バイオリン名器の音色、現代モノと大差なし? [音楽]
三連休明けの火曜日、学校も始まって、年末から休みをとっていた人たちも職場に復帰するわけですから、またまた電車は混むだろうなと予想はしていましたけれども、やはり通勤電車は大幅な遅延。
いつもの通勤風景が始まりました。
夕方から薄雲が広がり、夜半には十六夜の月が雲間に滲んで虚空に浮かんでおりました。
お正月早々無粋な記事だなというのが実感ですが、ちょっと気になったので紹介します(確か、以前、NHKでも同じような実験を行ったことがあったのではないかと記憶していますが)。
バイオリン名器の音色、現代モノと大差なし?
例えば、目隠しをしてワインなどの銘柄を当てる、などという試みは、ほとんどの場合、周囲の期待とは裏腹の結果が出ることは良く知られていることですから、今回の試みも似たような結果が出ることにそれほどの不思議もないでしょう。
ましてや、楽器がよく見えない状態で弾いているわけですから、現代の高い製造技術のもとでばらつきのない正確な音を出すヴァイオリンの方が奏者の自然な平均律にフィットするという結果になってもおかしくはありません。
第一、
というこの記述も何だか曖昧です。
奏者達は、この6丁のヴァイオリンの音色を聴き分けていて、その上で「一番良い音」を選んだのか、それとも単なる感覚的な違いから一番良い音を選んだのか、その辺りがよくわかりません。
もしも聴き分けた上で、それでも現代のヴァイオリンの方が良い音(つまり奏者が好む音)だと言うのであれば、それはそれですごいことだなと思いますが。
ただ、ストラディバリウスを銘器だと考える奏者がそれと認識した上でストラディバリウスを弾くのであれば、そこから最大限に美しい響きを紡ぎだそうと試みようとするのも当然のことでしょうから、単なる「銘柄当てクイズ」などとは次元の違う結果となるのも、蓋し真実ではないかと考えます。
その意味では、
という見解もある意味では正しいということでしょう。
いずれにしても、私は「ストラディバリウス」だということを意識して演奏を聴くような「肥えた」耳は全く持ち合わせておりませんので、こうした研究自体に一体どんな意味があるのだろうと、疑問を感じてしまうのですが。
というわけで、どうしてこんな無粋な実験をするのかな、というのが、繰り返しになりますけれども正直な感想です。
因みに、前日の記事で取り上げたオイストラフが使用していた楽器は1705年製ストラディヴァリウスであったとのことです。
しかし、私は楽器の音そのものに感動したのではなく、あくまでも弾いているオイストラフの演奏に心を打たれたわけで、その演奏を成し遂げるためにオイストラフがこの楽器を選んだのだとしても、私にとってやはりそれは結果論にすぎないような気もします。
でも、演奏者にとって楽器はゆるがせにできない大切なパートナーなのですから、我々のような素人の聴衆などとは全く違った価値観で選ぶのは当然のことなのでしょうね。
いつもの通勤風景が始まりました。
夕方から薄雲が広がり、夜半には十六夜の月が雲間に滲んで虚空に浮かんでおりました。
お正月早々無粋な記事だなというのが実感ですが、ちょっと気になったので紹介します(確か、以前、NHKでも同じような実験を行ったことがあったのではないかと記憶していますが)。
バイオリン名器の音色、現代モノと大差なし?
例えば、目隠しをしてワインなどの銘柄を当てる、などという試みは、ほとんどの場合、周囲の期待とは裏腹の結果が出ることは良く知られていることですから、今回の試みも似たような結果が出ることにそれほどの不思議もないでしょう。
ましてや、楽器がよく見えない状態で弾いているわけですから、現代の高い製造技術のもとでばらつきのない正確な音を出すヴァイオリンの方が奏者の自然な平均律にフィットするという結果になってもおかしくはありません。
第一、
研究チームは、2010年、米インディアナ州で開かれた国際コンテストに集まった21人のバイオリニストに協力してもらい、楽器がよく見えないよう眼鏡をかけたうえで、18世紀に作られたストラディバリウスや、現代の最高級バイオリンなど計6丁を演奏してもらった。どれが一番いい音か尋ねたところ、安い現代のバイオリンの方が評価が高く、ストラディバリウスなどはむしろ評価が低かった。
というこの記述も何だか曖昧です。
奏者達は、この6丁のヴァイオリンの音色を聴き分けていて、その上で「一番良い音」を選んだのか、それとも単なる感覚的な違いから一番良い音を選んだのか、その辺りがよくわかりません。
もしも聴き分けた上で、それでも現代のヴァイオリンの方が良い音(つまり奏者が好む音)だと言うのであれば、それはそれですごいことだなと思いますが。
ただ、ストラディバリウスを銘器だと考える奏者がそれと認識した上でストラディバリウスを弾くのであれば、そこから最大限に美しい響きを紡ぎだそうと試みようとするのも当然のことでしょうから、単なる「銘柄当てクイズ」などとは次元の違う結果となるのも、蓋し真実ではないかと考えます。
その意味では、
研究チームは「今後は、演奏者が楽器をどう評価しているかの研究に集中した方が得策」と、名器の歴史や値段が影響している可能性を指摘している。
という見解もある意味では正しいということでしょう。
いずれにしても、私は「ストラディバリウス」だということを意識して演奏を聴くような「肥えた」耳は全く持ち合わせておりませんので、こうした研究自体に一体どんな意味があるのだろうと、疑問を感じてしまうのですが。
というわけで、どうしてこんな無粋な実験をするのかな、というのが、繰り返しになりますけれども正直な感想です。
因みに、前日の記事で取り上げたオイストラフが使用していた楽器は1705年製ストラディヴァリウスであったとのことです。
しかし、私は楽器の音そのものに感動したのではなく、あくまでも弾いているオイストラフの演奏に心を打たれたわけで、その演奏を成し遂げるためにオイストラフがこの楽器を選んだのだとしても、私にとってやはりそれは結果論にすぎないような気もします。
でも、演奏者にとって楽器はゆるがせにできない大切なパートナーなのですから、我々のような素人の聴衆などとは全く違った価値観で選ぶのは当然のことなのでしょうね。
昨日の朝は、さすがに少し早めに家を出ました。
会社の駐車場が混雑していて、「ああ、いつもの日常が始まった」と実感しました。
先週までは、けっこう年休を取ってお休みしていた方も多かったようです。
これは、利き酒ならぬ聞きヴァイオリンでしょうか。
本当に、何のための実験なのか不思議ですね。
ところで、その後、お身体は大丈夫でしょうか。
by hirochiki (2012-01-11 05:52)
hirochikiさん、こんにちは。
御地でも、やはり今週になって「日常的な」混雑が戻ってきましたか。
今年の年末年始は、休みを取れる人とそうでない人との差が格別に大きかったような気もしています。
利き酒!
