることも収益が伸びない一因だ。

「音楽鑑賞の機会を市民に安く提供する」という目的は、市民のための演奏団体であるからこそのものと私には思われます。
また、市音楽団の音楽士は、大阪市立の中学や高校の吹奏楽部員の指導も無償で積極的に行っているのだそうで、それがこうした学校の吹奏楽部のレベルの底上げに大きく寄与しているとのこと。
確かに、橋下氏の「子どもたちに指導するために、税金でサッカーやラグビーのプロチームを抱えるのか」という主張にも一理あるのかもしれませんが、果たしてこれは同列に扱うべき性質のものなのか、私にはどうも判り兼ねます。

それはともかくとして、大阪市音楽団がこれまで取り組んできたこのような活動は、やはり現在の大阪市民の思いからは遠く離れたものなのでしょうか。
そのように大阪市民が考えているのであれば、私のような部外者に口を出す権利など全くないのですけれども。

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hirochiki

小手毬のお花がとても可愛いですね。
こちらでもよく見かけるようになりました。
ところで、大阪市音楽団解散については以前にも記事に取り上げられたことがあったように思います。
橋下市長の本意がどちらなのかは不明ですが、市民の考えをしっかりと取り入れてその目線に立っていただきたいものです。
もし前者が本心ならば、本当に悲しいことです。
by hirochiki (2012-05-09 05:46) 

伊閣蝶

hirochikiさん、こんにちは。
名古屋の方でも小手毬のお花を見かけるようになったとのこと。
本当に毬のような可愛い花で、私は大好きです。
ところで、大阪市音楽団のこと。
今の大阪市の財政状況がかなり危機的であることはわかりますが、問答無用で廃止、というのはやはりかなり厳しい対応ではないかと思います。
音楽などの文化活動はやはり人々の心に安らぎを与えるものだと思いますし、それが心の余裕につながれば、自然に消費を中心とする経済の活性化も図れるのではないかと、私などは思ってしまうのですが。
by 伊閣蝶 (2012-05-09 12:17) 

tochimochi

財政難の折、難しい問題ですね。ただ楽団廃止=解雇というのは無茶な話し、そこまで過激なことは橋本市長でもやらないことを願っています。
ただ、今までの楽団の活動を大阪市民がどう評価しているかは気になりますね。
by tochimochi (2012-05-09 12:32) 

伊閣蝶

tochimochiさん、こんにちは。
仰る通り、大阪市の財政状況を考えれば、費用対効果の観点から見直しを図ろうとすることもわからないではないのですが。
しかし、やはり雇用責任はあるのでしょうし、その点はきちんと整理してもらいたいなと思います。
実際のところ、市長のやりかたを大阪市民はどのように評価しているのでしょうか。私も大変気がかりです。
by 伊閣蝶 (2012-05-09 12:48) 

夏炉冬扇

今日は。
文化ってお金がかかりますね。それにすぐに成果は見えない。でも心のよりどころになる。効率1番では将来息切れすること必定。
by 夏炉冬扇 (2012-05-09 16:21) 

朝比奈 千歳

クラシック音楽を愛する身としては非常に残念な話です。
まだまだ少数派でありますし、まっさきに削減の槍玉に挙げられますし、淘汰されるのは辛いです。
これで後世になって選んだ府民らによって「功績」にならない事を祈るしかありません。
私がたにとってみれば功績ではなく減衰ですから・・・

極論な話、芸術に対して寛大な地方で活躍してもらった方が良いのではないかと思ってしまいます。

今の大阪の情勢は、目先の事で頭がいっぱいなのではとお察しします。
将来の人材を育成する素質が感じられません。
by 朝比奈 千歳 (2012-05-09 20:24) 

ムース

大阪市音楽団は国内でも屈指の吹奏楽団なのですから、こういうやり口には感心しませんね。私が市長なら間違いなく存続ですが、橋下氏は芸術に興味がないのでしょうね。1年後にどうなってしまうのか?、市の組織ではなくなったとしても何らかの形で残って欲しいものです。
by ムース (2012-05-09 21:41) 

