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トスカニーニ没後55年 [音楽]

今日も曇り空で、寒い一日になりました。
さすがに雨にはなりませんでしたが、毎年この時期は決まって寒波がやってくるようです。
センター試験の頃に天気が荒れるのは、何だか恒例みたいになっていますが、受験生にとってはたまりませんね。

ところで今日は、アルトゥーロ・トスカニーニの没後55年に当たります。
toscanini.jpg
私が生まれた直後の一月でしたから、そのことを知った高校生の頃、何ともいえない感慨を覚えたものです。
当時は目ぼしいレコードもありませんでしたから、トスカニーニの凄さは伝説の上での知識に過ぎませんでした。
今では、次々に当時の音源がCD化されていて、正に隔世の感がありますが。

トスカニーニというと、私などはやはり真っ先にベートーヴェンを思い起こしてしまいますが、同時にまた、フルトヴェングラーの指揮も浮かんできてしまいます。
本当に、これほど異なる解釈・演奏があるのだろうかと思いつつ、どちらの演奏を聴いても胸をつかれてしまうのです。
音楽とは誠に以て奥深い芸術なのだなと改めて感じ入ってしまうのでした。

このベートーヴェンの交響曲全集は、とりわけ素晴らしい演奏だと思います。

トスカニーニでは、ほかに、レスピーギやチャイコフスキーなども素晴らしいのですが、私が一番「凄い!」と感嘆したのは、ヴェルディのレクイエムです。
これは本当に驚倒しました。
特に「Dies irae」における大太鼓連打の迫真力に満ちた硬質の響きは、他では決して聴けない音ではないでしょうか。

このRCA盤、何と655円ですって!
信じられない価格ですね!

ところで、フルトヴェングラーは、真似ようと思って真似の出来ない(真似をしようとも思わない?)個性であるのに対し、トスカニーニを手本にした指揮者は結構な数に上るのではないでしょうか。
カラヤンなどは最も影響を受けた口で、その点について指揮者の大町陽一郎さんはカラヤンから直接そのことを聞いたことがあるのだそうです。
その他にも、オットー・クレンペラー、ジョージ・セル、ゲオルグ・ショルティなどはかなり影響を受けているように思われます。

自分自身の演奏する音楽への陶酔を極度に抑制し、あくまでもインテンポを基本に小気味の良いテンポで押し切った「職人」トスカニーニ。
職人に徹したからこそ、どれほど時間が経とうとも古びない、クラシック音楽の本道とも言うべき演奏を残すことが出来たのかもしれませんね。
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hirochiki

センター試験の日は、受験生のためにも晴れてほしいものですね。
日差しがないと、よりいっそう寒く感じるものです。
トスカニーニは、時代を超えて愛される素晴らしい指揮者だったのですね。
機会があれば、ヴェルディのレクイエムも聞いてみたいと思います。
by hirochiki (2012-01-17 06:46) 

Cecilia

トスカニーニの指揮による演奏をYouTubeで聴いた記憶がありますが今思い出せません。古臭い演奏かと思っていたら意外だった記憶があります。
NMLで聴けるものと思ったけれど、ありませんね。(残念)
また意識して聴いてみたいと思います。

私は私学しか受験しなかったので共通一次を未経験です。入試制度も様変わりしてさっぱりわかりません。
by Cecilia (2012-01-17 09:19) 

伊閣蝶

hirochikiさん、こんにちは。
今日は、朝のうちこそ曇り空の冷え込んだお天気でしたが、お昼には久しぶりにたっぷりの陽射が降り注いでいます。

いろいろといわれておりますけれども、私はトスカニーニの人間性にも大変共感しています。
早くからファシズムとの対決姿勢を明らかにし、ナチスによって身辺に危険の迫っていたワルターを国外に亡命させる手助けをしたり、バーンスタインなどの若手の真摯な問いかけにもきちんと答えるなどといったところに、人柄が偲ばれる想いです。
ヴェルディのレクイエム、とりわけ「Dies irae」は様々なところで耳にする機会が多いと思われますので、お聴きになれば、「あ!あれか!」と、きっと頷かれることでしょう。
機会がございましたら、是非ともご一聴を。
by 伊閣蝶 (2012-01-17 12:16) 

伊閣蝶

Ceciliaさん、こんにちは。
昨年の春くらいに、NHKBSでビデオ映像が放映され、おお!っと驚いたことを思い出します。
トスカニーニの演奏は、デジタルリマスター技術によって実にすばらしい音で聴けるようになり、全く古びない演奏であったことが改めて評価されました。
楽譜に忠実に、という基本を守りつつ、その紙背にあるものを透徹した眼差しでえぐり出して行く姿勢に変わりがなかったからなのかもしれませんね。
ヴェルディのオペラも聴きものだと思いますので、機会がございましたら、是非とも!

