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桜が咲き始めました [映画]

朝のうちはちょっと冷え込んでいましたが、昼間はカッターシャツ一枚でも大丈夫なほど暖かくなりました。
日比谷公園では、やっとタンポポ(セイヨウタンポポ)の花がお目見えです。
セイヨウタンポポ

もしかすると、と思い園内をみて回ると、お待ちかねのソメイヨシノが花を付け始めていました。
桜の花

あいにく明日は、またまた大荒れの天気になるそうですが、この様子では何とか風雨にも耐えてくれそうです。
終末は各地でお花見の賑わいを見せることでしょう。

ところで、今日は、俳優若山富三郎さんが亡くなって20年目の命日なのだそうです。

私は、映画の中でも時代劇、さらにチャンバラ映画が殊のほかお気に入りで、その中でも若山さんは最も大好きな役者の一人でありました。
戦後の剣戟スターでは、近衛十四郎とともに断然他を圧倒する名手で、そのスピード感あふれる豪快な殺陣は、今なお歴代チャンバラ映画の中で燦然と光を放つものではないかと思います。
特に、「子連れ狼」シリーズは出色で、以前もこのブログに感想を書いたことがありました。

三隅研次監督、子連れ狼「子を貸し腕貸しつかまつる」

若山さんが亡くなってからもう20年も経つのか、と、ふと何とも言えない感慨を覚えます。
子連れ狼での拝一刀はもちろん最高のハマリ役といえましょうが、深作欣二監督の「魔界転生」での柳生宗矩の演技も忘れられません。
焼けおちる江戸城内での、千葉真一の柳生十兵衛との立ちまわりは一つの頂点といっていいのかもしれない、と映画を観ながらつくづく感じたものです。

近頃の若手俳優が時代劇で刀を使うと、竹光をそのまま竹光のように軽々しく振り回したりして、本来1kgくらいはある太刀の重さが全く伝わってきません。
仲代達矢さんは、映画「切腹」に出演した際、それまで時代劇での立ち回りを本格的にやったことがなかったことから、その重さを表現するために敢えて本身(もちろん刃引きはしている)を使ったそうです。
1kgの鉄の棒を振り回してみれば、それがどれほどのものか見当がつきましょう。
それを片手でくるくる回したり、フェンシングのように扱うなど、やはりちょっと考えられない感覚だなと思ってしまいます。
尤もその当時の武士たちの膂力は、それを可能にするほど強かった、ということも考えられ、馬上で馬の手綱を握りながら片手で大太刀をふるう武者もいたわけですからあながちおかしなことではないのかもしれませんが。

ところで、いわゆる剣戟スターの、本当の強さとはどんなものだったのでしょうか。
これは伝説めいた話も数多くあるので、本当のところはわかりません。
その中の一つで、これは比較的信憑性が高いといわれているのは、鞍馬天狗やむっつり右門などの当たり役をもつ嵐寛寿郎さんが、竹光で竹を切った、という逸話です。
本当だとすれば、とてつもない腕ですが、アラカンさんのカラミを演じた役者によると、テストと本番と二回切られて、当てられた体の蚯蚓腫れが一つしかなかった(全く同じところを切った)ということですから、さもありなん、という感じですね。
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hirochiki

今日は、こちらも穏やかな一日になりました。
でも、明日はまた大荒れの天気になり明後日からはまた気温が下がるそうです。
さりげなく咲いているたんぽぽは、何ともいえず愛らしいですね。
梅は開花がかなり遅れましたが、桜はいつのまにか蕾もふくらんで咲き始めています。
満開の桜は、何とか青空の下で見てみたいと思っています。

若山富三郎さんの「子連れ狼」シリーズは、海外でも公開されたようですね。
弟の勝新太郎さんとともに日本を代表する素晴らしい俳優さんでした。
by hirochiki (2012-04-02 21:06) 

伊閣蝶

hirochikiさん、こんばんは。
名古屋も穏やかなお天気とのこと。
こちらも夜空にきれいな月が輝いていました。
しかし、同じく明日は大荒れの天気となり、気温はまた下がるようです。
タンポポ、やはり、あの愛らしい花を見つけると嬉しくなりますね。
ああ、春だなあ、と実感します。
桜もやっと、という感じです。
明日の風雨に負けないで欲しいと切望しています。

