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TANNOY ARDEN Mark2の修理(エッジ張替え) [オーディオ]

2012年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
拙いブログにもかかわらず、ご高覧頂き、誠にありがとうございました。
本年も倍旧のご愛顧のほどをお願い申し上げますとともに、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げる次第です。

前回の記事にも書きましたが、年末年始と帰省し、本日、帰宅いたしました。
八ヶ岳山麓の実家は、マイナス10度を下回るほどの大変な冷え込みで、連日真冬日(一日を通して気温が零度以下)となっております。
今日は雪となり、それに激しい霰が混じる荒れた天気になりました。
実家に帰る際は、ちょっと帰省ラッシュのピークを外れたので快調でしたが、今日はもともとUターンラッシュが予想されていた上、途中に事故などもあって、断続的な渋滞となりました。
まあそれでも4時間ちょっとで帰宅できましたので上出来でしょう。

実家の掃除や片付けなどをしましたが、両親をはじめ兄弟等もみな相変わらず元気な様子でほっと安心しました。

さて、今回の帰省のもうひとつの大きな目的。
それは、私がメインで使ってきたスピーカー、「TANNOY ARDEN Mark2」の修理です。

以前、YAMAHAのNS690IIIのエッジ修理を行っており、今回は、そのエッジの市販品を購入してあったので、気持ちの上では余裕がありました。

主役の「ARDEN Mark2」の現状は、このような悲惨な有様です。
arden01.jpg
エッジの劣化は予想以上に進んでおりました。

NS690IIIのリード線は半田付けされていましたが、ARDEN Mark2はカプラーに端子が挿し込んである構造になっているので、取り外しは簡単です。
arden02.jpg

エッジをフレームに固定しているガスケットは両面テープで張り付けてあるので、これを慎重にはがします(あとで再利用しなければなりませんので)。
arden03.jpg

ダンパーとコーン紙を固定している四本のナットをはずします。
arden04.jpg

フレームからコーン紙とダンパーを取り外したところです。
arden05.jpg

フレームに残っている接着剤やウレタンをはがしていきますが、これが最初の難作業。
arden06.jpg
高域用のホーンを新聞紙などで覆い、スクレーバーや彫刻刀を使って、焦らずに除去作業を進めます。

コーン紙に残っているウレタンやエッジの残骸を同じく丁寧に取り去って、水性ボンドでエッジを張り付けますが、リブにうまく装着できるよう少しエッジに切込みを入れるとスムーズに装着できます。
しかし、これは前回のNS690IIIの時もそうでしたが、なかなかきちんと固着してくれません。
ボンドが乾き始めてきたところで、少し多めのボンドを上塗りし、初日の作業を終えました。

二日目、元日早々から作業を継続。
コーン紙とエッジの接着はまあまあの落ち着きようです。

「ARDEN Mark2」はフルレンジでありますから、フレームへの取り付け時に、高域のホーンの部分が擦れないよう微調整をする必要があります。
arden07.jpg
こんな風に手で上から押さえ、四方八方どの方向から押しても擦れないようにします(これを「センター出し」というようです)。
微調整には、ダンパーを固定する四本のナットを緩めて行います。
arden08.jpg
何度でもチャレンジできるので、じっくりと擦れなくなるまで調整しますが、これも難作業のひとつでしたね。

センター出しが終わったら、エッジとフレームをガスケットで固着させることになりますが、これがなかなか均等にいかず、こちらを押さえれば反対側が浮いてしまうという状況で、ほとほと参りました。
そこで、母から洗濯バサミを大量に借りてきて、強引にガスケットを挟み込みました。
arden09.jpg
手ブレを起こしてしまっていますが、雰囲気くらいは伝わりましたでしょうか?
これは自分ながらにナイスなアイデアだったと思っています。

あとはキャビネットに装着し、完成です!\(^o^)/
arden10.jpg

試聴に使ったCDは、ブラームスのクラリネット五重奏曲です。
名手プリンツがクラリネットを演奏した、私のお気に入りの一枚です。


エッジを張り替えたことにより、「ARDEN Mark2」は以前の絹のような滑らかな音を取り戻しました。
固着不良などによるビビリもなく、どうやら復活を果たすことが出来たようです。