私の頃はセンター試験はもちろん共通一次もありませんでした。
つまり、どんな高校生でも、一流大学を受験する権利だけは保証されていた時代でしたね。
by 伊閣蝶 (2012-01-17 12:24) 

夏炉冬扇

こんばんは。
トスカニーニ没の年のお生まれですか。私より大方1回りお若いです。
by 夏炉冬扇 (2012-01-17 21:21) 

伊閣蝶

夏炉冬扇さん、こんばんは。
なんと、一回り先輩でいらっしゃいましたか。
精力的なご活動に、前にも増してご尊敬申し上げます。
私もなお一層アクティブにいきたいと、想いを新たにしました。
by 伊閣蝶 (2012-01-17 23:53) 

ムース

 こんばんは。トスカニーニ没後55年とは、感慨深いものがあります。トスカニーニもワルターに次いで買い漁りました。一方、意外にもフルトヴェングラーにはあまり興味をそそられません。私はやはり曲線よりも直線を望むタイプです。中にはこのような音楽を「魂がない」と批判する向きもありますが、それが全く当たっていないことはいうまでもありません。殊に、ベートーベンの8番と、ケルビーニの「交響曲」などが私の愛聴盤でして、チャイコフスキーの「マンフレッド」も素晴らしかったです。
 録音が悪いのがたまに瑕なのですが、私なぞは、あのRCAの独特のテープのノイズを聴くのが却って心地よく感じます。また、NBC交響楽団の無骨な金管軍も、聴いていてある種の快感があります。トランペットの音割れも、本来好ましくないとはいえ、トスカニーニの録音ですとそれもまた音楽の一部たりえている気がしますし、今時の演奏にない別の魅力もあります。
 同様の理由で、ショルティも好みの指揮者です。トスカニーニがマーラーを取り上げなかった分、ショルティのマーラーを聴きます。批評家たちがいかに彼らの演奏を「無機的だ」と非難しようとも、このようなバリバリの直線的な演奏には独特の魅力がありますし、有機・無機といった精神論的なものは別次元で存在するのではと感じております。
by ムース (2012-01-18 23:42) 

伊閣蝶

ムースさん、こんばんは。
私も同意見です。
世の中には、ことにクラシックの場合、その演奏に「精神的」「哲学的」などという曰く言いがたい精神性を云い募る評論家の方が結構な数おられるように思われますが、私は、音楽の演奏は、畢竟、音の響き、つまり音響ではないかと思っております。
フルトヴェングラーの演奏に関して、内面的なものをあげつらう文学趣味的な評価も散見されますが、そんな文学青年じみた言葉を以て一体何を伝えたいのか、私には分かりません。
音楽とはもっと純粋に感ずるものであると思うのです。
その意味で、私はトスカニーニの演奏に純粋に感動します。
それはある意味大変わかりやすいから、ということもありますが。
以前にもこのブログにかきましたが、私はトスカニーニによるチャイコフスキーのマンフレッドにも大変感動しました。残念なことは終楽章などに大きなカットがある点で、楽譜に忠実といわれるトスカニーニが何故そのような演奏となったのか、真意を聴いてみたい気持になりました。
また、同様の理由で、私もショルティを高く評価する者です。
不思議なことに日本の評論家諸氏の評価は不当に低く、これも全く不可解です。
仰る通り、トスカニーニはマーラーを取り上げなかったようですから、ショルティの演奏を聴いて、それを埋め合わせています。
ショルティのマタイ受難曲もなかなか魅力的で、その意外な組み合わせの妙に唸ったものでした。
by 伊閣蝶 (2012-01-19 00:53) 

のら人

前回の記事で写真見ましたが「怪我」。 痛々しい限りです。大丈夫ですか?(大丈夫では無いですよね ^^;)  
決して大丈夫では無いけども、でも大丈夫、前向きに生きていく、みたいなメッセージとして捉えさせて頂きました。 自分は五体満足なのに、寒さに逃げてばかりでは駄目だと反省です。(苦笑)
by のら人 (2012-01-19 19:41) 

伊閣蝶

のら人さん、こんにちは。
重ねてご心配を頂き、本当にありがとうございます。
心より御礼申し上げます。
血腫が足首に降りていて、そこに溜まっていますので、そこの疼痛はなかなか解消されませんし、ぶつけたところの瘤もまだ残っていますが、大丈夫です。
のら人さんも肩を痛められて、その後のお加減はいかがですか?
その痛みのある中で、果敢にクライミングを実践されていることに、私の方こそ頭の下がる思いです。
私も負けずに、早く復帰したいなと思っています。
寒さに負けずに頑張りたいものですね。
by 伊閣蝶 (2012-01-20 12:17) 

don

そういえば、ホロヴィッツの奥さんはトスカニーニの娘さん
でしたね。「ホロヴィッツの夕べ」を読むと、真の芸術家の
娘は、こんなに尊大になるものかと思わされます^^
by don (2012-01-21 14:37) 

伊閣蝶

donさん、こんばんは。
「ホロヴィッツの夕べ」、残念ながら私はまだ読んでいませんが、ホロヴィッツの奥さんのこと、大変興味深く思いましたので、早速読んでみたいと思います。
私の印象としては、真の芸術家で尊大な人は例外的ではないかとの印象を持っています。
音楽芸術という巨大なものの前では、自分の存在は大変小さなものに見え、そこに近づくために努力するのに、尊大になどなっている暇はない、ということかと。
by 伊閣蝶 (2012-01-22 19:35) 

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