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「晩禱」の楽譜 [音楽]

今日も寒い日になりました。
明日(今日?)で二月も終わりというのに、この寒さは全く驚くばかりです。
予報では、これから雪になるとのこと。
交通機関などへの影響が気がかりです。

さて、「晩禱」の演奏会の続きです。
ちょっとしつこいかもしれませんが、それだけ私にとって思い入れが強かったわけですから、どうかご容赦のほどを。

というわけで、今回の演奏会で使った楽譜を紹介したいと思います。
bantougakufu01.jpg
これが表紙です。
練習日などのメモが汚い字で書かれた、結構くたびれた楽譜になっています。

晩禱の楽譜は、大変ありがたいことに、ネットからPDFで入手できるので、アリルイヤ合唱団ではこれを使って楽譜の手当てをしているようでした。
楽譜はもちろんキリル文字で歌詞が書かれていますから、私のような初心者にはお手上げです。
そこで、この楽譜は、そのキリル文字の歌詞にラテン語の振り仮名がついています。
bantougakufu02.jpg
このおかげで私などでも歌うことが出来るわけですから、感謝感激というところですね。

もちろん、アリルイヤ合唱団が結成された当時は、こんなふうにネットから楽譜を入手することなど思いもよらぬことでしたでしょうから、大変なご苦労もあったことと考えます。

演奏会の打ち上げの席で紹介されたお話の中で、私が特に感じ入ったのは、自分に何かがあったときには、この晩禱の楽譜を自分と一緒に棺に納めて欲しいとご家族に依頼した団員の方のことでした。
それほどまでの深い思い入れをお持ちなのだなと、深く感動したものです。

私は、合唱のみならず吹奏楽をやっていたりした関係もあって、これまでに結構たくさんの曲を演奏してきていて、従って楽譜もそれなりの数を所持しています。
しかし、今回の晩禱の楽譜は、それらの中にあっても断然違った重みを持ったものになりました。
このセロテープで補強し、散々鉛筆や赤ペンなどで書き込みをしたぼろぼろの楽譜ですが、私にとってはかけがえのない宝物となっています。
先のお話ではありませんが、一緒に棺に入れて欲しいと冗談抜きで思ったりもしているのです。

アリルイヤ合唱団は、ラフマニノフの晩禱の演奏のためだけに結成された合唱団です。
ほとんどの団員は、ほかに所属する合唱団を持っているものと思われますが、それゆえか、参加料や会費を極力切り詰め、団員の負担軽減に励んでおられるなと痛感しました。
今回の演奏会場であった牛込箪笥区民ホールのような公共のホールでは、入場料を取らないコンサートの場合は使用料がかなり安くなります。大体半額くらいでしょうか。
練習会場も、神尾先生や団長さんの口利きで大変安く借りられているとのことですし、第一、神尾先生に対する謝礼自体が相当低額なのではないかと考えています。
これだけの規模の曲を、これだけ集中して練習しているのにもかかわらず、私の印象からは大変に安い出費でありました。
これまでにいくつかの演奏会に参加してきましたが、練習のためのレッスン料、演奏会の参加費のほかに、演奏会の入場券もノルマをあてがわれ、売れなければ自分の持ち出し、などということが通常のパターンでしたから、このことには本当に驚きました。
逆に言えば、それだけ「晩禱」という曲に魅入られていた、ということなのでしょう。
その意味でも、私にとっては正に貴重な体験となったわけです。
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hirochiki

汗と涙が入り混じった大切な大切な楽譜ですね。
(私にはほとんど読めません^_^;)
これほど素晴らしい演奏会にもかかわらず、入場券のノルマもほとんどなかったようで、本当に思い出深いコンサートになりましたね。
アリルイヤ合唱団が解散されてしまうのは、残念なような気がしてしまいます。
by hirochiki (2012-02-29 05:53) 

伊閣蝶

hirochikiさん、こんにちは。
こちらではかなりの勢いで雪が降っていて、予想通り、出勤時は電車のダイヤが乱れたりで大混乱でした。
「汗と涙が入り混じった」正にそんな感じです。
いつもカバンに入れて持ち歩いていましたから、痛みも相当激しくなりました。
それゆえに愛おしさもひとしおというところでしょうか。
入場券のノルマがなかったのは、本当にありがたいことでした。
単に出費の面だけではなく、「有料」という重みが、たとえ来て頂く人に実費の負担をお願いしない場合であっても、やはり双方にのしかかってくると思われるからです。
もちろん、無料であっても、貴重なお時間を頂戴するわけですからいい加減な演奏はできませんが、気持ちの上では多少楽になります。
アリルイヤ合唱団は本日限りでメーリングリストも閉鎖し、サイトの方も契約終了時(5月)をもって終了となります。
やはり寂しい思いは拭えませんね。

by 伊閣蝶 (2012-02-29 12:13) 

般若坊

大切な楽譜ですね!いつまでも大切に撮っておきましょう。昨日の興奮といっしょに・・・
by 般若坊 (2012-02-29 15:39) 

夏炉冬扇

こんにちは。
大事な「記念品」ですね。
お袋が亡くなったとき私は棺に自分の歌集を入れました。思い出します。

by 夏炉冬扇 (2012-02-29 17:23) 

don

お疲れさまでした。
前記事の同僚のお子さんのこと、よほど心に残る
演奏だったのでしょうね。よかったですね!