伊閣蝶

夏炉冬扇さん、こんばんは。
仰るとおり、文化はお金がかかるものだと思います。しかし、恐らくかけただけの心の滋養が得られるのではないでしょうか。人が人らしく生きるための大切な要素ではないかと考えます。
by 伊閣蝶 (2012-05-09 23:09) 

伊閣蝶

朝比奈千歳さん、こんばんは。
まさしく音楽を愛する人間にとっては目を疑うような暴挙だと思います。

>極論な話、芸術に対して寛大な地方で活躍してもらった方が良いのではないかと思ってしまいます。

これは全くそのとおりと私も賛同します。
ご指摘のとおり、目先の喫緊の課題に対処することに汲々としている大阪市では、抱えきれないのかもしれませんね。
大阪市にとって将来必要となる人材に、こうした音楽的文化的素養は必要ないというご判断なのでしょう。
by 伊閣蝶 (2012-05-09 23:28) 

伊閣蝶

ムースさん、こんばんは。
身近にある宝物の価値を、当の本人が全く認識していないという事例はしばしば見聞きしますが、大阪市音楽団の場合も、大阪市と市長自身、この轍を踏んでいるような気もします。
2013年度にどのような決定がなされるのか、目が離せません。
私個人としては、どんな形であれ何とか残って欲しいものと願っているのですが。
by 伊閣蝶 (2012-05-09 23:34) 

環境大学新聞

GHQが確認したピサロの絵葉書

93年初夏頃に大変由緒在る家の家紋を勝手に盗呪った
色留袖を着用し娘の結婚を伝るテレビ画像で夫婦で
立礼平伏しない姿を見付た外務省職員S.7/東大卒が

94年から日本国外務大臣の辞令に下ずき
特別職国家公務員として96年晩秋頃までに海外出張を含め
勤務実態が在ったのか
真相を100条委員会で追及する活動をしませんか。
by 環境大学新聞 (2012-05-10 15:57) 

ハマコウ

儲からない仕事だからこそ行政がやるという面があると思うのですが…

by ハマコウ (2012-05-10 20:05) 

伊閣蝶

ハマコウさん、こんばんは。
私もそうだと思います。経済原理とは無関係な活動こそ、行政がサポートすべきではないか、と。
by 伊閣蝶 (2012-05-11 00:17) 

Cecilia

大阪市音楽団のメンバーの処遇、気になります。事務職への配置転換というのもどうかとは思いますが、いきなり免職ということにならないようにと思います。
私が住む県の県庁所在地の市にはプロのオーケストラはありませんが、好景気の時には県内外の音楽家や音楽関係者を支援する事業がありました。(過去形になっていますが細々と続いている事業もあります。)
景気が悪くなれば予算削減されるのは仕方がないのかもしれませんが、大阪市音楽団は大阪市にとっては大切な財産だと思いますので、何とかならないものかと思います。またこのようなことが悪しき前例にならないことを願います。

by Cecilia (2012-05-11 10:51) 

伊閣蝶

Ceciliaさん、こんにちは。
プロのオーケストラを持つ市町村は、やはりそれほど多くないのでしょう。
まして、市の職員として楽団員を雇用している例も少ないのではないかとは思います。
地方公共団体の財政がひっ迫している中、テーマパークや美術館や博物館などの施設が、利用者の減少などで採算が取れなくなって、廃止や民間への譲渡事例も多くなっていることもありますから、大阪市財政当局としては有効な歳出削減策を取らなくてはならないと考えるのも無理からぬことかもしれません。
しかし、そもそも文化活動は、そうした採算性を期待して取り組めるようなものではないと思います。
逆にいえばお金に換算できない豊かなものを市民に与えるという役割があればこそ、きちんと残して運営すべきものなのでしょう。
こうした役割を果たしてきた大阪市音楽団を、市の貴重な財産であると考えれば、このような性急で乱暴な議論は起こり得ないと思うのですが。
何とか良い方向での解決となるように祈ってやみません。
by 伊閣蝶 (2012-05-11 12:13) 

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