今回は時間があまりなかったので、生まれ変わった「ARDEN Mark2」の音をたっぷり楽しむことは出来ませんでしたが、これからも帰省のたびに聴くことが出来るのだと思うと、やはり嬉しいものですね。

さあ、あとはレコードプレーヤーの修理です!
がんばらねば!
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コメント 19

tochimochi

明けましておめでとうございます。
正月早々からスピーカーの修理もされるとはすごいです。
昔は細かい作業も好きでしたが、今はご無沙汰になってしまいました。
今年もよろしくお願いします。


by tochimochi (2012-01-03 09:41) 

niki

今年もよろしくお願いいたしま~す!
by niki (2012-01-03 09:41) 

hirochiki

新年明けましておめでとうございます。
昨年は大変お世話になりありがとうございました。
本年もどうぞ宜しくお願いいたします。
ご実家へのご帰省お疲れ様でした。
マイナス10度を下回るほどの冷え込みだったとのことですが、私には想像がつかないほどです。
そのような中、ご両親もご兄弟もお元気だったとのことで何よりです^^
今回のスピーカーの修理もお見事ですね(*^^)v
洗濯バサミもこのように使えるものかと思わず感心して拝見してしまいました。
レコードプレーヤーの修理も、この調子で是非とも頑張って下さい!
by hirochiki (2012-01-03 10:38) 

Cecilia

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
スピーカー修理、うまくいったようでおめでとうございます。
修理後の音楽鑑賞の悦びは格別なものでしょうね。
帰省、お疲れ様でした。
by Cecilia (2012-01-03 11:04) 

伊閣蝶

tochimochiさん、こんにちは。
早速の新年のご祝賀、誠にありがとうございました。
今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
スピーカーの修理、本当はもっと余裕をもってやりたかったのですが、短い時間に追い立てられたので、一気に出来て却って良かったのかもしれません。
細かい作業、正直に言うと、老眼が進んでいるので結構辛いところです。

by 伊閣蝶 (2012-01-03 12:47) 

伊閣蝶

nikiさん、こんにちは。
早速の新年のご祝賀、誠にありがとうございました。
こちらこそ今年もよろしくお願い申し上げます。

by 伊閣蝶 (2012-01-03 12:48) 

伊閣蝶

hirochikiさん、こんにちは。
早速の新年のご祝賀、誠にありがとうございました。
こちらこそ、いつも温かなコメントを頂戴し、お心遣いを頂き、本当に励まされました。
心より感謝申し上げます。
本年もどうぞよろしくお願い致します。
実家の寒さは格別でしたが、みんなが元気いてくれたので私も元気になりました。
スピーカーの修理、今回も思いのほかの重労働になりましたが、取り敢えず完成をみて、ほっとしています。
洗濯バサミ、苦肉の策でしたが、追い込まれるとアイデアは出るものだなとしみじみ思います。
レコードプレーヤーの修理に関しても、ちょっとモチベーションが上がってきました。

by 伊閣蝶 (2012-01-03 12:48) 

伊閣蝶

Ceciliaさん、こんにちは。
早速の新年のご祝賀、誠にありがとうございました。
いつも温かなお心遣いを頂き、本当にありがとうございます。
心より感謝申し上げます。
こちらこそ、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
スピーカーの修理が終わり、ドキドキしながら鳴らしたのですが、復活した響きに苦労も吹き飛びました。
これからの帰省もちょっと別の意味で楽しみになりました。
今回は聴けなかったのですが、次回はバッハのマタイを聴こうと思っています。
あの冒頭の合唱をどのように響かせてくれるのか、今から楽しみです。

by 伊閣蝶 (2012-01-03 12:49) 

般若坊

本年もどうぞ 宜しくおねがいします。
by 般若坊 (2012-01-03 13:36) 

