フィッシャー＝ディースカウ／グレートＥＭＩレコーディングス [音楽]
昨晩から雨となり、今日も朝からかなり強い降りとなりました。
その割にあまり気温は低くならないのは、やはり春という季節によるものかもしれませんね。
しかし風が強いので、街路の八重桜はさすがにもう花びらを落としておりますが。
さて、実に驚くべきボックスセットが発売されました。
ディートリッヒ・フィッシャー＝ディースカウの「グレートＥＭＩレコーディングス（11CD限定盤）」です。
声楽を嗜んでいる人にとっては正に垂涎の企画であり、矢も楯もたまらず買ってしまいました。
シューベルトを始めとして、シューマン、ブラームス、マーラー、ヴォルフ、R.シュトラウス、レーヴェ、メンデルスゾーン、ワーグナー、リスト、コルネリウスなど、これまでフィッシャー＝ディースカウが残してきた名唱歌曲の総決算ともいうべきボックスです。
しかも、HMVのオンラインで購入すると1830円！という、度肝を抜くような特価！なのです。
中学・高校生時代に吹奏楽部員だった私は、その頃、基本的に器楽系の音楽を中心に聴いていたのですが、もちろんそんな私にとってもフィッシャー＝ディースカウは別格で、あの、まるで絹の布を滑らせるような美しいバリトンを聴きながら酔いしれていたものです。
高校生の時に、土方のバイトをして貯めたお金で購入した、バッハのマタイ受難曲。
当時神様のようにあがめていたカラヤン指揮のDG版で、確か6900円くらいではなかったかと思いますが、道路工事現場で三日間ツルハシを振るった報酬を充当したものでした（当時の高卒初任給の１／６位の価格だったのではないでしょうか）。
結果としてこのレコードは全く以て腹立たしいほど薄っぺらなシロモノでして、その後に後輩（金持ち）の所持していたリヒター指揮ミュンヘンの演奏を聴き心底がっかりしたことを思い出しますが、それでも、ペーター・シュライヤーの福音史家、フィッシャー＝ディースカウのイエス、クリスタ・ルードウィヒのアルト独唱など、主に個人芸の部分で名状しがたいほどの名演が存在しました。
私はその後も数多くマタイ受難曲を聴き、また、自分自身でも合唱メンバーとして三回の全曲演奏に参加しましたが、先に述べたカラヤン版の三名によるそれぞれの演奏は、今を以て同種の中でも最高のものと認識しているところです。
そんなわけですから、フィッシャー＝ディースカウのレコードやCDは既にかなりの枚数を所持しており、当然、このボックスセットとのダブりは存在します。
それでも、これだけ良質な音でリマスターされていることを鑑みれば、少しも惜しいとは思いません。
私自身、大変恥ずかしながらバリトン独唱などを数度経験したことがありますが、やはりお手本として聴くのはフィッシャー＝ディースカウです。
このCDには、そのディースカウのインタビューも収録されており、また、収録曲全曲の歌詞もPDFで付属しています。
これも大変に嬉しい心遣いだなと思った次第です。
しかし、こうした名演奏のボックスセットが驚くべき廉価で発売される昨今。
嬉しい反面、多少複雑な想いもあったりします。
レコードの時代では到底考えられなかったことですから。
その意味ではCDという、媒体の価格も安く、記録方法も簡便な素材が出現したことを喜ぶべきなのでしょうね。
なにはともあれ、これも当時の録音がきちんとした形で残されているからこそ実現した企画に他なりません。
録音に携わった方々に改めて御礼を申し上げたい気持ちです。
その割にあまり気温は低くならないのは、やはり春という季節によるものかもしれませんね。
しかし風が強いので、街路の八重桜はさすがにもう花びらを落としておりますが。
さて、実に驚くべきボックスセットが発売されました。
ディートリッヒ・フィッシャー＝ディースカウの「グレートＥＭＩレコーディングス（11CD限定盤）」です。
声楽を嗜んでいる人にとっては正に垂涎の企画であり、矢も楯もたまらず買ってしまいました。
シューベルトを始めとして、シューマン、ブラームス、マーラー、ヴォルフ、R.シュトラウス、レーヴェ、メンデルスゾーン、ワーグナー、リスト、コルネリウスなど、これまでフィッシャー＝ディースカウが残してきた名唱歌曲の総決算ともいうべきボックスです。
しかも、HMVのオンラインで購入すると1830円！という、度肝を抜くような特価！なのです。
