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ネットでの有料音楽配信も不調なのだそうです。 [音楽]

今日は朝から曇っていましたが、夕方になるに従って雲が厚くなってきました。
天気予報では明日・明後日くらいまで天気はぐずつき、週末は晴れますが、気温は下がって過ごしやすくなるとのことです。

以前、「楽曲のネット配信とCD」という記事を書きましたが、どうやら、ネット配信もジリ貧になっているようですね。

法改正も意識不変 違法ダウンロード激増、音楽配信も急ブレーキ

以前の記事にも書いたのですが、年商1000億円にも届こうというところまで伸びてきた有料音楽配信の市場なのに、なんと昨年は909億円で前年並みにとどまっている、というのです。
2006年には前年比56%増を記録していたということですから、これは確かに「急ブレーキ」がかかった、というべきなのでしょう。

この記事ではその原因を「無料の違法ダウンロードの激増」としており、「音楽業界では警察などと連携して撲滅(ぼくめつ)を図っているが、なかなか効果が上がらず頭を抱えている」とのことです。
記事は続けて、
 ブレーキの原因について同協会は「違法サイトからの無料ダウンロード」をあげ、「18年の調査で、違法ダウンロードの総数は有料配信より1億4500万件も多い年約4億7千万曲だった」と明かす。一番安い「着うたフル」(1曲約200円)に換算すると約940億円が闇に消えた計算で、「その後もさらに増えているだろう」。

と書いておりますが、この「違法ダウンロードの総数」である「年約4億7千万曲」というのは、いったいどうやって調査した上での数字なのでしょうか。
是非ともソースを開示して欲しいところですね。

それはそれとして、その違法ダウンロード分を「着うたフル」の代金に換算して、940億円が闇に消えた、と分析していますが、こうした無料でのダウンロードが可能でなければそっくりそのまま売上につながっていたはずだと「音楽業界」の方々は本気で考えているのでしょうか?
本当にそう考えているのだとすれば、これは救いようのないほど能天気な認識だと思いますが如何。

CDも売れず、ネットでの有料音楽配信も不振であることの一番の理由は、金を払ってまでも聴こうなどとは思えないほど、今の音楽市場に流れている楽曲などがあまりにチープなシロモノだ、ということに尽きるのではないでしょうか?
正直に言って、ジャニ系だのAKBだのといった世界が流しているものなどが売り物になること自体、私にはとても信じられません。失礼な言い方であることは百も承知ですが。

 音楽業界誌オリコンの小池恒社長(45)は「“音楽はタダ”という間違った認識が蔓延(まんえん)している」と指摘。「今、違法ダウンロードは正規の件数の何倍にもなっている。まさにバケツの底に穴が空いた状態。犯罪行為なのだから、携帯電話業界と音楽業界が連携して撲滅に取り組むべきだ」と危機感を募らせている。

なるほど。

危機感を募らせるのはお立場上当然のことでしょうし、違法ダウンロードが犯罪行為だから撲滅すべきというのも、誠にご尤も。
違法な配信サイトの摘発はどしどしやるべきだと思います。

しかし、そうした違法サイトを摘発すればCDも売れるし有料音楽配信も復活するのだ!などと思うのは、失礼ながら早計なのではないでしょうか。
私の感覚からすれば、ほとんど無関係なのではないかと思いますよ。

「“音楽はタダ”という間違った認識が蔓延(まんえん)している」とのご指摘ですが、「全ての音楽」が「タダ」だなどと思っている人など殆どいないのではないのでしょうか。
先の「楽曲のネット配信とCD」にも書いておりますが、自分が望むようなすばらしい音楽と演奏を聴かせてくれるCDであれば、10000円出したって惜しくなどありませんし、そうした宝物を得るための対価なら喜んで支払います。
つまり、「“音楽はタダ”という間違った認識」ではなく、「どうでもいい音楽はタダで当然」だし「くだらない音楽などタダでもいらないという認識」が大半のリスナーの偽らざる想いなのではないでしょうか。

ましてこの深刻な不況下、若者は雇用不安や低賃金にあえいでいるのです。
そんな彼らが生活を切り詰めてまで買いたいと思う、逆に言えば、そうまでしてでも身近に置いておいていつでも聴いていたいような音楽を世に出すことこそが、あなた方「音楽業界関係者」の務めなのではないのですか?
警察と連携しても効果が上がらない、などと愚痴をこぼし頭を抱えているヒマがあったら、まず「優れた音楽を世に出す」という夫子の真っ先に果たすべき本分を全うして下さいな。

こうした話題において、口角泡を飛ばして著作権違反だ違法コピーだと騒ぎ立てる業界関係者の殆どが、実際に音楽を創造する側ではなくそれを商品としてしか認識しない連中であることの不幸を、アーティストに替わって嘆きたいところですね。

このような度し難い中間搾取構造をこそ、なんとか整理・縮小できないものなのでしょうか。

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cora

お久しぶりです。しばらくこちらを読んでいませんでした。

「楽曲の違法ダウンロード」といえば、世界的なパロディ音楽家として有名なウィアード・アル・ヤンコビック氏(“Weird” Al Yankovic)が4年前に『Don't Download This Song』というオリジナル曲を発表しています。アルバム『Straight Outta Lynwood』の最後に収められた曲で、すごく面白い作品です。

動画:http://www.youtube.com/watch?v=wEmTbpvj9fM
歌詞:http://www.azlyrics.com/lyrics/weirdalyankovic/dontdownloadthissong.html

ヤンコビックさんに「地元の店へCDを買いに行け」と言われたって、良いものはいくらお金を払っても買うし“くだらない音楽などタダでもいらない”ですよね。
by cora (2010-05-21 08:24) 

伊閣蝶

coraさん、おはようございます。
コメントありがとうございました。

Yankovicさんの歌、面白く聴きました。
アニメもなかなか刺激的ですね。歌詞もいいし。
歌自体もいい曲だな、と思います。

ただ、coraさんの仰る通りで、アーティストには、リスナーが購入するに値する、と思わしめるような作品を出して欲しいと願うばかりですが。

by 伊閣蝶 (2010-05-22 07:59) 

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