ヒロノミンV

 本年もどうぞよろしくお願いします。
 ついにTANNOYのARDENの復活も果たされたんですね。写真で見る限りエッジの部分以外はまだまだきれいだったんですね。これならエッジさえ交換できれば充分に活躍できそうですね。
 伊閣蝶さんの丹念な作業には脱帽です。
by ヒロノミンV (2012-01-03 14:16) 

伊閣蝶

般若坊さん、こんばんは。
こちらこそ、どうぞ本年もよろしくお願い申し上げます。
by 伊閣蝶 (2012-01-03 18:49) 

伊閣蝶

ヒロノミンVさん、こんばんは。
こちらこそ、どうぞ本年もよろしくお願い申し上げます。
やっと時間をやりくりし、TANNOYの復活が果たせました。
エッジを張り替えたことにより、昔の音が蘇ってきたように感じています。
ほっと一安心です。
それにしても、神経を使う作業でした。
NS690IIIの方が、作業としては楽だったように感じています。
by 伊閣蝶 (2012-01-03 18:53) 

のら人

明けましておめでとうございます。
今年もご指導ご鞭撻の程宜しくお願いします。
昔の事ですが、JBL、ボーズのスピーカーにサンスイのプリメインアンプを接続して楽しんでいた事を思い出しました。但し、伊閣蝶 さんのように自作する能力はありません。^^;  あの頃のオーディオ類は既に手元にありませんが、レコードプレーヤーとダイヤモンド針の幾つかは捨てないで取って置けば良かったかな? と、後悔しています。
by のら人 (2012-01-03 19:11) 

伊閣蝶

のら人さん、こんばんは。
早速の新年のご祝賀、誠にありがとうございました。
こちらこそ、本年もご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
JBL、BOSE、それに山水のアンプ、いずれも名機でしたね。
私が今自宅で使っているのはBOSEです。住宅事情もあって、さすがにTANNOYやYAMAHAは置けません。残念ですが。
レコードの針は、ナガオカが撤退してからは国産品の入手が困難になっているようです。
デリケートな部品故、できれば信頼の置けるメーカーのものを使いたいところです。

by 伊閣蝶 (2012-01-03 21:31) 

イズミン

 私もねマーク2のエッジの張り替えを終わりましたが、

片方のコーン紙と、マグネット?がすっています。

メーカーに電話したら、コーン紙全交換なら、低音波をを出しながら

センター調整すると言われましたが、

自分でセンターだしは、大変ですか?

方法の詳細を教えて頂けないですか?
by イズミン (2017-03-03 09:51) 

伊閣蝶

イズミンさん、こんにちは。
もう5年も前のことですので仔細には思い出せませんが、センター出しは最も気を使った作業であったことを覚えています。
とはいえ、特殊な技術や工具は必要なく、ひたすら根気よく調整をする、ということに尽きるようです。
本文にも書いておりますように、微調整には、ダンパーを固定する四本のナットを緩めて行うのですが、ウーファーのコーンを押して、ツイッターとの擦れが無くなるようにします。
擦れがあると手に微妙な抵抗があり、また、僅かですが擦れた音がします。
擦れが無くなるとスムーズに全く抵抗を感じられなくなりますから、コーンのどこを押しても抵抗が感じられなくなるように根気よく調整してください。
抵抗がなくなったと感じられたら、ナットを少し締めて仮固定し、そこでもう一度擦れがあるかどうか確かめると宜しいと思います。
その段階でスムーズに抵抗がなくなっていたら、本格的にナットを締めるということかと思います。
結局はトライ&エラーということでしょうか。
by 伊閣蝶 (2017-03-03 12:22) 

イズミン

遅くなりました、アドバイスのようにやってみました。今は、エージングも終わり快適にならしてます。

by イズミン (2017-07-17 17:42) 

伊閣蝶

イズミンさん、こんにちは。
うまくいったご様子で、安堵しました。
by 伊閣蝶 (2017-07-18 12:35) 

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by 流行や人気モデルの最新情報など、憧れのブランド全部満載しております。 (2020-07-06 03:19) 

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