若山さんの「子連れ狼」、海外でも公開されたのですか。
これは嬉しい(*^o^*)
座頭市シリーズの「続・座頭市物語」で、兄弟対決(若山・勝)がありましたが、これがまたものすごいものでした。
by 伊閣蝶 (2012-04-02 23:52) 

夏炉冬扇

お早うございます。
偶然でしょうが昨日「切腹」をテレビで。音楽もよかったです。
by 夏炉冬扇 (2012-04-03 07:24) 

Cecilia

もう桜が咲いているのですね。こちらでは梅の花も最近咲いたような状況で桜はまだです。(日当たりのよいところでは咲いていたりして・・・)
タンポポと言えば子供が小学生だった頃に大岡信さん編集の「おーいぽぽんた」という詩集を購入しました。(子供のため)
http://www.fukuinkan.co.jp/bookdetail.php?isbn=978-4-8340-3469-1
「おーいぽぽんた」は川崎洋さんの詩です。詩の中で綿毛になって飛んでいくタンポポたちには”ぽぽんた”とか”ぽんたぽ”とか”ぽたぽん”というようにひとつひとつに名前があるのですが、「最後が川に落ちるな」になっています。
by Cecilia (2012-04-03 08:45) 

のら人

若山富三郎さんの弟さんが勝新さんですよね。
その兄弟対決があったのですか? 知らなかったです。
今度DVD借りて、みたいです。 子連れ狼は田村正和さんのが好きです。
by のら人 (2012-04-03 10:51) 

伊閣蝶

夏炉冬扇さん、こんにちは。
このところ、テレビで何度か「切腹」が放映され、嬉しく思っています。
仰る通り、映像や仲代達矢の演技はもちろん、武満徹さんの音楽が最高でした。
以前にも、このブログで「切腹」のことを書いたことがあります。
http://okkoclassical.blog.so-net.ne.jp/2011-08-05

by 伊閣蝶 (2012-04-03 12:13) 

伊閣蝶

Ceciliaさん、こんにちは。
御地では梅の花の時期ですか。やはり冬の寒さが相当影響しているようですね。
私の実家でも、梅の花さえまだまだという状況のようです。
「おーいぽぽんた」、良い響きですね。一つ一つに「たんぽぽ」のアナグラムの名前が付いているという発想も素晴らしい。
川崎さんは、茨木のり子さんや谷川俊太郎さんと「櫂」を運営し、それぞれに素敵な詩を書いてこられました。
私は他に、谷川俊太郎さんの「ことばあそびうた」「ことばあそびうた また」などにもとても魅かれています。
子供に読んで聞かせるのには最適の詩集かもしれません。

by 伊閣蝶 (2012-04-03 12:14) 

伊閣蝶

のら人さん、こんにちは。
確か、役柄の上でも、兄弟という設定でしたね。
大映でのカツシンは押しも押されもせぬ看板役者でしたが、若山(当時は城健三郎)は不遇をかこっていて、映画の上でもちょっと不憫な感じがしました。
しかし、隻腕という設定にもかかわらず、城健三郎の殺陣は凄まじいものでした。
ところで、田村正和さんの子連れ狼、「その小さき手に」でしたか。
烈堂を仲代達矢が演じていましたね。
これは、私も大好きな映画です。
by 伊閣蝶 (2012-04-03 12:24) 

マチャ

こちらも平城宮跡の木が倒れるなど、大変な暴風雨でした。
まさに春の嵐でしたね・・・
奈良もようやく昨日、桜が開花しました。
来週は見頃になりそうです。
by マチャ (2012-04-04 11:05) 

伊閣蝶

マチャさん、こんにちは。
今日は、昨日と打って変って晴天となりましたが、昨日は本当にひどい荒れ方でしたね。
平城京跡では樹木も倒れたとのこと。
それでも、ならでは昨日、桜が開花したとのことで、ようやく春も本番というところでしょうか。
お花見が楽しみですね。
by 伊閣蝶 (2012-04-04 12:21) 

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