正にその通りですね!
コメントを拝見して、思わずはたと膝を打ちました\(^o^)/
ご心配をおかけし、すみませんでした。
もう、頭痛の方は大丈夫です。
足の方はまだまだ腫れや痛みが去りませんが、歩くのにそれほどの支障はないくらいにまで回復しました。
今日の午前中、救急病院で支払を済ませましたが、5870円と、それなりの授業料を払ってきたところです。
これからはくれぐれも気をつけようと改めて思っているところです。
by 伊閣蝶 (2012-01-11 12:20)
今日は。
バイオリンも菜にも楽器はまるでダメなので、そうかー、ぐらいで申し訳ないのですが。
親父(明治生まれ)が若いころバイオリン弾いたことがあるらしい。もう亡くなって久しいのですが。
by 夏炉冬扇 (2012-01-11 16:57)
なかなか興味深い話ですね。
正直曖昧な話だと思います。聞き慣れた音でなかったら首を傾げると思うけどなあ…
ただバロック時代の曲には古楽器が見出されてる事例もあります。当然それとは違い現代の楽器も技術的なものがあり音色が違います。そうであればその個々の楽器の音色にフィットするような曲を選ぶなどの地味な努力の方が研究のしがいがあるようなないような…
そんな私の言葉も曖昧だと思いますが。
by 朝比奈 千歳 (2012-01-11 20:49)
夏炉冬扇さん、こんばんは。
私の父(昭和一桁生まれ)も、若い頃にヴァイオリンを弾いていたようです。
ただ、残念なことに一度も聴かせてもらったことはありませんが。
ピアノや笛など、あらゆる楽器を器用に演奏していましたから、それは事実だったのではないかと思いますが、さすがに83歳の老人に今から弾いてみてくれとは言えません。
残念です。
by 伊閣蝶 (2012-01-11 23:45)
朝比奈 千歳 さん、こんばんは。
このストラディバリウスは18世紀のものだそうですから、古典派からロマン派の走りの頃に作られたものと思われます。
このストラディバリウスのメインでの活躍がロマン派の頃であったのだとすれば、現代のものとそれほど違っているわけでもなさそうです。それゆえにこうした比較という発想も出てきたのでしょうけれども。
ご案内の通り、バロック以前の頃はミーントーンが弾き分けられていたりそもそもピッチが違っているので、古楽器を復元するなどして、その曲に合わせた演奏を試みるのは意味のあることと思います。そういう方面に注力する方がより建設的ではないかと思われますね。
by 伊閣蝶 (2012-01-12 00:10)
名器を聞きわける良い耳を持っていませんが、私の安物中国製ヴァイオリンも値段の割に悪くないと思っています。(以前記事にしましたね。)
やはりある程度良いものはそれなりに素晴らしい音が出るはずですが、それ以上に演奏者の技術や音楽性が重要だと思っています。
音が良く演奏者と相性が良ければ名器にこだわる必要はないと思いますが、職人の技は凄いですね。(安物量産中国製でもそう悪くはないのですが、きちんと作られた職人の手による楽器を使ってみたいと思うこともあります。できればそうしたいです。私が持っていても宝の持ち腐れですが。)
by Cecilia (2012-01-13 10:13)
Ceciliaさん、こんばんは。
Ceciliaさんのブログの記事でお聴きしたヴァイオリンの弾き比べの演奏、大変興味深く拝聴しましたが、実は、この記事を読んだ折、真っ先にCeciliaさんの記事を思い出した次第です。
弓の性能もかなり大きなファクターになり得ると知り、一度もヴァイオリンを演奏した経験のない私は、感嘆することしきりでした。
値段のことはともかくとして、職人が魂を込めて作った楽器にはやはり命が宿っているのではないかと私も思います。それを演奏者が認識して楽器と一体になった演奏を行う時、その演奏に立ち会う我々聴衆にもそれが伝わってきて感動を呼ぶのでしょうね。
Ceciliaさんのように純粋な音楽への愛情をお持ちの方に弾いてもらえるのであれば、きっと名器も素晴らしい音を響かせることでしょう。
by 伊閣蝶 (2012-01-13 18:21)