携帯電話大丈夫でしたか?少し笑ってしまいました。
ぼくも飲むと記憶がよく飛ぶので^^


by don (2012-02-29 22:38) 

伊閣蝶

般若坊さん、こんばんは。
はい、大切にとっておくつもりです。
このかけ替えのない演奏と感動の証として。
by 伊閣蝶 (2012-02-29 23:54) 

伊閣蝶

夏炉冬扇さん、こんばんは。
夏炉冬扇さんは歌集もお作りでしたか。
あの味わい深い川柳はそうしたご経験の上に作られていたのですね。
その歌集をお母様の棺にお入れになったとのこと。感じ入っております。
by 伊閣蝶 (2012-02-29 23:59) 

伊閣蝶

donさん、こんばんは。
同僚のご子息のこと、本当に感動しました。
私はもちろん、指揮者の神尾先生や団員もみな静かな涙を浮かべておりました。
最後の演奏会でそうした奇跡が生まれたことに感謝をしています。

携帯電話のこと。本当に青くなりました。
取り敢えず無事に出てきたので心より安堵しています。
お酒は鬼門ですね。このところ深酒をすることが稀になったので、飲んだ時は余程気をつけなければと肝に銘じております。
by 伊閣蝶 (2012-03-01 00:03) 

ムース

演奏会、お疲れ様でした。 晩祷 聴いてみましたが、無伴奏の声楽曲はいかにも深淵ですが、なかなか曲の魅力にたどりつくまでには至っておりません。また何回か聴いてみたいと思います。それにしても、その曲のためだけの合唱団であるということ自体に強い驚きを感じます。難曲そうですので、さぞかし大変であったろうと思います。
by ムース (2012-03-01 01:28) 

伊閣蝶

ムースさん、こんにちは。
お気遣いのコメント、ありがとうございます。予想通りの難曲で、自分自身としてはまだまだ不完全燃焼といったところです。
晩禱、お聴きになられたとのこと。シュッツなどもそうですが、こうした教会音楽に関してはやはり多少好みが分かれることと思います。
ある特定の曲を演奏するためだけに結成されている合唱団、今回のアリルイヤもそうですが、以前、バッハのマタイ受難曲だけを演奏する目的で結成されていた管弦楽団と合唱団があって、私はそこ所属して三回マタイ受難曲を歌った経験があります。
そうした目的別の組織というのもなかなか合理的な発想といえるのかもしれません。

by 伊閣蝶 (2012-03-01 12:04) 

のら人

楽譜に対する思い・・・凄いですね。
音楽は、演奏する自分が気持ち良ければそれで良いのか、他人に聞いて貰って感動して頂ければ更に良いのか・・・は置いといて、音楽が世界を救えれば素晴らしい事だと思えます。  伊閣蝶さんは吹奏楽もやっているのですか。自分が持っているセ〇マーのテナサックスは、後10年以上はお蔵入りと思われ、お恥ずかしい限りです。(苦笑)
by のら人 (2012-03-01 20:52) 

伊閣蝶

のら人さん、こんばんは。
棺に納めて欲しいと願ったお話には、私もさすがに驚きましたが、そこまでこの「晩禱」に強い愛着をお持ちなのでしょうね。

音楽で世界が救えればそれはすごいことですが、例えば辛い思いをしている人が音楽を聴くことで少しでも気がまぎれたら、そういう演奏を届けることが出来たら、それはやはり嬉しいことだな、などと考えたりもします。

ところで、のら人さんは、セ〇マーのテナーサックスをお持ちなのですか!
これは素晴らしい。お蔵入りは残念すぎます。是非とも命を吹き込んであげて下さいますように。

by 伊閣蝶 (2012-03-01 23:52) 

Cecilia

最近購入した楽譜などは極力書き込みしないようにしているのですが、書き込みがある楽譜は汚くても愛着が湧きますよね。昔の書き込みを見てその時の練習風景を思い出したりします。でもそれを伴奏者にコピーして渡す時にはちょっと恥ずかしかったりします。
by Cecilia (2012-03-06 11:11) 

伊閣蝶

Ceciliaさん、こんばんは。
私は、自分が演奏する楽譜はやっぱりいろいろと書き込んでしまいますね。
曲を聴く為に購入したミニチュア・スコアには書き込みはしませんが。
仰る通り、昔の書き込みをみると、そのときに感じていたこと、練習風景などがありありと浮かんできます。
でも、確かに伴奏者にコピーを渡す時は恥ずかしかったりしますね。それも同感です。
by 伊閣蝶 (2012-03-06 23:25) 

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