中学・高校生時代に吹奏楽部員だった私は、その頃、基本的に器楽系の音楽を中心に聴いていたのですが、もちろんそんな私にとってもフィッシャー＝ディースカウは別格で、あの、まるで絹の布を滑らせるような美しいバリトンを聴きながら酔いしれていたものです。
高校生の時に、土方のバイトをして貯めたお金で購入した、バッハのマタイ受難曲。
当時神様のようにあがめていたカラヤン指揮のDG版で、確か6900円くらいではなかったかと思いますが、道路工事現場で三日間ツルハシを振るった報酬を充当したものでした（当時の高卒初任給の１／６位の価格だったのではないでしょうか）。
結果としてこのレコードは全く以て腹立たしいほど薄っぺらなシロモノでして、その後に後輩（金持ち）の所持していたリヒター指揮ミュンヘンの演奏を聴き心底がっかりしたことを思い出しますが、それでも、ペーター・シュライヤーの福音史家、フィッシャー＝ディースカウのイエス、クリスタ・ルードウィヒのアルト独唱など、主に個人芸の部分で名状しがたいほどの名演が存在しました。
私はその後も数多くマタイ受難曲を聴き、また、自分自身でも合唱メンバーとして三回の全曲演奏に参加しましたが、先に述べたカラヤン版の三名によるそれぞれの演奏は、今を以て同種の中でも最高のものと認識しているところです。
そんなわけですから、フィッシャー＝ディースカウのレコードやCDは既にかなりの枚数を所持しており、当然、このボックスセットとのダブりは存在します。
それでも、これだけ良質な音でリマスターされていることを鑑みれば、少しも惜しいとは思いません。
私自身、大変恥ずかしながらバリトン独唱などを数度経験したことがありますが、やはりお手本として聴くのはフィッシャー＝ディースカウです。
このCDには、そのディースカウのインタビューも収録されており、また、収録曲全曲の歌詞もPDFで付属しています。
これも大変に嬉しい心遣いだなと思った次第です。
しかし、こうした名演奏のボックスセットが驚くべき廉価で発売される昨今。
嬉しい反面、多少複雑な想いもあったりします。
レコードの時代では到底考えられなかったことですから。
その意味ではCDという、媒体の価格も安く、記録方法も簡便な素材が出現したことを喜ぶべきなのでしょうね。
なにはともあれ、これも当時の録音がきちんとした形で残されているからこそ実現した企画に他なりません。
録音に携わった方々に改めて御礼を申し上げたい気持ちです。
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伊閣蝶さん、こんばんは。
私もＢＯＸ買いました。
ちなみにグラモフォンレベルからも
フィッシャー・ディスカウのＢＯＸが出ています。
私もＨＭＶのダイヤモンド会員が
２年間続いています。
廉価盤の価格、
罪作りなものです。
来月は生誕１５０周年の
マーラーのＢＯＸが
グラモフォンとＥＭＩから出ます。
また生誕８０周年の
カルロス・クライバーの
グラモフォンレベルの
ＣＤＢＯＸとＤＶＤＢＯＸが発売されます。
自己破産寸前です。
by cfp (2010-04-28 21:33)
cfpさん、こんにちは。
ボックスセット、確かに罪作りですね。
私もHMVの情報を見て、楽しみであると共の、買いたくなってしまう衝動をどうやって抑えようかと悩んでしまいます。
出費も深刻ですが、CDの置き場も結構な問題で、家内からは「整理しなさい！（いらないものは捨てなさい）」と厳しく詰め寄られています。
本の量も馬鹿にならないので、実に悩ましい。
でも、マーラーやクライバーのボックスセット、やっぱり欲しくなってしまいますね。
by 伊閣蝶 (2010-04-29 14:39)
１０年ちょっと前にNHKでディースカウの声楽講座（シューベルト）がありました。
録画していますがしばらく見ていないのでまた見てみたいです。
手持ちの「フィガロの結婚」でディースカウが伯爵なのですが、演技も歌も気に入っています。
by Cecilia (2010-05-14 15:19)
Ceciliaさん、コメントありがとうございました。
ディースカウの声楽講座、私も録画しました。
ディースカウは、仰る通り演技も大変上手です。
私は、ベーム指揮ウィーン・フィルによるエレクトラのLDを持っているのですが、ディースカウの演ずるオレストにうならされたものです。
by 伊閣蝶 (2010-05-14 22:45)